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JOURNAL

『春風亭与いちの二ツ目日記』第三回「姪っ子」

『春風亭与いちの二ツ目日記』第三回「姪っ子」

私は赤ちゃんが大好きだ。何よりも好きだ。この世のあらゆるジャンル(食・ファッション・娯楽など)全てを総合しても1番好きだ。決して危ない意味ではなく。あの丸いフォルム。すべすべのお肌。屈託のない表情。全てが愛おしい。食べたい。もちろん危ない意味ではなく。本当に赤ちゃんが好き過ぎて、YouTubeでチャンネル登録しているのは赤ちゃんユーチューバーばかり。閲覧履歴がほぼ肌色だ。春風亭一之輔チャンネルか、赤ちゃん系しかフォローしていないので、たまにオススメで流れてくる師匠と赤ちゃんを見間違える時がある。順番に流れて来ると分かるが、フォルムが似ている。決して悪い意味ではなく。そんな赤ちゃん大好きな私に先日、姪っ子が誕生した。これは一大事件だ。今まで街中で見かけても、遠くから眺めることしかできなかった赤ちゃん。私は、自分が汚い人間だという認識があるので、決して赤様には近寄らず、親御さんに席を譲るなどして、その場を離れていた。しかし、その赤ちゃんがかなりの身近に誕生したのだ。それも三親等しか離れていないとなると、こちらから望まざるとも触れ合うことができる。「みてね」という身内だけの写真共有アプリで毎日の様子が確認できる。可愛いが押し寄せてくる。QOLが。クオリティ オブ ライフが爆上がりです。落語の出来が良くなかったり、「あれは失敗だったな〜。」なんて日も、姪っ子の事を考えると全てチャラになります。私の、やってしまった時の合言葉は「姪っ子」です。そんな毎日ですから、何事にも腹が立たなくなりましたし、ふわっふわでハートフルな事しか考えられなくなりました。福島第一原子力発電所の処理水問題ついてどう思いますか?「福島県産の農水産物を食べるな」などの声には、福島出身の母を持つ私はひどく腹を立てております。安全基準を十分に満たしているものを、イメージだけで"汚染水"などと。風評被害も甚だしい行為に、怒りのあまり夜も眠れません。この間食べた、福島県産の桃もウニもめちゃくちゃ美味かった。間違いなく、騒いでいる連中が作った物より遥かに美味しいです。そこで、私が思いついた処理水の正しい放出先は、尖閣諸島周辺です。分かりやすく、バケツに「しょ り す い」と書いて、大人数で手分けして方々に撒きましょう。そうすれば連中は近寄らなくなるでしょう。はい、「姪っ子」!!! 略歴春風亭与いち1998年4月5日生まれ2017年3月、春風亭一之輔に入門。翌年1月21日より前座となる。前座名『与いち』。2021年3月1日より二ツ目昇進。

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『春風亭与いちの二ツ目日記』第二回「夏」

『春風亭与いちの二ツ目日記』第二回「夏」

お暑うございます。夏休み・お盆休み真っ只中ですね。街には子供たちとご先祖様たちで溢れかえっています。私は中学生の頃、生徒会長をやっておりました。全てはこの学校をより良くする為。自分たち生徒全員が明るく、前向きに、素晴らしい学校生活を送れるようにする為に。などという立派な考えはまるで無く。ただ、人前で喋りたいが為になってしまったので、話す以外の事はてんでダメ。宿題を1教科も終えられないまま夏休みを明けたことも。黒板に未提出者の名前が貼り出されるのですが、全課題に自分の名前が書いてある始末。もはや書かなくてもいいくらい。新学期の集会、生徒会長として全校生徒の前で、「えー、皆さん休み明けですが、気の緩みのない学校生活を送っていきましょう。」お前だろ。緩み切ってんじゃねぇか。偉そうなことばかり言って申し訳ありませんでした。仙台市立柳生中学校でお世話になった皆様。その頃から未だに進歩しておらず。この原稿を提出するのもギリギリなってしまっております。ザ・クロークルームさん、申し訳ありません。この夏、各地の花火大会は4年ぶりの開催でかなりの賑わいとのこと。良いことです。隅田川の花火大会に関しては過去最多の103万人が集まったそうで。調べたら山形県民とほぼ同じ人数。何もそこまでして行かなくても。花火は隅田川以外でもやってるし。こんなクソ暑い最中に人混みに飛び込むなんて信じられない。冷房の効いた部屋でテレ東の花火中継見てる方がよっぽど良い……行ってきました。隅田川。花火めちゃくちゃ綺麗でした。行って良かった。ただ、やはりとんでもない人の数。山形県民をギュッと集めたら確かにこのくらいになりそう。という感じでした。だから、口が裂けても「芋煮は味噌派です」とか絶対言えない。山形新幹線から見える、広ーい田んぼの真ん中にポツンと建っているタワーマンション。あれ誰が住んでるんだ?とかも絶対言えない。そんな緊張感のある花火大会でした。おそらく芋煮戦争を起こさせない為でしょう。警察もかなりの人数動員されてました。電車に乗るのも、道路を渡るのにも一苦労で。二週間ほど経った今も尚、帰れていない人がいるとか。いないとか。しかし職業柄か、周りの浴衣の着こなしに目がいってしまいます。まず、男性。帯が自分で結ぶ普通のじゃなくて、後ろがマジックテープになってるやつ。それは良いのですが、止める位置が腰じゃなくてヘソの上ぐらい。それで歩き回るからどんどん上がっていって乳の下まできている。左手には、一体どこで売ってるんだと言いたくなるくらい巨大なレインボー綿あめ。足元はナイキのエアマックス。令和のバカボンです。女性はおそらくどこかの貸衣装屋で着付けてもらったりする人が多いのか、男よりはマシです。ただやはり、暑いんでしょう。襟がガバガバに開き、裾が紅白の小林幸子くらい広がり。その格好で駆け出してズッコケて。場所は浅草。吉原から逃げ出して来た花魁のようです。もう少しなんとかならないものか。そう言えばこの間、落語会のアンケートで、「与いちの着崩れが酷い。」と書かれていたのを思い出しました。私は昔から自分のことを棚に上げるのです。 略歴春風亭与いち1998年4月5日生まれ2017年3月、春風亭一之輔に入門。翌年1月21日より前座となる。前座名『与いち』。2021年3月1日より二ツ目昇進。

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『春風亭与いちの二ツ目日記』第一回「はじめまして」

『春風亭与いちの二ツ目日記』第一回「はじめまして」

落語家の春風亭与いち(しゅんぷうてい よいち)と申します。「与一」でも「よいち」でもありません。「与いち」です。ザ・クロークルームさんで毎月開催している「銀座の仕立て屋落語会」に出演させていただいておりまして、そのご縁でこの連載を始めることになりました。月に1回、1000文字程度の駄文ですので、1分半くらいで読み終わるかと思います。トイレで踏ん張っている最中に読むのがオススメです。便通が良くなります。そして、このページをSNS等で「この落語家さん面白いから是非読んで!」と拡散すると、その1ヶ月間はお通じに悩まされることが無くなります。更に、「銀座の仕立て屋落語会」に足を運ぶと、ご家族全員の腸内環境が改善されることでしょう。それでは改めまして自己紹介を致します。1998年4月5日生まれの25歳です。原田さんの「ふなきぃ…」から2ヶ月後の誕生です。出身は、その原田雅彦さんの出身地でもある北海道上川町。から、南に約640㎞の宮城県仙台市。宮城は通貨が牛タンで、家の表札が笹かまぼこ。主な移動手段がずんだ餅。そんな素敵な街です。美味しい食べ物が沢山ある宮城県ですが、私が1番オススメなのは県内にしかない洋食屋の「レストランHACHI」です。卵の含有量が多いふわっふわのハンバーグや、大会で日本一に選ばれたナポリタン。何を食べても美味しい。イチオシのお店です。別に、このお店からお金貰って宣伝している訳ではありません。私の父親がそこの社長というだけです。芸の上での親、師匠は春風亭一之輔。先日、日本テレビ「笑点」の新メンバーになりました。年間900席以上落語を口演している怪物です。よく、落語会のチラシのコピー等に「飛ぶ鳥を落とす勢い」と書いてありますが本当です。師匠が街を歩くだけで、飛んでいるスズメやカラスが気絶して落ちていきます。私は高校1年の時、師匠一之輔の元へ弟子入り志願に行きました。「せっかく高校入ったんだから卒業したら?」と言われ、2017年卒業と同時に入門が許されました。親の影響で小学生の頃から落語を聴いていたからこんな感じになってしまったのでしょう。親御さん達。お気をつけください。中学生の頃には前座さんの落語を腕組みしながら、審査員みたいな面で聴いていました。落語家になった今、1番嫌いなタイプのお客さんです。あの頃の前座の方々、大変申し訳ありませんでした。そんな私でもなんとか"二ツ目"に昇進でき、あちこちで落語を演らせていただいております。目標は、自分がそうだったように、若い世代の落語ファンも増やすこと。地元・宮城にお客さんを呼び込める噺家になること。そして夢は人間国宝!!どうぞ今後ともご贔屓のほど宜しくお願い致します。 略歴春風亭与いち1998年4月5日生まれ2017年3月、春風亭一之輔に入門。翌年1月21日より前座となる。前座名『与いち』。2021年3月1日より二ツ目昇進。

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