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『酒番日記』映画、音楽、本、時々酒、のこと 第1回

THE CLOAKROOM TOKYO
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Minoru Kuriiwa
みなさんこんにちは。The Cloakroom TokyoWEBマガジンのリニューアル準備号、関先生の『美食通信』はお楽しみいただけましたでしょうか。
今回はいよい正式スタートの第1回として知る人ぞ知る路地裏の名店bar sowhatの店主、そして酒番である栗岩稔氏による新連載『酒番日記』映画、音楽、本、時々酒、のこと の第1回をお届けします。
前職の上司であり、男臭さの先生であり大先輩として尊敬してやまない栗岩さんに寄稿いただけるなんて私には夢のようなことです。
ちょっとピンチでも、世の中が荒れていても、いろいろ上手くいっていない時でも、誰のためでもなく自分のために格好つけていたい。(結果モテたい)
bar sowhatのカウンターに座り栗岩さんからグラスをサーブされると、格好つけることの大切さを思い出せる。私にとってbar sowhatはそういう場所です。
今だからこそ、皆様にもそんな気分をお伝えできれば嬉しいなと思います。

『酒番日記』 映画、音楽、本、時々酒、のこと

小さな酒場の壁面を埋める大きな本棚、そこにある ED VAN DER ELSKENのモノクロ写真集「JAZZ」
トランペットを構える袖口からきれいに覗くドレスシャツの真っ白な袖,その巾と違わない衿廻りの白。
表紙を飾る黒人トランぺッターのその写真には躍動感がありながら整然とした美しさが漂う。

そのステージでは必ずと言って良いほどダークスーツに白のドレスシャツに蝶ネクタイというスタイル。
ボーカルセクションで腕を下ろしている時は気づかないが、いざトランペットを構えると覗く真っ白な袖、
もちろん衿も同様に。
若いころには生活のために紳士服の仕立て工場で働いていたともいうその経験から来るのか
そのスタイルには一本筋が通り、二度と同じ演奏がないとも言われる刹那的なJAZZのステージで
自分を精一杯表現する強い意識が感じられる。

不協和音と彼独自の美しい旋律から人々を魅了したピアニスト/セロニアス・モンク。
彼は人一倍自身のスタイル気を配ったと言われている。
そのスーツ然り毎回違う帽子、サングラス等小物にも気を使った独自のスタイルが浸透している。
彼のお話は改めて。

2人が同じ映画にそれぞれに出演する「真夏の夜のJAZZ」
夏の終わりのニューポートジャズフェスティバルのライブ映像も必見

夏が終わり秋らしい光あふれるある日の夕暮れ、
ネイビースーツに白のドレスシャツ、紺のネクタイという、いつもよりかしこまったスタイル。
商談の帰りらしく、少しだけ疲れが覗くその袖口とは反対に達成感がにじみ出るその佇まい。
いつものバーボンソーダをひと口、漏れ出る安堵のため息、そしてもうひと口と柔らかな笑顔。
令和2年11月吉日
そんな姿を思い出しながら今日もまた酒場の扉が開く
こんな日にはLOUIS ARMSTRONG /What A Wonderfull World を。

酒番 栗岩稔
プロフィール:木挽町路地裏 bar sowhat 店主として日々人に向かい、酒を通して時間を提供する。
ブランドマーケティング業、服飾業等の経験から、事業提案、イベント企画運営、パーソナルスタイリング業も行う。来春から、インターネットラジオにて番組パーソナリティも予定するなど多岐にわたり活動。