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『美食通信』 第五十四回 「パリの思い出のキャヴィスト――広尾『ルグラン・フィーユ・エ・フィス東京』――」

       プレゼント用のワインを購入する必要が生じ、それに相応しい店を探していると広尾に「ルグラン・フィーユ・エ・フィス」の支店が出来たことを知り、驚くやら嬉しいやらで今まで気づかなかった自分を反省しました。二〇二二年十二月に広尾にオープンとあり、場所からして「カフェ・デ・プレ」のあった場所でした。  広尾といえば、学生時代は「プティプロフィットロール」を供して有名になった「ル・プロッテ」、フレンチを始めてからは北岡シェフの「プティ・ポワン」、デートの待ち合わせに使った「アンセーニュ・ダングル」。さらに当時開店したばかりの「エノテカ」や「ナショナルスーパー」にワインを買いに、と若き日にはよく出かけたものでした。が、最近は、最後の砦ともいうべき女性シェフの大塚さんの「レギューム」が三浦に移転してしまってからはとんとご無沙汰してしまっておりました。  「ルグラン」はパリ二区の「ギャルリー・ヴィヴィエンヌ」にある老舗のワインショップ。この「ギャルリー」というのはよく言われる「パサージュ」と同じガラス屋根に覆われたアーケード商店街のこと。場所的には「パレロワイヤル」のすぐ裏手で、同所にある老舗グランメゾン「グラン・ヴェフール」と「ルグラン」はプティ・シャン通りを挟んですぐ目と鼻の先といった位置にあります。  今から三十年ほど前、筆者が海外研究でパリと日本を行き来していた時代、パリに出かけた際にはワインを買いに必ず立ち寄る店が「ルグラン」でした。というのも、当時はブランドファッションが人気で、筆者も例に漏れず、「ジャン=ポール・ゴルチエ」を愛用していました。日本では代官山に支店があり、フランスの本店が「ギャルリー・ヴィヴィエンヌ」にあったのです。ですので、パリに出かけると「ヴィヴィエンヌ」に出かけ、「ゴルチエ」で買い物して、「ルグラン」でワインを物色。疲れたら、パリを代表する紅茶専門店(サロン・ド・テ)の「ア・プリオリ・テ」で美しいギャルリーを眺めながらお茶するのがルーティンだったのです。  当時珍しかったのは「ルグラン」には日本人の店員さんがいらしたことです。ただ、毎日店にいるわけではなく、筆者はあまりお目にかかったことがありませんでした。当時はSNSなどない時代でしたので、とりわけヴィンテージ物のワインなどは店頭に置いてあるはずもなく、店に出かけ、その場でワインリストを見せてもらい、欲しいワインが見つかれば、在庫を確認してあればカーヴから取り寄せてもらい、後日ワインを取りに再度店を訪れるという段取りでした。ですので、一週間は滞在していたのですがなるべく早い段階で「ルグラン」に出かけ、ワインを確保する必要がありました。もちろん、日本で見かけたことのないACポムロールのシャトーを主に店に置いてあるワインも購入しました。  しかし、そのおかげで、戦後最初のグレイトヴィンテージ1945年の「シャトー・ブラネール・デュクリュ」や『ブルータス』のワイン特集で「世界一レアなワイン」と後日紹介されることになった「キュヴェ・ド・ラ・コマンドリー・デュ・ボンタン」1961年など至極の逸品を購入することが出来ました。筆者にとって「ルグラン」のワインリストはまさに宝の山だったのです。  他にも必ず立ち寄るワインショップは何軒かあったのですが、こうした二度手間を惜しまず出かけたのは「ルグラン」だけでした。とにかく筆者のお気に入りだったのです。  後に「ルグラン」ではショップ内にワインバーを併設しました。広尾の店もショップで自ら選んだワインを抜栓料(2000円)を払い、店内で飲むことが出来ます。一般のワインバーなどの価格設定は小売価格の倍(ホテルは三倍)ですので、随分お安く楽しむことが出来ます。 広尾「ルグラン」のユニークな点は「カフェ・デ・プレ」の名残なのか、テラス席があることです。今回はテラス席が埋まっていましたので、店内のカウンター席でワインを楽しみました。このようにショップで購入したワインを併設のワインバーで抜栓料を支払えば楽しめるスタイルは「エノテカ」系列の店でも行われています。中でも筆者がお薦めするのは日本橋高島屋の「レ・カーヴ・ド・タイユヴァン」です。こちらもパリ八区にある同名店の日本支店になります。老舗グランメゾンの「タイユヴァン」が手掛けるワインショップですが、「タイユヴァン」のオーナーだったジャン=クロード・ヴリナ氏は料理人ではなく、サーヴィス出身だったことが関係あるかと思われます。 筆者は一九九六年、当時三つ星だった「タイユヴァン」を訪れていますが、食事が終わった頃合いを見計らって、絶妙のタイミングでコニャックの入ったデキャンタを手にしたヴリナ氏本人が現われ、「サーヴィスです」とディジェスティフのコニャックを注ぎながら、「今日のお食事はいかがでしたか?」と尋ねるのです。さすがサーヴィスのプロと感心したのを今でも鮮明に覚えています。 ただ、「ルグラン」も「カーヴ・ド・タイユヴァン」も本国とは違っている点があります。それは日本の場合、働いている方が「ソムリエ」であること。とりわけ、「ルグラン」は黒服の立派な身なりのソムリエ氏でした。筆者が出かけたいにしえのパリの「ルグラン」は「キャヴィスト」と呼ばれる普通の恰好をしたワインに精通した店員でした。筆者が翻訳したピュロドフスキの主宰するガイドブック『ピュドロ』でもワインショップのことを「キャヴィスト」と表記しています。 「タイユヴァン」と並ぶ老舗のグランメゾン「トゥール・ダルジャン」はワイン揃いの良いことで有名ですが、ソムリエとは別にそれらを管理する「キャヴィスト」という裏方の専門職がいます。ワインの選定、発注、管理は「キャヴィスト」が行ない、「ソムリエ」は客にワインを売り、サーヴィスすることに専念するというシステムで、本来これこそが正式のレストラン組織の在り方と言えます。レストランの「キャヴィスト」とショップの「キャヴィスト」は性質が若干異なるものの「ワインに精通した」人物であることに変わりありません。 日本でも以前、ソムリエ協会は「ソムリエ」と「ワインアドバイザー」、別々の資格を付与していましたが、現在は「ソムリエ」に統一してしまいました。フランスやイタリアには「キャヴィスト協会」があります。筆者は日本の場合、レストラン、小売店、さらには倉庫でワインを管理する方たちのために「キャヴィスト」の資格が必要なのではないかと考えています。 休日の昼間にでも、フロマージュなどちょっとつまみながら自分で選んだワインをゆるゆると楽しむ。ワインバーほど予算がかかるわけでもありません。 いずれにせよ、「ルグラン」などで自らワインを選び楽しむことが出来るようになれば、レストランでのワイン選びにも困ることはなくなるでしょう。 なんと贅沢で実り多き時間ではありませんか。 今月のお薦めワイン 「ブルゴーニュ赤ワインの最後の砦?――シャロネーズのワインを楽しむ――」 「メルキュレ ルージュ ヴィエイユ・ヴィーニュ 2021年 AC メルキュレ」 ジェラルディーヌ・ルイーズ 8800円(税込)    フランスワインの高騰、とりわけブルゴーニュの値上がり具合はワイン愛好家にとって頭の痛くなる話題です。  ブルゴーニュの赤ワインを楽しむならやっぱり「コート・ドール(黄金の丘)」が良いと思うのは当たり前。しかし、ジュヴレ=シャンベルタンやヴォーヌ=ロマネなど北側の「ニュイ」はもとより、ヴォルネやポマールなど南側の「ボーヌ」のワインでさえ村名(ヴィラージュ)クラスでも一万円を超えてしまうのが実情。  そんなブルゴーニュ赤ワイン愛好家、最後の砦となりそうなのが、「コート・シャロネーズ」の赤ワインです。というのも、シャロネーズはコート・ドールのすぐ南側の地区で、その下は「マコン」。白ワインの名産地になります。そして、その下はブルゴーニュワイン最南端の「ボジョレ」。再び赤ワインの名産地となりますが、葡萄品種が「ピノ・ノワール」ではなく、「ガメ」とまったく味わいの違うものに。つまり、ピノ・ノワールの最南端はシャロネーズになります。  目を転じて、コート・ドールの北側となるとずっと離れた飛び地のヨンヌ県が残るのみ。そこは「シャブリ」が有名な白ワインの名産地。ピノ・ノワールから造られる赤ワインだけを産するアペラシオン「イランシー」がありますがやはり少数派。  もちろん、シャロネーズもボーヌのように赤ワインと白ワインが半々といった趣の地区。赤ワインを産する村名ワインは三種類、生産量の多い順に「メルキュレ」、「ジヴリ」、「リュリ」となります。  という訳で、今回は「メルキュレ」を紹介させていただきます。シャロネーズで最もスケールの大きい骨格のしっかりしたワインを産する村。シャロネーズの魅力はその果実味の豊かさと筆者は考えます。  造り手はドメーヌ・ジェラルディーヌ・ルイーズ。「ルイーズ」をセカンドネームに持つ女性醸造家ジェラルディーヌ・ロシェが2016年にジヴリの南に位置するロゼ村に創設した新しいドメーヌ。ジェラルディーヌ氏はボーヌのシャサーニュ・モンラッシェ村にある有名ドメーヌ「フィリップ・コラン」でセラーマスターを七年務めた実績のあるエノログ。  自身の生まれた土地でワイン造りをしたいと意欲的な彼女の造るメルキュレはスケールの大きさを感じさせつつ、エレガントな魅力にも欠けていない。 シャロネーズの新たな魅力を引き出す注目の造り手のワインをこの機会に是非お試しあれ。...

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第三十五回『銀座の仕立屋落語会・たま平クロークルーム』開催のお知らせ

第三十五回『銀座の仕立屋落語会・たま平クロークルーム』開催のお知らせ 今回の『銀座の仕立屋落語会』は、いま勢いのある若手落語家、お馴染みの林家たま平さんをお迎えして開催いたします。  林家正蔵さんの息子であり弟子でもあるたま平さんは、伝統的な古典落語を丁寧に受け継ぎつつ、新鮮な視点で様々な演目に果敢に挑戦されています。若手ならではのエネルギッシュな語り口と繊細な表現力を併せ持つたま平さんの落語を、ぜひ間近でお楽しみください。 日時:2025年6月8日(日) 開場:12時45分 開演:13時 終演:14時30分頃(予定) 司会、大喜利:山本益博 場所:ザ・クロークルーム(中央区銀座7丁目) 料金:2,500円(税込) チケットのご購入はこちら(チケットぴあ) ご予約・お問い合わせは以下までお願いいたします。 info@thecloakroom.jp 皆さまのご来場を心よりお待ちしております。

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