GOETHE 2026/3号
GOETHE 2026年3月号に掲載いただきました。誌面では俳優の市川正親様にThe Cloakroom のジャケットをご着用いただいています。
GOETHE 2026年3月号に掲載いただきました。誌面では俳優の市川正親様にThe Cloakroom のジャケットをご着用いただいています。
レバテックのCMにて、八木莉可子さんにスーツをご着用いただきました。
ABEMAオリジナル連続ドラマ「わかっていても the shapes of love」で横浜流星さんにジャケットをご着用いただきました。
映画「正体」で松重豊さんにスーツをご着用いただきました。
Made-to-orderとは単なるサービスではなく体験です。
それは、あなたを再定義しさらなる価値を作り上げます。
6月の『銀座の仕立屋落語会』には、春風亭一之輔師匠のお弟子さんとしても知られる春風亭与いちさんが登場します。 端正な語り口とあたたかな人柄で、じっくりと物語を紡ぐ与いちさん。古典落語に真摯に向き合いながらも、ふとしたひと言に現代の感覚がにじむ高座は、聴き終えたあとに静かな余韻を残します。 寒さの合間に、少しずつ春の気配を感じ始める3月。仕立て屋の空間で、心を整えるようなひとときを、ぜひご一緒に。 第四十五回『銀座の仕立屋落語会・与いちクロークルーム』開催のお知らせ 日時:6月28日(日曜日) 12時45分開場 13時開演 終演14時30分ごろ 場所:ザ・クロークルーム 出演:春風亭与いち 開口一番 世話人:山本益博 会費:2,500円(税込)現金のみ ぴあでチケットをご購入の方はこちらから。 https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2613676 申し込み、お問い合わせは info@thecloakroom.jp まで 略歴春風亭与いち1998年4月5日生まれ2017年3月、春風亭一之輔に入門。翌年1月21日より前座となる。前座名『与いち』。2021年3月1日より二ツ目昇進。
去る三月二日、筆者が理事を務めるリーファーワイン協会専務理事で三栄商会社長の西尾宗三氏が逝去されました。 筆者を理事に推挙して下さったのも西尾氏でしたし、何といっても筆者と西尾氏を結びつけたのは「エチケット剥がし」の存在でした。西尾氏ご自身との交流は十年ほどでしたが、筆者の「エチケット剥がし」との付き合いは三十年以上に及び、間接的にそのお付き合いはあったのでした。 筆者にとって、「エチケット剝がし」の存在は自身のワインテイスティングの歴史そのものと言っても過言ではありません。西尾氏との思い出は多々ありますが、この稿では「エチケット剥がし」をめぐる西尾氏との不思議な縁について書かせていただきたく思います。 二〇一五年も終わろうとしていた頃でしょうか。ライターの岡野孝次氏から『SPA』で意外と知られていない日本人の発明について特集があり記事を書くので、確か「エチケット剝がし」は日本人の発明でしたよね、と問い合わせがありました。 筆者は「エチケット剥がし」を一九九四年から現在に至るまで使い続けており、しかもその開発者の会社から直接購入していました。その会社は「NAO」といい、どういう訳か、ファックスで註文するのが原則で電話は基本的にしないというのが慣例となっていました。ただ、註文してもなかなか届かない場合など仕方なく電話で確認するのですが、それは「三栄商会」という会社に対してでした。なかなか繋がらず、出るといつも同じ独特の存在感のある声の男性が対応されるのでした。 もともと、「エチケット剥がし」を知ったのは一九九四年に赤坂アークヒルズにあった「ル・マエストロ・ポール・ボキューズ・トキオ」に出かけそこでムートンの1984年を九千円で飲んで、ボルドーワインを極めたいと思ったからでした。その際、ソムリエ氏がボキューズの金色のサインが入った「エチケット剥がし」でエチケットを取って帰りに渡して下さったのでした。 筆者は「ル・マエストロ」に通うことにし、またコメントを裏に書いて残せるようになっていた「エチケット剥がし」を使ってボルドーワインを学ぼうと思ったのです。当時はSNSなどまだ発達しておらず、ワインは自らショップに出かけて買い、知識は書籍で学ぶしかなかったのです。そこで、ソムリエ氏に何処に売っているのか尋ねると、デパートのワイン売り場か東急ハンズに売っていると教えて下さいました。しかし、当時も一枚百円しておりましたので、親切なソムリエ氏が発明者は日本人でその会社から直接購入する術を知っているので教えてあげると言われたのです。 ワインには小売価格の他により安価なレストランへの卸価格があるのと同様、当時「ヴァンテックス」と呼ばれていた「エチケット剥がし」も「NAO」から卸価格で買うことが出来るというのです。それが件のファックス註文でした。レストラン用のファックス註文表があり、それをコピーして下さり、個人でも大丈夫だからと教えて下さいました。おそらく、ソムリエ氏たちが個人で勉強用に買われていたからでしょう。 という訳で筆者は岡野氏からの問い合わせの時点で二十年以上も相手が誰なのかも知らず、「NAO」から「エチケット剝がし」を購入し、使い続けていたのです。そこで岡野氏に、詳しくはわからないので直接電話してみて欲しいと「三栄商会」の電話番号を教えたのでした。 そして、『SPA』二〇一六年一月二十六日号の「『世界一な日本人』を探してみた」というコーナーに岡野氏が書かれた「NAO」の記事が掲載されたのでした(118頁)。その記事で筆者はエチケット剥がしが1992年に発売され、元々はシャンパーニュのエチケットを剥がすために開発されたこと。その開発者の名前は西尾宗三という人であることを知るに至ったのです。 さらに雑誌が送られてきたときに、岡野氏から西尾氏が自分に会いたがっているので連絡して欲しいと言われたのです。筆者は「エチケット剝がし」の一ユーザーでしかない自分などに何の御用なのかと思いつつ、電話させていただきました。すると、西尾氏は筆者の教えている明治大学のOBでいらして、「紫紺会」という明治大学の同窓会の大森支部にあたる「紫紺クラブ」の役員で、体育会「アーチェリー部」の役員も務められているとのことでした。明治大学のOBの方たち、特に筆者より年配の方たちには愛校心の強い方が多数おられ、西尾氏もそのお一人でお目にかかってすぐに「紫紺クラブ」での講演や「リーファーワイン協会」へのお誘いをいただきました。 西尾氏がおっしゃるには岡野氏からの問い合わせに、最初どこの関か分からず、「エチケット剥がし」のヘヴィーユーザーの関だと分かり、岡野氏からその正体が明治大学の教員だと聞かされ驚いた、と。当時はすでにデジカメから写メへと画像で保存するようになり、個人で「エチケット剝がし」を「NAO」から購入していたのはどうももう自分だけだったらしいのです。西尾氏曰く、日本で、いや世界で『エチケット剝がし』を一番使っているのは自分ではないか、と。 それからの十年はあっという間で、西尾氏との思い出は数えきれないほどあります。それらはまた別の機会に書くこともあるでしょう。 ここで一つだけどうしても書いておきたいエピソードがあります。 それは西尾氏が手帳にいつも持ち歩いておられた一枚の写真。若き日の西尾氏が『ポケットワインブック』で有名なヒュー・ジョンソン氏とツーショットで写っているものでした。 西尾氏は来日されたジョンソン氏と会食された際、ブラインドテイスティングでワインを出されたそうです。ボルドーワインだったそうですが、アペラシオンからシャトー名、さらにはヴィンテージまで次々と推論され、そのテイスティング能力の素晴らしさに感嘆されたとお話下さいました。 西尾氏ご自身をはじめ、リーファーワイン協会の重鎮の先生方のテイスティング能力の優秀さは機会あるたびに身を持って知っておりますが、それよりさらに優れていたと西尾さんはおっしゃっていました。 現在、筆者はFacebookで「エチケットは語る」というお題で過去に飲んだワインのエチケットを掲載し、裏に書かれたテイスティングコメントを元にワインの解説をほぼ毎日挙げております。さらにそのエチケットと関連するワインのエチケット計二枚をInstagramに同時にアップしております。その点数はすでに千五百を超えています。 これらはすべて西尾氏の発明された「エチケット剝がし」を用いて保存されたものであり、すでに三十年以上経っているものもありますがまったく劣化することなく、飲んだ時の記憶が蘇ってくるのです。 筆者は料理であれ、ワインであれ、生粋のテイスターであると自身を認識しております。西尾氏のジョンソン氏に対するリスペクトとさらにそれを嬉しそうに語られる姿を思い出すたび、筆者は自分が少しでもその域に近づけるようテイスティングに精進したいと意を新たにするのです。 それは「エチケット剝がし」無くしてはあり得ません。これからも「エチケット剝がし」と共にワインに対峙して参ります。 心から哀悼の意を込めて。西尾さん、ありがとうございました。 今月のお薦めワイン 「ガッティナーラ――ピエモンテ最北のネッビオーロ――」 「ガッティナーラ 2020年」 アンツィヴィーノ 9800円(税抜) このクール、フランスワインはブルゴーニュの赤ワインの中から「コート・ド・ニュイ」のアペラシオンを北から順に紹介させていただくのに対し、イタリアワインはピエモンテ州のネッビオーロ種で造られる赤ワインをやはり北から紹介させていただく所存です。というのも、ブルゴーニュはフランスで「ワインの王様」と呼ばれ、その最高峰の「ロマネ=コンティ」はニュイのヴォーヌ=ロマネ村にある畑のピノ・ノワール種から造られているのに対し、ピエモンテの「バローロ」がイタリアワインの「ワインの王様」であり、「バローロ」はネッビオーロ種から造られているからです。 すでにこれまでのワイン案内でフランスワインとイタリアワインをパラレルに比較することがワインの理解には必須と説いて参りました。赤ワインはブルゴーニュがピエモンテ、ボルドーがトスカーナと同様と考えて比較して飲み進めるのです。 さて、ネッビオーロを用いて造られるワインで最北のDOCGが「ガッティナーラ」になります。この地では「スパンナ」と呼ばれている葡萄から造られるワインは「スミレの花の香りを持ち、鼻にはタール臭が感じられる。ソフトで後口にアーモンドの苦みが残る。その最良のものは偉大さの高みに達することが出来る」とアンダースン『イタリアワイン』(早川書房)にはあります。 今回紹介させていただく「ガッティナーラ」はアンツィヴィーノの造ったもの。アンツィヴィーノは1998年創業の新興のワイナリー。伝統的な手法でワイン造りを行なう。 このガッティナーラもかもしにゆっくり時間をかけ、スロヴェニア産の大樽で36ヶ月熟成。さらに12ヶ月瓶熟成させています。 インポーターのテクニカルシートには「オレンジ色のニュアンスのあるザクロ色。スミレの香り、木イチゴ等の熟成した赤い果実や香辛料の香り。ドライでミネラル、アロマがあり複雑性のある味わい、上品な酸味とタンニンのバランスが良い」とあります。 南部の「バローロ」や「バルバレスコ」のみでなく、北部のネッビーロ種のワインにもこのアンツィヴィーノのような逸品があることを是非この機会に楽しんでいただければ幸いです。...
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