最近、何かと上手くいかない。
一,二年に一度、こういう周期が来る。
公衆トイレでトイレットペーパーが予備も含め全て無くなっていた事がここ一週間で二度あった。
二回ともポケットティッシュ等持ち合わせていなかったので仕方なく、
扉を少し開け、
周りに人がいないことを確認しながら、
隠密のように隣の個室に移動し事なきを得た。
高座に上がり、まくらを振っている最中にお客さんに話しかけられたことは一週間で三度もあった。
話しかけてもいい雰囲気を出してしまっている自分も悪いのだろうが、
あれはとにかくやり辛い。
「がんばれ!」
言われなくても頑張る。
お金もらってるし。
「与いち!」
知ってる。
めくりにでっかく書いてある。
「最高!」
聞いてねえ!
なによりだ!
上手いこといなすことができれば良いのだが、
そのまま話し続けようとしてくる輩に当たると、「誰か代わってくれ」という気持ちになる。
そして誰も代わってくれないから泣きたくなる。
これはいかんと思い、行ってきました。
伊勢神宮。
こういう時は神頼みしかありません。
もちろん、外宮と内宮。両方参拝しました。
外宮に着くと、なにやら仰々しい雰囲気。
ベージュの警備服に菊の紋。それを着た男性がおよそ30人。
「何かあるのか」とそのうちの一人に尋ねてみたら、
秋篠宮さまが海外渡航をされるにあたってその為の参拝とのこと。
なるほど。
どこに行かれるのだろうとスマホで調べてみたら確かに出てきた。
「秋篠宮さま、ベトナムに無事到着」
ん、、、?"到着"?
これから伊勢神宮にいらっしゃるのではないのか?
と、尋ねてみたら、
「実はこのようなことは良くありまして、今回も代理の方が参拝されます」
とのこと。
いや、
もう面倒くさくなってないか?
とは思っても言えず。
せっかくなので、その代理の方々を拝見することに。
参道の周りに護衛の方々が立ち、
他の参拝客を一時的に止める。
遂にその一団がいらっしゃった。
一番立派な格好をされた、恐らく代理の方が先頭の一つ後ろ。
ポジションで言うとトップ下。
香川真司の位置。
同じ黒スーツの方がその両脇と、後ろに二人。
その周りをベージュの方々が囲むような形。
フォーメーションで言うと、
4-2-3-1のダブルボランチだ。
これはサッカーでも守りの堅い位置取り。
サッカーファンの私にはたまらない陣形だ。
むしろ秋篠宮さまより珍しい光景を見ることができ、ご利益アップ。
それから伊勢神宮に祀られている神様全てにお賽銭を5万円ずつ(嘘)入れてご挨拶させていただきました。
いわゆる"パワースポット"と呼ばれる箇所も全てまわり、
1500円の御札にも5万円払い「釣りは要らない」とお伝えしました(嘘)。
そして早速ご利益がありました。
このコラムをもう少しで書き終えられそうなのです。
みなぎっているのが自分でも分かります。
先程、手が濡れている状態でスマホのパスコードを一発で解除できました。
間違いありません。
東の落語家で今一番パワーを持っているのが私でしょう。
あなたとどこかで会ったら、握手でも肩車でもなんでもして、パワーのお裾分けをして差し上げましょう。
その時はどうぞお賽銭も忘れずに。
略歴
春風亭与いち
1998年4月5日生まれ
2017年3月、春風亭一之輔に入門。
翌年1月21日より前座となる。前座名『与いち』。
2021年3月1日より二ツ目昇進。