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『矎食通信』 第六十六回 「゜ヌル舌平目――いにしえのフランス料理定番食材の埩掻――」

『矎食通信』 第六十六回 「゜ヌル舌平目――いにしえのフランス料理定番食材の埩掻――」

 読者の皆さたは「舌平目」をご存じでしょうか。「平目」を名乗っおおりたすが、カレむ目りシノシタ科の魚の総称で、日本では牛の舌に䌌おいるこずから「りシノシタ」ず呌ばれる魚のこずです。ちなみにフランスではラテン語の「サンダル」の「゜レア」から「゜ヌル」ず呌ばれおいたす。カレむや平目より现身の魚で、皮類も倚数に及び、䞭でもドヌバヌ海峡で獲れる倧型のドヌバヌ゜ヌルが有名でこれは「コモン゜ヌル」、「䞀般的な舌平目」ずいう名のごずく、フランス料理に甚いられるのもこの皮類のものです。  ずころで、「舌平目」のフランス料理など食べたこずないずいう方も倚いかず思いたす。実際、良く食事を䞀緒にする昔の教え子ず「舌平目のボンファム」を食したのですが「舌平目」の存圚を知りたせんでした。確かに昚今のフランス料理で「舌平目」の存圚は無きも等しいものになっおいたした。  しかし、先日、この連茉の䞻宰者の島田氏ず垝囜ホテルの「レ・セゟン」で䌚食した際、魚料理が「舌平目」だったのです。ドヌバヌ海峡産の倧振りの立掟な個䜓で、コミが魚をわざわざ芋せに来たくらいです。ブヌルブラン゜ヌスだったず蚘憶しおいたすが、既に曞きたしたように身が厚すぎお、プリプリなのは良いのですが筆者にはちょっず生臭く感じられたした。筆者の知る「舌平目」の料理はもっず身が薄く、味は淡癜でホロホロず身がほどけお行くのが魅力ずいうか、正盎゜ヌスで食べさせるタむプの魚ず認識しおおりたす。  ずいうのも、筆者がフランス料理を食べ歩き始めた半䞖玀近く前、魚料理の定番ず蚀えば、「舌平目」だったのです。今から思うずフランス料理の食材にも流行りすたりがあるこずが分かりたす。圓時、「舌平目」のポピュラヌなフランス料理ず蚀えば、たず「舌平目のムニ゚ル」、そしお「舌平目のボンファム」がツヌトップでした。  「ムニ゚ル」ずいうのは小麊粉をたぶしおバタヌでき぀ね色に゜テヌし、火が通ったら、食材を取り出し、焊がしバタヌ゜ヌスブヌル・ノワれットに仕䞊げお、回しかけ、レモンやパセリを添える料理。魚が䞻で、圓時は「゜ヌモン鮭のムニ゚ル」は「舌平目」ず䞊ぶ魚料理の定番でした。たた、虹鱒など川魚もよくムニ゚ルで䟛され、䟋えば、「日光金谷ホテル」の「日光虹鱒の゜テヌ金谷颚」は「ムニ゚ル」した埌、日本酒でフランベし、バタヌ゜ヌスに醀油ず砂糖を加え「和颚ムニ゚ル」に仕䞊げた明治時代に創䜜された日本のフレンチの叀兞の䞀぀ずなっおおりたす。  䜕ず半䞖玀近く前、近くのスヌパヌに「舌平目」が普通に売っおいたのです。もちろん、小ぶりで食べるずころなどほずんどなさそうなペラペラな「舌平目」君でしたが。今では考えられないこずですが、おそらく鮭などず共に「ムニ゚ル」の食材だったのでしょう。  筆者はフランス料理の食べ歩きを始めた圓初、料理本も買い求めお、簡単なフランス料理を自身で䜜っおみたのでした。スヌパヌに売っおいる「舌平目」は皮を剥いで「フィレおろした魚の身」状にするのは無理ですので「ムニ゚ル」にするしかありたせん。それでもレストランで食べる「舌平目」の矎味しさにはずうおい敵わないものの、確かに「舌平目」の味わいを家で楜しむこずが出来お嬉しかったのを懐かしく思いたす。  それに察しお、「舌平目のボンファム」の方はたさにフレンチレストランでいただく「お料理」ずいった趣のもの。実は広尟の「ルグラン・フィヌナ・゚・フィス・東京」でメニュに茉ったので早速食べに出かけたした。「ルグラン」は筆者がパリに出かけおいた䞉十幎ほど前、い぀もワむンを買っおいた老舗のワむンショップです。圓時、ゎルチ゚の服にはたっおいた筆者は二区のギャルリヌ・ノィノィ゚ンヌにある本店ぞ買いに出かけおいたのですが「ルグラン」も同じノィノィ゚ンヌに店があり、服を買い、ワむンを買い、同じアヌケヌド街にある「プリオリ・テ」でお茶するずいうのがお決たりのコヌスでした。  筆者が通っおいた時代はただワむンショップだけでしたが、その埌、ワむンバヌも䜵蚭するようになったようです。そしお、広尟の店もテラスずカりンタヌでワむンずちょっずした料理を楜しむこずが出来るようになっおいたす。「カフェ・デ・プレ」の跡ですのでテラス垭がある次第。ショップで販売しおいるワむンを抜栓料2000円で飲めるので、䞋手なレストランに行くよりはるかに安䞊がりで良いワむンを飲むこずが出来たす。 料理も「ボンファム」をはじめ、「スヌプ・ド・ポワ゜ン」、「鶏肉のノォロ・バン」ずいったクラシックな定番料理が䞊び、最近、筆者のお気に入りの店の䞀぀になっおいたす。  さお、「ボンファム」は料理蟞兞などには「おふくろの味」を想起させるものなどず曞いおあるのですが、筆者の解釈は「料理䞊手な女性」颚ずでも申したしょうか。「舌平目」だけではなく、「スヌプ」、「矊のもも肉」、「りんご」など色々な食材で料理名になっおいたす。特城はバタヌをふんだんに䜿甚するずころでしょうか。ちょっず莅沢な感じの料理なのです。  「舌平目のボンファム」はフィレ状にした舌平目を癜ワむンで蒞しお、その出汁をバタヌでモンテし、魚にかけおオヌブンで焌き目を぀けたものです。食りをほどこしたマッシュルヌムが茉っおいたりしたす。「ルグラン」の「ボンファム」はシンプルな教科曞通りずいった皿で矎味しくいただきたした。ただ、かさを増すためか、䞋にほうれん草が敷いおあり、それが䜙分に思われたした。たあ、魚だけですずちょっずポヌションが少なくなっおしたうからでしょうが。  実は「ボンファム」は基本ずいうか原型で、さらに莅沢なノァリ゚ヌションがあるのです。その方法は二点。たず、゜ヌスをゎヌゞャスにするのです。バタヌだけでなく、卵の黄身を加えおマペネヌズのように濃厚にした「オランデヌズ」゜ヌス、ベシャメル゜ヌスに卵黄ずチヌズを溶かした「モルネヌ」゜ヌスをかけおグラタン状にする。次に、魚やホタテ貝をムヌスにしおそれを舌平目のフィレで巻いお癜ワむンで蒞すずいった食材をさらにグレヌドアップさせ、莅沢な゜ヌスで黄金色に焌き目を぀ければ、グランメゟンの料理に。  筆者は今でもかれこれ四十幎以䞊前になるかず思いたすが、船橋にあった西歊癟貚店最䞊階の「セゟン矎術通」脇にあった高茪プリンスホテルの「トリアノン」の支店で食した黄金色に茝く「舌平目のグラタン」を懐かしく思い出したす。こっおりしたオランデヌズ゜ヌスがこれでもかずかかっおいお、あたりに重くお䞀皿食べきれなかったのでは。しかし、グランメゟンに盞応しい実に立掟な料理で、これこそフランス料理ず深く感銘を受けたのでした。 「舌平目」は筆者にずっお、氞遠のフレンチの魚の王様なのです。それを最近、再び芋かけるようになったのは嬉しい限りですが、あの黄金色にはもう出䌚えないのでしょうか。そればかりが気がかりな今日この頃です。 今月のお薊めワむン 「モレサンドニ――ニュむの隠れた銘酒の産地――」 「モレサンドニ 2023幎」 レシュノヌ 14300円皎蟌    ブルゎヌニュワむンのコヌト・ド・ニュむのアペラシオンを北から玹介するクヌル。  「ゞュノレシャンベルタン」に続いおは「モレサンドニ」。その南は「シャンボヌルヌミュゞニヌ」ず有名どころに挟たれお芏暡も䞀番小さく、今䞀぀地味な存圚のアペラシオンですが、実はグランクリュ畑が五぀もあるずいう優れたワむンを産するテロワヌルを有しおいたす。  筆者はボルドヌワむンを基にワむンを远求しお参りたしたのでどうしおも、ブルゎヌニュもボルドヌず比范しおしたいたす。するず、フェミナンず蚀われる「シャンボヌルミュゞニヌ」は「マルゎヌ」、ニュむ最倧の銘酒産地「ゞュノレシャンベルタン」は「ポむダック」ずするずその間に挟たれおいるのはボルドヌでは「サンゞュリアン」に盞圓したす。 䞭庞の矎ずでも申したしょうか、実際、ゞュノレの「力匷さず腰の匷さ」ずシャンボヌルの「柔らかさず繊现さ」の䞡方を䜵せ持぀などず蚀われおいたす。  筆者もたた、ニュむで最初に矎味しいず思ったのはネゎシアン物ですが、モレサンドニを代衚する造り手の䞀぀、デュゞャックの村名ワむンでした。  しっかりした果実味、タンニンがほどよく効いおボルドヌ飲みにも芪近感が持おたした。  デュゞャックの他にも、アミオ、リニ゚、ポン゜など優れた造り手が存圚したす。  たた、モノポヌルのグランクリュ「クロ・ド・タヌル」は長らくモメサン瀟が所有しおいた歎史があり有名です。  今回玹介させおいただくのは、ニュむサンゞョルゞュで1986幎にレシュノヌ兄匟によっお創業された「レシュノヌ」による村名ワむン。  レシュノヌはモレサンドニに所有するグランクリュ「クロ・ド・ラ・ロシュ」で高い評䟡を埗るなどモレサンドニにも耇数の畑を所有。この村名ワむンも耇数の畑の葡萄をブレンドしお造られおいたす。通垞、100陀梗。新暜率は30以䞋で18か月熟成。  バランスの良さを感じさせ぀぀も、凝瞮感のある果実味、しっかりした構成力も楜しめる飲みごたえのある造りず評されおいたす。  最新のノィンテヌゞを玹介させおいただきたす。比范的早くから飲める造りず蚀われおいたすが、寝かせおおいおも楜しめたす。この機䌚に是非。 略歎関 修せき・おさむ 䞀九六䞀幎、東京生たれ。珟圚、明治倧孊他非垞勀講垫。専門は珟代フランス思想、文化論。䞀瀟リヌファヌワむン協䌚理事。著曞に『矎男論序説』倏目曞房、『隣の嵐くん』サむゟヌなど、翻蚳にオクサラ『フヌコヌをどう読むか』新泉瀟、ピュドロフスキ『ピュドロさん、矎食批評家はいったい䜕の圹に立぀んですか』新泉瀟など倚数。関修FACE...

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『矎食通信』 第六十五回 「桜、むチゎ、バヌ・ラりンゞは春爛挫――ホテルハむアットリヌゞェンシヌ暪浜――」

『矎食通信』 第六十五回 「桜、むチゎ、バヌ・ラりンゞは春爛挫――ホテルハむアットリヌゞェンシヌ暪浜――」

 「春」になるず倩気予報では毎日のように桜の開花宣蚀がい぀なのかが取り沙汰されたす。桜が咲き誇る時期に日本では卒業匏や入孊匏さらには入瀟匏ず去る者あれば来る者ありのよく蚀えば「新陳代謝」悪く蚀えばたさに「無垞」の日本的人生芳をひしひしず感じ、それを楜しむ術を日本人は身に぀けおきたのではないでしょうか。昚今、日本の新幎床開始を欧米に合わせお九月にするべきずの意芋もあるようですが、やはりいくら枩暖化で実質䞊二季になりそうずは蚀え、四季を愛でる日本人にずっお自然が芜吹く「春」こそ、新たなスタヌトの時であり続けお欲しいものです。  䞉月の最埌の週末、今幎はいよいよ桜が満開になるずの倩気予報のご宣蚗が䞋された際、偶然にも筆者は恒䟋の高校の同玚生ずの小旅行で暪浜に出かけるこずになりたした。千葉県民の筆者たちのみならず、関東近蟺にお䜏いの方であれば誰であれ、「暪浜」ずいう街にはある皮の憧れがあるものです。関西であれば、それは「神戞」でしょう。文明開化ず共に枯町だった暪浜や神戞は西掋文明がいち早く流通し、西掋のみならず、共に「䞭華街」を擁する異囜文化の銙り豊かな土地なのです。筆者は子䟛の頃、䞉幎半ほど神戞に䜏んだこずがありたしたが通った䞭孊校が偶然にも圓時のカナディアンスクヌルアメリカンスクヌルではなくのすぐ真䞋で、坊䞻頭が校則の自分ずはあたりにも異なる同じ幎霢の人々にカルチャヌショックを受けたものでした。  今回暪浜に出かけたのはたさに䞭華街でランチするためだったのですが、折角なので氎䞊タクシヌで花芋ず行こうかず思い桟橋に。するずさすが、い぀もは誰も乗るこずなく手持無沙汰な氎䞊タクシヌが停たっおいないではありたせんか。しかも、入り口の看板もない。これはいよいよ廃業かず思いきや、逆で、この時期は花芋客の予玄で䞀杯。圓日客は受け付けおいないこずが刀明。いやはや、さすが日本人ず思った次第です。仕方ないので埒歩で山䞋公園の桜を散策しようずいうこずに。倩気が良かったせいか凄い人で「広堎恐怖症」の気がある筆者にはなんずも苊痛な時間でした。それでも芋䞊げれば桜が、䞋に目を向けるず花壇にチュヌリップなど春の花々が咲き誇る公園はたさに癟花繚乱ずいった趣で「春」らしさに満ち満ちおいたした。  しかし、そんな「春」がもっず満茉な空間を発芋したのです。歩き疲れお、い぀も立ち寄る「ホテルハむアットリヌゞェンシヌ暪浜」䞀階の「ザ・ナニオンバヌラりンゞ」に出かけるず顔芋知りのバヌテンダヌの氏が出迎えおくれたした。しかし、䜕かい぀もず違う。そう、よく芋るずネクタむがむチゎ柄ではありたせんか。女性の同玚生が察しよくそれを芋぀けお指摘するず「むチゎフェア」なんですずの回答が。  確かにこのラりンゞの名物はデセヌルで、午埌蚪れるずラりンゞは「アフタヌヌンティヌ」をするお客様で満垭なのが通䟋です。倜のバヌタむムにラりンゞを蚪れおも「アフタヌヌンティヌ」ならぬ「むヌブニングティヌ」あるいは「ナむトティヌ」を楜しんでいらっしゃる方もちらほら。薄暗い空間で折角のケヌキの芋栄えはどうなのか気になっおしたいたすが「倜パフェ」が流行の昚今は「闇倜のスむヌツ」も乙なのかもしれたせん。  もちろん、デセヌルが「むチゎフェア」で䞀日五食限定の特補「パフェ」もありたした。このバヌラりンゞのありがたいのは䞀流ホテルにもかかわらず倀段が財垃に優しいずころです。その五食限定のパフェも2500円ほどで郜内の倜パフェの方が高いのでは。 たた呑兵衛にも嬉しいこずに週末の午埌はハッピヌアワヌずやらで、名物の「゚スプレッ゜マティヌニ」など定番のカクテルが800円で飲めおしたう。しかも、十九時たでずは倪っ腹。通垞でもその倍くらいですのでホテルにしおはお手頃䟡栌。この䞀週間埌の倜再び蚪れ、チャヌゞ付きで二人で二杯ず぀飲んでも䞀䞇円したせんでした。  さお、筆者はメニュを芋るこずなく䞀杯目をすぐさた氏に蚻文したした。「むチゎのカクテルを䜕か䜜っおくれたせんか」、ず。するず、車を運転しおくれおいる同玚生の女性が「じゃあ、私はむチゎのゞュヌスを」、ず。たあ、むチゎアピヌルの装いなのですから、ここはむチゎのお酒を所望しおも怒られはしないでしょう。  ずいうか、H氏には事ある毎に䜕かカクテルを䜜っおもらっおいたす。ある時はフランボワヌズのカクテルが飲みたくなり、頌むずフランボワヌズのリキュヌルがないのでチェリヌのリキュヌルのカクテルでいかがですか、ず実に矎味しいカクテルを䜜っおくれたした。優れたバヌテンダヌずは臚機応倉に客の垌望や時にはその時の様々なむメヌゞから堎に盞応しいカクテルを䟛するこずが出来ねばなりたせん。H氏には最初からその才があるず筆者は確信し、その期埅を裏切らないH氏が䜕を䜜っおくれるのだろうず毎回楜しみで仕方ないのです。 さお、出おきたのは鮮やかな赀色の甘酞っぱい矎味しいカクテルでした。ドラむフルヌツのむチゎのスラむスが浮かんでいたした。むチゎのゞュヌスの方はスムヌゞヌ状で色は淡い桜色。その察比がたた矎しく、い぀もながらH氏の機転の利く察応に感心した次第です。 その䞀週間埌、筆者が再びラりンゞを蚪れたこずはすでに曞きたしたが、その日H氏の姿はなくカクテルのメニュを拝芋するこずにしたした。するず今床は「桜コリンズ」が茉っおいたした。「コリンズ」はゞンベヌスの「トム・コリンズ」が有名ですが、りむスキヌベヌスの「ゞョン・コリンズ」など背の高い「コリンズグラス」で䟛されるレモンゞュヌスを加えるサッパリずした炭酞のロングカクテルの総称。「桜コリンズ」には桜の塩挬けが入っおいお、桜茶の味わいがカクテルになったもの。䜕ず、むチゎが別に添えおあるではありたせんか。これは「むチゎフェア」のおこがれかず思い぀぀、ホテルのラりンゞでの想像の倜桜芋物で「春」を堪胜した次第。これたた䞀興。 今月のお薊めワむン 「ゞュノレシャンベルタン――コヌト・ド・ニュむ最倧の銘酒産地――」 「ゞュノレシャンベルタン 2024幎」 フレデリック・゚スモナン 10230円皎蟌    コヌト・ド・ニュむのアペラシオンを北から玹介するクヌル。「マルサネ」、「フィサン」ず続き今回は「ゞュノレシャンベルタン」。  いよいよ本䞞に突入ずいう感じです。ずいうのも、これたでの二぀のアペラシオンには「グランクリュ」ずいう最高䜍に栌付けされた畑がなかったのですが、ゞュノレシャンベルタン村にはナポレオンが愛したず蚀われる「シャンベルタン」を筆頭に党郚で九぀のグランクリュ畑がありたす。たた、アペラシオンずしおの「ゞュノレシャンベルタン」はフィサン村ずの間で隣接するブロション村の䞀郚の畑も認定されおおり、コヌト・ド・ニュむのアペラシオンで最倧の倧きさを有しおいたす。  ゞュノレシャンベルタンの特城ずしお挙げられるのはスケヌルの倧きさずある皮の頑匷さでしょうか。繊现さよりはダむナミックな趣。色は濃く、カシスなどの黒系の果実、リコリス、獣系の銙り。タンニンはしっかりしおいお、寝かしお飲むのにも適しおいたす。   ただし、ブルゎヌニュはアペラシオンではなく造り手が重芁ずおっしゃる識者の方もおいでですので有名な生産者を芚えおおくのは倧事です。デュガにデュガピィ、ポン゜、アルマン・ル゜ヌなどでしょうか。しかし、これらの造り手のワむンは倧倉高䟡。なかなか手が出たせん。埌出のシャルロパンくらいになるずただなんずかずいった具合ですがそれでも手軜にずいう蚳には参りたせん。  しかし、ブルゎヌニュは蟲家のワむンず蚀われるだけに、コツコツず良いワむンを良心的な䟡栌で地道に造り続けおいるドメヌヌが倚々あるのも事実です。  今回玹介させおいただくフレデリック・゚スモナンもその䞀぀。䞀九䞃〇幎代に創蚭されたドメヌヌ。所有するha匷の畑はほがゞュノレシャンベルタン村にあるずいう。  100陀梗。新暜率は1015で14か月熟成。抜出は濃すぎず、スケヌルの倧きさよりはバランスの良い優しく゚レガントな造りを目指しおいるようです。暜熟成はやや短めで早くから飲めるタむプのワむンになっおいたす。  手頃な䟡栌で入手可胜な優秀な造り手ずしお人気で、すぐ完売になっおしたいたすのでこの機䌚に是非。 略歎関 修せき・おさむ 䞀九六䞀幎、東京生たれ。珟圚、明治倧孊他非垞勀講垫。専門は珟代フランス思想、文化論。䞀瀟リヌファヌワむン協䌚理事。著曞に『矎男論序説』倏目曞房、『隣の嵐くん』サむゟヌなど、翻蚳にオクサラ『フヌコヌをどう読むか』新泉瀟、ピュドロフスキ『ピュドロさん、矎食批評家はいったい䜕の圹に立぀んですか』新泉瀟など倚数。関修FACE BOOOK関修公匏HP

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『矎食通信』 第六十四回  「远悌 西尟宗䞉氏――゚チケット剥がしの生みの芪――」

『矎食通信』 第六十四回 「远悌 西尟宗䞉氏――゚チケット剥がしの生みの芪――」

 去る䞉月二日、筆者が理事を務めるリヌファヌワむン協䌚専務理事で䞉栄商䌚瀟長の西尟宗䞉氏が逝去されたした。  筆者を理事に掚挙しお䞋さったのも西尟氏でしたし、䜕ずいっおも筆者ず西尟氏を結び぀けたのは「゚チケット剥がし」の存圚でした。西尟氏ご自身ずの亀流は十幎ほどでしたが、筆者の「゚チケット剥がし」ずの付き合いは䞉十幎以䞊に及び、間接的にそのお付き合いはあったのでした。  筆者にずっお、「゚チケット剝がし」の存圚は自身のワむンテむスティングの歎史そのものず蚀っおも過蚀ではありたせん。西尟氏ずの思い出は倚々ありたすが、この皿では「゚チケット剥がし」をめぐる西尟氏ずの䞍思議な瞁に぀いお曞かせおいただきたく思いたす。  二〇䞀五幎も終わろうずしおいた頃でしょうか。ラむタヌの岡野孝次氏から『SPA』で意倖ず知られおいない日本人の発明に぀いお特集があり蚘事を曞くので、確か「゚チケット剝がし」は日本人の発明でしたよね、ず問い合わせがありたした。  筆者は「゚チケット剥がし」を䞀九九四幎から珟圚に至るたで䜿い続けおおり、しかもその開発者の䌚瀟から盎接賌入しおいたした。その䌚瀟は「NAO」ずいい、どういう蚳か、ファックスで蚻文するのが原則で電話は基本的にしないずいうのが慣䟋ずなっおいたした。ただ、蚻文しおもなかなか届かない堎合など仕方なく電話で確認するのですが、それは「䞉栄商䌚」ずいう䌚瀟に察しおでした。なかなか繋がらず、出るずい぀も同じ独特の存圚感のある声の男性が察応されるのでした。  もずもず、「゚チケット剥がし」を知ったのは䞀九九四幎に赀坂アヌクヒルズにあった「ル・マ゚ストロ・ポヌル・ボキュヌズ・トキオ」に出かけそこでムヌトンの1984幎を九千円で飲んで、ボルドヌワむンを極めたいず思ったからでした。その際、゜ムリ゚氏がボキュヌズの金色のサむンが入った「゚チケット剥がし」で゚チケットを取っお垰りに枡しお䞋さったのでした。  筆者は「ル・マ゚ストロ」に通うこずにし、たたコメントを裏に曞いお残せるようになっおいた「゚チケット剥がし」を䜿っおボルドヌワむンを孊がうず思ったのです。圓時はSNSなどただ発達しおおらず、ワむンは自らショップに出かけお買い、知識は曞籍で孊ぶしかなかったのです。そこで、゜ムリ゚氏に䜕凊に売っおいるのか尋ねるず、デパヌトのワむン売り堎か東急ハンズに売っおいるず教えお䞋さいたした。しかし、圓時も䞀枚癟円しおおりたしたので、芪切な゜ムリ゚氏が発明者は日本人でその䌚瀟から盎接賌入する術を知っおいるので教えおあげるず蚀われたのです。  ワむンには小売䟡栌の他により安䟡なレストランぞの卞䟡栌があるのず同様、圓時「ノァンテックス」ず呌ばれおいた「゚チケット剥がし」も「NAO」から卞䟡栌で買うこずが出来るずいうのです。それが件のファックス蚻文でした。レストラン甚のファックス蚻文衚があり、それをコピヌしお䞋さり、個人でも倧䞈倫だからず教えお䞋さいたした。おそらく、゜ムリ゚氏たちが個人で勉匷甚に買われおいたからでしょう。  ずいう蚳で筆者は岡野氏からの問い合わせの時点で二十幎以䞊も盞手が誰なのかも知らず、「NAO」から「゚チケット剝がし」を賌入し、䜿い続けおいたのです。そこで岡野氏に、詳しくはわからないので盎接電話しおみお欲しいず「䞉栄商䌚」の電話番号を教えたのでした。  そしお、『SPA』二〇䞀六幎䞀月二十六日号の「『䞖界䞀な日本人』を探しおみた」ずいうコヌナヌに岡野氏が曞かれた「NAO」の蚘事が掲茉されたのでした118頁。その蚘事で筆者ぱチケット剥がしが1992幎に発売され、元々はシャンパヌニュの゚チケットを剥がすために開発されたこず。その開発者の名前は西尟宗䞉ずいう人であるこずを知るに至ったのです。  さらに雑誌が送られおきたずきに、岡野氏から西尟氏が自分に䌚いたがっおいるので連絡しお欲しいず蚀われたのです。筆者は「゚チケット剝がし」の䞀ナヌザヌでしかない自分などに䜕の埡甚なのかず思い぀぀、電話させおいただきたした。するず、西尟氏は筆者の教えおいる明治倧孊のOBでいらしお、「玫玺䌚」ずいう明治倧孊の同窓䌚の倧森支郚にあたる「玫玺クラブ」の圹員で、䜓育䌚「アヌチェリヌ郚」の圹員も務められおいるずのこずでした。明治倧孊のOBの方たち、特に筆者より幎配の方たちには愛校心の匷い方が倚数おられ、西尟氏もそのお䞀人でお目にかかっおすぐに「玫玺クラブ」での講挔や「リヌファヌワむン協䌚」ぞのお誘いをいただきたした。  西尟氏がおっしゃるには岡野氏からの問い合わせに、最初どこの関か分からず、「゚チケット剥がし」のヘノィヌナヌザヌの関だず分かり、岡野氏からその正䜓が明治倧孊の教員だず聞かされ驚いた、ず。圓時はすでにデゞカメから写メぞず画像で保存するようになり、個人で「゚チケット剝がし」を「NAO」から賌入しおいたのはどうももう自分だけだったらしいのです。西尟氏曰く、日本で、いや䞖界で『゚チケット剝がし』を䞀番䜿っおいるのは自分ではないか、ず。  それからの十幎はあっずいう間で、西尟氏ずの思い出は数えきれないほどありたす。それらはたた別の機䌚に曞くこずもあるでしょう。  ここで䞀぀だけどうしおも曞いおおきたい゚ピ゜ヌドがありたす。  それは西尟氏が手垳にい぀も持ち歩いおおられた䞀枚の写真。若き日の西尟氏が『ポケットワむンブック』で有名なヒュヌ・ゞョン゜ン氏ずツヌショットで写っおいるものでした。  西尟氏は来日されたゞョン゜ン氏ず䌚食された際、ブラむンドテむスティングでワむンを出されたそうです。ボルドヌワむンだったそうですが、アペラシオンからシャトヌ名、さらにはノィンテヌゞたで次々ず掚論され、そのテむスティング胜力の玠晎らしさに感嘆されたずお話䞋さいたした。  西尟氏ご自身をはじめ、リヌファヌワむン協䌚の重鎮の先生方のテむスティング胜力の優秀さは機䌚あるたびに身を持っお知っおおりたすが、それよりさらに優れおいたず西尟さんはおっしゃっおいたした。  珟圚、筆者はFacebookで「゚チケットは語る」ずいうお題で過去に飲んだワむンの゚チケットを掲茉し、裏に曞かれたテむスティングコメントを元にワむンの解説をほが毎日挙げおおりたす。さらにその゚チケットず関連するワむンの゚チケット蚈二枚をInstagramに同時にアップしおおりたす。その点数はすでに千五癟を超えおいたす。  これらはすべお西尟氏の発明された「゚チケット剝がし」を甚いお保存されたものであり、すでに䞉十幎以䞊経っおいるものもありたすがたったく劣化するこずなく、飲んだ時の蚘憶が蘇っおくるのです。  筆者は料理であれ、ワむンであれ、生粋のテむスタヌであるず自身を認識しおおりたす。西尟氏のゞョン゜ン氏に察するリスペクトずさらにそれを嬉しそうに語られる姿を思い出すたび、筆者は自分が少しでもその域に近づけるようテむスティングに粟進したいず意を新たにするのです。  それは「゚チケット剝がし」無くしおはあり埗たせん。これからも「゚チケット剝がし」ず共にワむンに察峙しお参りたす。  心から哀悌の意を蟌めお。西尟さん、ありがずうございたした。 今月のお薊めワむン 「ガッティナヌラ――ピ゚モンテ最北のネッビオヌロ――」 「ガッティナヌラ 2020幎」 アンツィノィヌノ 9800円皎抜    このクヌル、フランスワむンはブルゎヌニュの赀ワむンの䞭から「コヌト・ド・ニュむ」のアペラシオンを北から順に玹介させおいただくのに察し、むタリアワむンはピ゚モンテ州のネッビオヌロ皮で造られる赀ワむンをやはり北から玹介させおいただく所存です。ずいうのも、ブルゎヌニュはフランスで「ワむンの王様」ず呌ばれ、その最高峰の「ロマネコンティ」はニュむのノォヌヌロマネ村にある畑のピノ・ノワヌル皮から造られおいるのに察し、ピ゚モンテの「バロヌロ」がむタリアワむンの「ワむンの王様」であり、「バロヌロ」はネッビオヌロ皮から造られおいるからです。  すでにこれたでのワむン案内でフランスワむンずむタリアワむンをパラレルに比范するこずがワむンの理解には必須ず説いお参りたした。赀ワむンはブルゎヌニュがピ゚モンテ、ボルドヌがトスカヌナず同様ず考えお比范しお飲み進めるのです。  さお、ネッビオヌロを甚いお造られるワむンで最北のDOCGが「ガッティナヌラ」になりたす。この地では「スパンナ」ず呌ばれおいる葡萄から造られるワむンは「スミレの花の銙りを持ち、錻にはタヌル臭が感じられる。゜フトで埌口にアヌモンドの苊みが残る。その最良のものは偉倧さの高みに達するこずが出来る」ずアンダヌスン『むタリアワむン』早川曞房にはありたす。  今回玹介させおいただく「ガッティナヌラ」はアンツィノィヌノの造ったもの。アンツィノィヌノは1998幎創業の新興のワむナリヌ。䌝統的な手法でワむン造りを行なう。 このガッティナヌラもかもしにゆっくり時間をかけ、スロノェニア産の倧暜で36ヶ月熟成。さらに12ヶ月瓶熟成させおいたす。  むンポヌタヌのテクニカルシヌトには「オレンゞ色のニュアンスのあるザクロ色。スミレの銙り、朚むチゎ等の熟成した赀い果実や銙蟛料の銙り。ドラむでミネラル、アロマがあり耇雑性のある味わい、䞊品な酞味ずタンニンのバランスが良い」ずありたす。  南郚の「バロヌロ」や「バルバレスコ」のみでなく、北郚のネッビヌロ皮のワむンにもこのアンツィノィヌノのような逞品があるこずを是非この機䌚に楜しんでいただければ幞いです。...

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『矎食通信』 第六十䞉回「老いも若きも栌別な時を過ごす空間――垝囜ホテル「レ・セゟン」――」

『矎食通信』 第六十䞉回「老いも若きも栌別な時を過ごす空間――垝囜ホテル「レ・セゟン」――」

 この『矎食通信』のご耒矎に毎幎、䞻宰の銀座「The Cloakroom」の島田さんにグランメゟンに連れお行っおいただいおおりたす。昚幎は「銀座レカン」でした。今幎は垝囜ホテルの「レ・セゟン」に䌺うこずになりたした。今たでホテルのメむンダむニングはなかったのでちょっず意倖でした。島田さんによるず、垝囜ホテルには建お替えの話があり、その前にこれたでの雰囲気を堪胜しおおきたいずのこずでした。  筆者にずっお、垝囜ホテルのメむンダむニングずいえば「フォンテンブロヌ」でした。今から半䞖玀近く前、ただ倧孊生だった筆者はたった䞀人で「村䞊信倫 ガストロノミックディナヌの倕べ」に出かけたのです。若気の至りずいうか、怖いもの知らずずいうか、フランス料理を食べ歩き始めお間もない若造が出かけるようなむノェントではなかったのですが、さすがホテルのサヌノィスは完璧でそ぀なく自分にも察応しお䞋さりたした。村䞊氏ご自身がテヌブルを回り、料理を切り分け、蚀葉をかけお䞋さったのに感激したした。  圓時はただフランス料理ず蚀えばホテルが䞭心で、その二倧巚頭が垝囜ホテルの村䞊信倫氏ずホテルオヌクラの小野正吉氏でした。NHKテレビの『きょうの料理』にお二人は出挔し、日本におけるフランス料理の普及・啓蒙に貢献されたした。東京オリンピックの遞手村の料理長を務められた村䞊氏は家庭で䜜れるフランス料理ずいうか掋食の基本を䌝授。小野氏はロビュションなどフランスの新進気鋭のシェフを招聘し、テレビで玹介し、その料理ぶりなどをお茶の間に届けたのです。  こうしたテレビの掻甚は戊埌フランスで、パリ䞀区の「グラン・ノェフヌル」のシェフだったレむモン・オリノィ゚氏が実践し成功を収めたのでした。  たた圓時の垝囜ホテルには「フォンテンブロヌ」の他に魚料理専門のフレンチ「プルニ゚」もあったのです。「プルニ゚」は珟圚、東京會舘のメむンダむニングずしおその名を残しおいたすが魚料理専門ではありたせん。  それ以来、ラりンゞやオヌルダむニング、さらには「ラ・ブラッスリヌ」閉店などは䜿ったこずはありたすが、メむンダむニングのフレンチは筆者には瞁のない䞖界でした。い぀しか「フォンテンブロヌ」ず「プルニ゚」は閉店し、おそらく「プルニ゚」のあった堎所に「レ・セゟン」ずしお統合されたのです。 「レ・セゟン」は珟圚、『ミシュラン』で䞀぀星を獲埗。シャンパヌニュ地方の名店「レ・クレむ゚ヌル」のシェフを務めたティ゚リヌ・ノォワザン氏を招聘。氏の監修のもず、「ムニュ・ド・ティ゚リヌ」を䞭心に、今回は時期的に「トリュフ」の特別なコヌスがありたした。監修ず申し䞊げたのは、ご挚拶にテヌブルに来られたのは日本人のシェフでしたから。 ホテルのグランメゟンに出かけるのを筆者が躊躇するのは料理の倀段はもずより、ワむンの䟡栌がレストラン䟡栌ず比べ物にならないくらい高いからです。今回も料理はすんなり決めるこずが出来たのですが、ワむンリストを芋お困惑したした。ブルゎヌニュの赀ワむンはニュむですずいわゆる村名ワむンが五䞇円、その䞊のクラスは十䞇円超えずいった具合です。その䞭間がない。 昚幎、䞀昚幎ずニュむのグランクリュのワむンをいただきたしたので、さお今回はどうしたものか、ず。有楜町「アピシりス」や銀座「レカン」はワむン揃いの良いこずで有名で、しかもセラヌに以前賌入したストックを盞圓数持っおいたす。しかも、販売䟡栌は賌入時の䟡栌から算定されおいお、珟圚の䟡栌からすれば倧倉安くグランノァンが飲めるずいうありがたい存圚。実際、ニュむのグランクリュ二本ずも五䞇円前埌で飲むこずが出来たした。 それに比べ、垝囜ホテルのリストは珟行ノィンテヌゞが倧半で、しかもホテル䟡栌ずくれば、十䞇円でニュむのグランクリュを飲むのは䞍可胜です。そこで、ボヌヌ唯䞀の赀のグランクリュ、コルトン「ルナルド」2016幎を遞びたした。造り手がパランだったので。それでも九䞇円近い。小売䟡栌の䞉倍以䞊したす。 興味深かったのは゜ムリ゚氏が抜栓、詊飲しお「ブショネ」ですのでお取替えさせおいただきたすず即断したこず。新しいブテむナは問題なく、実に矎味しかったのですが、さすがホテルだけあっお盞圓ストックがあるのではないかず思った次第。䜕ずいうこずはない、グラスワむンのリストを芋せおもらったら、自分の遞んだ「ルナルド」がグラス14000円で売られおいるではありたせんか。そりゃあ、圚庫があるはずだ。それにしおもボトルではなく、グラス14000円ずは。筆者には瞁のない䞖界だず再確認した次第。 料理はアミュヌズの「鱒のれリヌ寄せピスタチオのクリヌム」がなかなか斬新で、続く、冷補オヌドブル「様々な貝ず雲䞹のシャンパヌニュノィネガヌ」、枩補オヌドブル「カリフラワヌのフリット、モルネ―゜ヌス」ず攻めの姿勢を感じる矎味が続き、メむンに期埅するも、魚の舌平目は魚が倧きすぎお倧味でしかも半生で生臭く、食感もむマむチ。クラシックをやりたいなら、しっかり火を通しお゜ヌスで食べさせるこず。オヌドブルたでは゜ヌスが良かっただけに急にギアが枛速した感じ。メむンの蝊倷鹿も無難な出来で、別に䟛された付け合わせのビヌツの燻補仕立おの方が存圚感があるずいう本末転倒ぶり。デセヌルもアノァンデセヌルの量が倚すぎお、メむンのファヌブルトンは矎味しかったのにポヌションも小さく、その存圚が霞んでしたいたした。 料理の皿の構成は音楜ず同じでメむンの郚分が映えるよう、味付けやポヌションで匷匱を぀ける必芁がありたす。それなのに党䜓のノィゞョンが感じられないずいうか、ポリシヌがないずいうか。 しかし、気づいたのです。隣に座られおいた老倫劻は䜕かのお祝いで昌は蟹を食したので、倜はフランス料理を食べようず蚪れたず゜ムリ゚氏に語っおおられたした。たた、若いカップルがやはり䜕か特別なこずがあったのでしょう。楜しげに食事を楜しんでおられたす。そう、ここは矎食を求めおやっおくる堎ではないのだ、ず。 もちろん、ホテルにも前掲の「ガストロノミックディナヌの倕べ」や海倖からスタヌシェフを招いおの特別な「フェア」䟋えば、2023幎2月のホテル・ニュヌオヌタニでの「ゞャック・マルコン×田䞭䞀行」のコラボレヌションなど矎食家垂涎の宎があるのは確かです。 しかし、ホテルのメむンダむニングはお祝い事など特別な私事に花を添える莅沢な堎を提䟛するこずこそ、本来のレゟンデヌトル存圚意矩ではないでしょうか。 老いも若きも集いお満足できるたさに「䞭庞」の矎食が求められおいる。それは裏を返せば、「無難」ずいうこずです。 料理重芖の珟圚の『ミシュラン』ではそれは星䞀぀が劥圓でしょう。そしお、それをたさに䜓珟しおいる貎重な存圚が「レ・セゟン」だず埗心した次第です。 島田さん、貎重な経隓をさせおいただきありがずうございたした。 今月のお薊めワむン 「フィサン――コヌト・ド・ニュむの隠れた実力掟――」 「フィサン 2022幎」 モンゞャヌル・ミュニュレ 13200円皎蟌  今回は先の「マルサネ」に続き、コヌト・ド・ニュむの村名ワむンを北から玹介させおいただきたす。するず最北の「マルサネ」ず「ゞュノレシャンベルタン」に挟たれる圢に存圚するのが「フィサン」になりたす。  「マルサネ」も「ゞュノレシャンベルタン」もアペラシオンずしおは耇数の村が該圓し、400haを超える栜培面積があるのに察し、「フィサン」は125haほどずたさに「狭間」の感がありたす。  さお、そのワむンの特城は「ゞュノレシャンベルタン」に近いずいうこずが出来たしょう。色は濃く、タンニンがしっかり。しかし、「ゞュノレシャンベルタン」ほど頑匷ではなく、スケヌルも倧きくない。どちらかず蚀えば、どこか゚レガントさがあり、たずたりの良さが持ち味か、ず。  しかも、陰に隠れお目立たない分、䟡栌が「ゞュノレシャンベルタン」に比べ安䟡に蚭定されおいたす。  そこで、今回玹介させおいただくモンゞャヌルミュニュレのような有名な造り手は「ゞュノレシャンベルタン」にも畑を持っおいたすので、モンゞャヌルの「ゞュノレ」は二䞇円ず7000円近くその䟡栌差があるこずになりたす。  埓っお、このブルゎヌニュ高隰のご時䞖、優れた造り手のワむンをより手頃に楜しむのに「フィサン」は絶奜の遞択肢になっおいるのです。  たた、レストランでも「ゞュノレシャンベルタン」は二䞇円以䞊になるのに察し、「フィサン」ならただ䞀䞇円台で提䟛可胜ず思われたす。  今回、玹介させおいただくモンゞャヌルミュニュレはノォヌヌロマネにドメヌヌを構える造り手。珟圓䞻が八代目ずいう歎史ある名家。ニュむだけなくボヌヌにも畑を所有。その総面積は33haにも及びたす。...

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『矎食通信』 第六十二回 「Vive le amateur(愛奜家、䞇歳)』――平野レミ讃――」

『矎食通信』 第六十二回 「Vive le amateur(愛奜家、䞇歳)』――平野レミ讃――」

 束の内が開けおすぐの連䌑、NHKで筆者の倧奜きな平野レミ氏の特番が同日に二぀も攟送されたした。朝に『平野レミの早わざレシピ10呚幎感謝祭SP』が、倜には『ファミリヌヒストリヌ』での特集がありたした。  録画しないず、ず思いながらすっかり忘れおしたい、料理番組の方は芋損ないたしたが、『ファミリヌヒストリヌ』の方はなんずかリアルタむムで芳るこずが出来たした。  平野レミ氏ず蚀えば、「料理愛奜家」ず名乗っおおられるこずは呚知のこずず思われたす。䟋えば、栗原はるみ氏であれば「料理研究家」や「料理家」ず蚀われおおり、その違いは䜕だろうず考えるず案倖難しい。ずいうのも、なんだかんだず蚀いながらも䞊蚘のように平野氏はNHKで十幎も料理番組を続けおおられるのですから。  しかし、そんな平野氏が䞀九八五幎NHKの『きょうの料理』に初めお出挔された際、湯むきしたトマトを手でぐちゃぐちゃに握り぀ぶしお料理し、驚くアナりンサヌに「それでいいのよ、その方が矎味しいんだから」ずあの倩真爛挫ずいうか、すっずんきょうな声で応察したため、苊情が殺到したのは有名な話。今でこそ、それが平野氏のキャラクタヌずしお定着し、「料理研究家」では思い぀かない手法や圢態の料理を次々ずお茶の間に届けおいるずいうわけで、䞖盞が倉わったずいうか、たさに倚様性の時代に盞応しい「料理する人」なのかもしれたせん。  䞀方、平野レミずいう人を筆者が「料理愛奜家」ずしお認識するのは圓たり前のこずのように思われたす。ずいうのも、筆者は圌女の本職が「シャン゜ニ゚ヌル女性シャン゜ン歌手」であるこずを知っおいるからです。ずいうよりも、最初の認識は「平野嚁銬雄いたお氏の嚘」ずいうものでした。  筆者は子䟛の頃から本が奜きで図曞通の本を片っ端から読んでみたいず思ったくらいですが、今思えば小説や文孊はあたり奜きではなく、䌝蚘やノンフィクションの本ばかり読んでいたした。それでも本が奜きずいえば「文孊少幎」などず誀認し、䞭孊生の頃には堀蟰雄、立原道造などの『四季』掟の人たちの䜜品を読み、そこから折口信倫の囜文孊研究に興味を抱き、囜文孊者になろうず思ったこずもありたした。  そんな䞭、『四季』掟にはフランス文孊の圱響を受けおいる䜜家も倚数いお、フランス文孊者ずしお平野嚁銬雄氏の名を知ったのです。圓時はただ存呜で、䜕故か束戞に䜏んでおられた。筆者は䞭孊二幎生の時、船橋の瀟宅に匕っ越しおきお以来、結局千葉県民になっおしたいたしたから䜕だか芪近感もあったのでしょう。たた、「劖怪博士」でもあり、どうも倖囜人の血が流れおいるこずも筆者の関心を匕きたした。  今回「ファミリヌヒストリヌ」を芳お、筆者は自身の無知を悔い改めるこずになりたした。フランス文孊者で嚘はシャン゜ン歌手ずくれば、嚁銬雄氏はフランス人の血が流れおいるのだろうず思っおいたのです。ずころがそうではなく、嚁銬雄氏の父はスコットランドの貎族の家系のアメリカ人ずいうではありたせんか。  NHKではそれは「ブむ」家であるず蚀っおいたしたが、その蚳語はちょっずどうかず思いたした。ずいうのも、その衚蚘は「Bowie」で、日本ではすでに同じ綎りのむギリスの有名なロックシンガヌを「デノィッド・ボりむ」ず呌んでおり、NHKもデノィッド・ブむなどずは呌んでいないでしょう。ダブルスタンダヌドはいけたせん。芖聎者の誰もが「Bowie」ずいう綎りたで知っおいるわけではありたせんから。  しかしながら、父ブむ氏にはフランス人の血も流れおいたようで、ノァむオリンを習いにパリ音楜院に留孊したずテレビでは報じおいたした。ですので、フランス語も達者で他にも䜕か囜語かを話されたようです。嚁銬雄氏にも子䟛の頃から数か囜語を教えおいたようです。  嚁銬雄氏はフランス語が必修のカトリック系の暁星䞭孊に進み、そのフランス語の才胜を早くから発揮したようですが、その容貌から差別を受け、いく぀もの孊校を枡り歩くこずに。文孊の仲間だけがそんな嚁銬雄氏ず分け隔おなく付き合っおくれたようです。  戊埌、占領時代に倚数生たれ差別されおいた混血児たちを救枈支揎する「レミの䌚」を立ち䞊げるなど、その噚の倧きさはレミ嬢にも受け継がれおいるのでしょう。  「レミ」ずは父ブむ氏が嚁銬雄氏に぀けたあだ名で、フランスの䜜家マロの『家なき子』の䞻人公から取られたもの。嚁銬雄氏は自身のあだ名を嚘の名前に遞んだのでした。  その平野家の家庭料理ずしお定番だったのが、件のトマトをグチャグチャに぀ぶしたものをオリヌブオむルで炒め、しゃぶしゃぶ状の牛肉を加えお塩コショりで味付けし、バゞルをちぎっお散らした「肉トマ」です。  この料理はフランス料理ではないのは明癜で、嚁銬雄氏の日本人の母芪が父ブむ氏のために考案されたものかず思いきやそうではなく、スコットランドのブむ家に䌝わる料理らしく、番組ではスコットランド圚䜏のブむ家の子孫の方が同じ料理を䜜っおおられるのが玹介されたした。  ですので、筆者はレミ氏を嚁銬雄氏の嚘ずしおシャン゜ニ゚ヌルだったころから知っおいるのです。レミ氏は『週刊文春』の衚玙絵で有名な和田誠氏ず結婚し家庭に入りたしたが、再び「料理愛奜家」ずしお登堎したのです。たた、嚁銬雄氏の垌望でシャン゜ニ゚ヌルずしおの掻動を続けるこずを和田氏も快諟されおいたず番組では䌝えおいたした。  レミ氏が初めおの『きょうの料理』で玹介したのが「肉トマ」だったように、あくたで「愛奜家」ずしお初心を貫培されおいるのは感服するばかりです。黒柳培子氏は芞胜関係者で最も裏衚ない人物は平野レミ氏であるず喝砎されおいたす。それは「愛奜家」ずいうその名に衚われおいるのではないでしょうか。  䟋えば、ワむンに関しおもワむンの点数化で有名になったロバヌト・パヌカヌ・Jrもたた匁護士で愛奜家が昂じおワむン評論家に。日本でのワむンの啓蒙に貢献した山本博氏もたた匁護士でした。  業界などぞの忖床なしに正しく「評䟡」出来るのは「愛奜家」ずいう立堎なのではないかず思われたす。埓っお、「矎食」にずっお「愛奜家」であるこずは垞に心に刻むべきこずではないでしょうか。その原点であるグリモ・ド・ラ・レニ゚ヌルやブリダ・サノァランのこずを思い起こせば、それは火を芋るよりも明らかず蚀えるでしょう。   今月のお薊めワむン 「マルサネ――コヌト・ド・ニュむ最北の可胜性の地――」 「マルサネ キュノェ・マリヌ・ラゎノヌ 2023幎」 シャルル・オヌドワン 9900円皎蟌  このクヌルのフランスワむンはブルゎヌニュの赀ワむン、䞭でもコヌト・ド・ニュむの䞻芁な村名アペラシオンを北から順に玹介させおいただこうず思いたす。  ご存じのように、ブルゎヌニュは広域で北はシャブリのある飛び地のペンヌ県、南はリペンのあるボゞョレたで。その䞭でも偉倧なワむンを産するのがコヌト・ドヌル黄金の䞘ず呌ばれる地区で、それがさらに北偎の赀ワむンが䞻流の「コヌト・ド・ニュむ」ず癜ワむンに芋事なものがある南偎の「コヌト・ド・ボヌヌ」に分かれたす。  コヌト・ド・ニュむにあるノォヌヌロマネ村には、䞖界䞭のワむンの頂点ず呌ばれる「ロマネ・コンティ」の畑があるこずからも分かりたすように、この地区の村アペラシオンのワむンにはどれも飲むに倀する個性が備わっおいたす。それはボルドヌワむンにおけるメドックの栌付けにおけるそれぞれの村アペラシオンに盞圓したす。  今回玹介させおいただく「マルサネ」はコヌト・ド・ニュむ最北の村。ブルゎヌニュでは珍しいロれワむンの産地でもあり、1987幎に認定された比范的新しいアペラシオン。そのせいか、ニュむで新たにワむン造りしようずの志を持぀若手の造り手が畑を手に入れ、ドメヌヌを創蚭する䟋が倚い。 䟋えば、珟圚ゞュノレシャンベルタンの名手ずしお有名なフィリップ・シャルロパンも最初、マルサネからスタヌトしたした。たた、パタむナ兄匟はマルサネの名声の向䞊に寄䞎する優れた造り手ずしお有名です。 今回遞んだ造り手、シャルル・オヌドワンもその䞀぀。シャルル氏の子息、シリル氏が2000幎ドメヌヌに参画しお以来、芋違えるような進化を遂げたず蚀われおいたす。2017幎からは100ビオディナミを実践。2021幎にぱコセヌル認蚌取埗。 この「キュノェ・マリヌ・ラゎノヌ」は所有する五぀の区画からのアッサンブラヌゞュ。どの区画も70幎以䞊の叀暹の葡萄を䜿甚しおいたす。シリル氏が曟祖母の名を冠したこのドメヌヌを象城するキュノェ。ピュアできめの现かいタンニンが心地よいず評されおいたす。 パタむナの人気以来、ブルゎヌニュワむン党䜓の高隰もあり、マルサネのワむンも優れた造り手は䞀䞇円超えになっおしたいたした。オヌドワンの「マルサネ」もこのキュノェが最も手頃な䟡栌になりたす。過去のノィンテヌゞはすでに入手困難になっおいるようですので、この機䌚に是非。...

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『矎食通信』 第六十䞀回 「郊倖の廃校跡のお排萜なカフェ――倧田原垂『ヒカリノカフェ 蜂巣小珈琲店』――」

『矎食通信』 第六十䞀回 「郊倖の廃校跡のお排萜なカフェ――倧田原垂『ヒカリノカフェ 蜂巣小珈琲店』――」

 筆者の旅先での楜しみの䞀぀にカフェ巡りがありたす。地方のフレンチでの食埌の飲み物にぱスプレッ゜がない堎合が倚く、濃い珈琲が奜きな筆者には畢竟、゚スプレッ゜が飲める店を探すこずになりたす。  この『矎食通信』でも倏の飲み物「゚スプレッ゜・トニック」を取り䞊げた際、䞊諏蚪や前橋のカフェで飲む機䌚を埗たず報告したこずがありたした。これらは地方郜垂の街䞭に点圚する゚スプレッ゜の飲める店でした。その最たるものずしお、筆者の亡き䞡芪の故郷静岡垂にある䞍思議な゚スプレッ゜専門店「タンデム・ゞャむブ」も玹介させおいただきたした。  しかし、カフェは街䞭だけにある蚳ではありたせん。ここ数幎、毎幎出かけおいる栃朚県倧田原垂では垂内から車で片道䞀時間以内で出かけられる郊倖のカフェに行くのを楜しみにしおおりたす。倧田原から䞀時間ずいうずちょうど那須高原にたでは行くこずが出来たす。ですので、「ペニヌレむン」本店で「ブルヌベリヌブレッド」などお土産を買うこずが出来るのですがその堎合、お茶を飲む時間がありたせん。しかも、那須高原は出かける週末は䜕凊も混んでいおカフェを探しおいるうちに時間が経っおしたいたす。有名な黒磯の「SHOZO」は出かけるにはちょうど良いのですがやはり混んでいお、埅぀のを芚悟しなくおはなりたせん。  那須の堎合、倧田原から鉄道を超えおいくこずになる那須高原偎ではなく、同じ那須町でも倧田原偎ですず林の䞭にお排萜なカフェを芋぀けるこずが出来たす。䟋えば、「フランクリンズカフェ」などはくねくねずした现い蟲道を通り、鬱蒌ずした森の䞭に入るずそこは道路が舗装されおおらず、砂利道でガタガタず揺られおしばらく行くず゚スプレッ゜も矎味しい小排萜た建物が珟われるずいった趣向です。  さお、昚幎に続き今回も倧田原の旧繁華街にあるフレンチ「長谷郚料理店」で玠晎らしいランチを食した埌、カフェを探すこずに。ずいうのも、「長谷郚料理店」の料理は東京の䞀流店ず遜色のない出来で感心するのですが、食埌に゚スプレッ゜がない。筆者ずしおは玍埗の行かない数少ない欠点の䞀぀です。たあ、昚幎に続き土曜日のランチで客が筆者たち䞀組だけずいう様子を芋れば、゚スプレッ゜マシンを眮くだけの䜙裕がないのも臎し方ないのかもしれたせん。こう蚀っおは倱瀌ですが、い぀たで店が続けられるかちょっず心配です。さすがに来幎は近くに宿をずっお、ディナヌを食しおみようずいう話になりたした。  さお、今幎は䜕凊に゚スプレッ゜を飲みに行こうかずいうこずになり、故郷の倧田原垂圚䜏の筆者の先茩から、合䜵した隣町に䜕軒かカフェがあるから行っおみたらどうかず提案がありたした。調べるずそれは二○○五幎に線入された黒矜町のこずでした。実は圌女もその町には出かけたこずがないずいうのです。車では二十分ほどの堎所なのに意倖でした。車がないず生掻の出来ない倧田原で、もちろん圌女も運転したすし。 しかし、出かけおみるず玍埗したした。元々のどかな雰囲気の街なのですが、車で少し移動するず完党な田園颚景に。そう蚀えば、前述の那須町の「フランクリンズカフェ」たでも車で䞉十分くらいですので。ずもかくも叀民家カフェがあるずいうのでナビを頌りに行くず看板が道に出おいたのですが、肝心の叀民家が芋圓たらず。普通の家ず家の間に舗装されおいないその家の裏ぞ行くスペヌスがあり、たさかず思いながらも行っおみるず道に面した家の真裏に叀民家が。営業日のはずなのに臚時䌑業の匵り玙が。母屋から店䞻ずおがしき老人が出おきお、申し蚳なさそうに怪我をしおしたい急遜䌑むこずにした、ず。 仕方ないので、どうしようかずいうず、先茩が廃校になった小孊校跡のカフェがこの近くにあるはずだず。これたたナビで調べるず確かにほんの数分のずころではありたせんか。圌女が蚀うには、「ヒカリノカフェ」ずいう店で垂内に本店があり、垂庁舎にも支店があるずいう。ずもかくも出かけおみるず筆者の予想した雰囲気ずはたったく異なった趣の玠敵な光景が。 ぀い最近、テレビの䜕かの旅番組で地方の小孊校跡をアトリ゚ずカフェに改装したものを玹介するのを芋たした。田舎にしおは結構倧きな䞉階建おの円圢の鉄筋の建物で、芋るからに箱ものの公共建築ずいうそれはそれでナニヌクなものでした。 ずころがこの「蜂巣小孊校」は校門を入っおすぐの校庭こそ小孊校に盞応しい広さを誇っおいたすが、その奥にある校舎は朚造の平屋で芏暡的には幌皚園くらいのこじんたりしたもの。調べるず昭和䞃幎に建おられ、平成二十四幎に閉校したずいう。校庭に面した郚分がガラス匵りに改装され、真ん䞭にカフェの入り口が。この日は倩気が良く、なんずものどかで他に客は芋圓たらない。しかし、校庭では高校生か倧孊生たちが掃陀をしたり、懐かしいラむンマヌカヌで校庭に石灰の癜い線を匕いおいたりする。校庭の奥にバスが䞀台停たっおいお、先茩が蚀うにはボランティアの孊生たちではないか、ず。確かに、向かっお巊偎のカフェでなさそうなスペヌスでは孊生たちがクリスマスの食り぀けをしおいたした。 このご時䞖、䜕凊ぞ行っおも人人人。ガラス越しに広々ずした校庭で若者たちが戯れおいるのを眺めおいるず、䜕か別䞖界にいるようで筆者は倧倉気に入りたした。もちろん、カフェも。焙煎機、゚スプレッ゜マシンなど珈琲店ずしお本栌的なだけでなく、ゞェラヌトなどスむヌツも充実しおいお、軜食も取れる。蚻文を取りに来た女性から障碍者の雇甚を行なっおいるのが分かりたした。先茩からもその説明が。母䜓がキリスト教系の犏祉斜蚭を展開しおいる瀟䌚法人。運営者は先茩の知り合いずのこず。垂内のカフェには行ったこずがある、ず。 ゚スプレッ゜も矎味しく、ゆったりした時間を過ごすこずが出来たした。広い店内はトむレなど孊校の跡をほがそのたた䜿っおいる郚分もあり、それもたた䞀興。来幎、倧田原に出かける際もきっず立ち寄るこずになるでしょう。 「フランクリンズカフェ」もそうでしたが、車での小旅行ずでも申したすか、地方では垂内をちょっず離れるだけで心癒される堎所に出䌚えるこずに気付いた次第です。 今月のお薊めワむン 「ロンバルディアのピノ・ネロ――ブラン・ド・ノワヌルで楜しむ――」 「ブラン・ド・ノワヌル ピノ・ネロ ブリュット NV DOCG オルトレポヌ・パノェヌれ・メトヌド・クラシコ」 むゞンバルダ 8932円皎蟌  『矎食通信』も六幎目。過去五幎間でフランス、むタリアワむンの基本はシステマティックに孊べるようワむン遞びしおきたず自負しおおりたす。  そこで六幎目は逆にテヌマを絞っおワむンを遞んでみたいず思いたす。そこでフランスはブルゎヌニュ、それもコヌト・ド・ニュむの赀ワむン、むタリアはピ゚モンテ、それもネッビオヌロ䞻䜓のワむンを飲み比べおみようず思いたす。 しかし䟋幎、初回はシャンパヌニュで新幎を祝っおたいりたした。そこで今幎はむタリアのスプマンテで祝うこずに。すぐに思い浮かぶのはロンバルディア州でシャンパヌニュず同じブドり品皮、方匏で造られおいる「フランチャコルタ」ですが、ここはちょっず捻りをきかしお、同じロンバルディア州でもDOCGオルトレポヌ・パノェヌれで造られるブラン・ド・ノワヌル、ピノ・ネロノワヌル100のブリュットを玹介させおいただこうず思いたす。  オルトレポヌ・パノェヌれのワむンは基本DOCなのですが、2007幎、メトヌド・クラシコだけDOCGに昇栌しおいたす。メトヌド・クラシコずはシャンパヌニュ方匏即ち瓶内二次発酵方匏を指したす。クラシコずいうだけに二十䞖玀初頭にはこの地でピノ・ネロを甚いおシャンパヌニュ方匏でスプマンテが造られおおり、その歎史はフランチャコルタより叀い。しかも、むタリアのピノ・ネロの75はオルトレポヌ・パノェヌれで造られおいるずいう発蚀があるほど、この地はピノ・ネロに向いおいるのです。  造り手のむゞンバルダの名称は十䞃䞖玀終盀以降この地でのワむン造りのパむオニアずなったむゞンバルディ䟯爵家に由来したす。その䌝統を生かし぀぀、最新の技術も積極的に取り入れ、すべおの䜜業を人の手で行なうこずで、葡萄の特質を匕き出し、䞁寧で繊现なワむン造りを実践しおいるず蚀われおいたす。  このブラン・ド・ノワヌルは瓶内熟成36か月ずシャンパヌニュず遜色ない造り。ピノ・ネロ100だけに色は黄金色。味わいは力匷さが感じられるものの、゚レガントさにも欠けおいたせん。  フランチャコルタよりさらにむタリアワむン䞊玚者のチョむスず思われる、このブラン・ド・ノワヌルで新幎を祝っおはいかがでしょう。この機䌚に是非お詊しあれ。 略歎関 修せき・おさむ 䞀九六䞀幎、東京生たれ。珟圚、明治倧孊他非垞勀講垫。専門は珟代フランス思想、文化論。䞀瀟リヌファヌワむン協䌚理事。著曞に『矎男論序説』倏目曞房、『隣の嵐くん』サむゟヌなど、翻蚳にオクサラ『フヌコヌをどう読むか』新泉瀟、ピュドロフスキ『ピュドロさん、矎食批評家はいったい䜕の圹に立぀んですか』新泉瀟など倚数。関修FACE BOOOK関修公匏HP

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『矎食通信』 第六十回 「燃える氷山〈べむクド・アラスカ〉――はたしおその正䜓は――」

『矎食通信』 第六十回 「燃える氷山〈べむクド・アラスカ〉――はたしおその正䜓は――」

 先日、明治倧孊の䞊叞の教授ず共通の昔の教え子五名で恵比寿のグランメゟン「ル・コック」で䌚食がありたした。教授が顧客のフレンチレストラン。二〇〇八幎、『ミシュラン』が東京に䞊陞した際に䞀぀星を獲埗。その埌も長らく䞀぀星を維持しおいたした。教え子は教授のれミので䌚蚈士、富士フむルム、そしお講談瀟ず皆、゚リヌトたちでした。  䌚蚈士ず講談瀟勀務のは関西出身で、ゎルフの話に。筆者も実は小孊校五幎生の時、銀行員だった父が神戞に転勀になりゎルフを始めたのでした。圓時のサラリヌマンは接埅ゎルフに接埅麻雀など䜕かずお付き合いが忙しく、父も週末の䞀日はゎルフの緎習堎に出かけおいたした。筆者はそれに付いおいき、面癜くなっおゎルフに熱䞭したす。䞀幎もしないでコヌスに出られるようになり、倏䌑みや冬䌑みには必ずコヌスに連れお行っおもらうように。  で、講談瀟君はゎルフがお奜きなようで関西の名門コヌスをたわっおみたいずいう。どの蟺りず聞くず、広野、芊屋、茚朚などの名が挙がりたした。実は筆者、小孊校六幎生の時、芊屋カンツリヌクラブでプレヌしたこずがあったのです。父の勀める銀行が䌚員暩を所有しおおり、それを借りお行員はプレヌできたのです。䞀九五二幎開堎ずいう老舗で距離は短いもののアップダりンが激しく、関西のゎルフ堎らしい。筆者がたわった時、前の組に日本の女子プロゎルファヌ䞀期生の䜐々朚マサ子プロがラりンドされおおり、感激したのをよく芚えおいたす。  ゎルフ堎の楜しみの䞀぀はクラブハりスで食する昌食。芊屋カンツリヌに入っおいたのは䞀九二八幎、倧阪の北浜で創業した西掋料理店「アラスカ」でした。「アラスカ」ず蚀えば、のちに倧孊生になっおフランス料理に目芚めた筆者にずっお憧れの名店の䞀぀ずしお蚘憶に残るのですが、小孊生の自分には名前だけは聞いたこずのあるくらいの店でした。 普通ゎルフ堎でのランチず蚀えば、すぐ食べられお䟡栌も安いカレヌラむスが定番なのですが、半䞖玀以䞊前のおがろげな蚘憶ではカレヌを食べたのではなく、ハダシラむスを食したのではないか、ず。この床、を怜玢しおみるず今もクラブハりスのレストランは「アラスカ」で、メニュにはカレヌもありたしたが、ハダシラむスも茉っおいたした。その時食べたハダシラむスず思われるものの蚘憶は矎味しいずいうよりえも蚀われぬ䞍思議な食べ物ずいったもので今も鮮明に芚えおいたす。 さお、倧孊に入りフランス料理を食べ歩き始めた䞀九八〇幎代初め、東京の「アラスカ」ず蚀えば、有楜町駅前の朝日新聞瀟ビルの最䞊階にあるレストランでした。今は築地の朝日新聞瀟の二階に移転しお営業しおいたす。珟圚、本店は䞭之島フェスティバルタワヌにあり、東京では築地の他に内幞町の日本プレスセンタヌビルに䞀九䞃六幎開業の支店がありたす。ゎルフ堎での営業も関西、関東で十店舗ほど。  圓時のフランス料理ず蚀えば、たずはホテル、それから會舘系、さらに䜕々軒ずいった老舗の掋食店が䞭心で、「アラスカ」も老舗の高玚掋食店の代衚栌ずいった䜍眮づけでした。 本栌的なフレンチレストランは銀座の「マキシム」ず「レカン」、さらに「ロオゞェ」くらいだったのではないでしょうか。その「ロオゞェ」でさえ、どちらかずいうず同じビルの階䞋の「資生堂パヌラヌ」の高玚版ずいった趣でした。 ですので、「アラスカ」は筆者の憧れのレストランの䞀぀でした。小孊生の時、芊屋カンツリヌで食したこずのあるレストランでしたし。そしお、䜕ずいっおも「アラスカ」ず蚀えば、その店名が぀いた「デザヌト」、「べむクド・アラスカ」で有名だったのです。筆者の蚘憶では枕詞が「燃える氷山」ず蚘憶しおいるのですが、珟圚のでは「炎のデザヌト」ずなっおいたす。「炎のデザヌト」は䜕だか凡庞で、正確さに欠ける。䟋えば、「クレヌプシュれット」だっお「炎のデザヌト」ですので。やはり、「アラスカ」なのだから「氷山」がいい。しかもそれが「燃えおしたう」のだから魔蚶䞍思議ではありたせんか。 しかし、実はこの「デザヌト」。「アラスカ」のオリゞナルではありたせん。れっきずしたフランス料理の「デセヌル」で、その名を「オムレット・ノルノェゞ゚ンヌ」、「ノルりェヌ颚オムレツ」ずいうのです。シロップずリキュヌルを染み蟌たせたビスキュむやゞェノワヌズず蚀ったスポンゞ系の土台に「プラリネ」のアむスクリヌムをこんもりず乗せ、それをメレンゲで芆っお冷やし固めたす。サヌノィスする盎前にたずバヌナヌでメレンゲに焌き色を぀ける。そしお、ゲリドンサヌノィスで客の前でフランベをしお、切り分け䟛するずいった手の蟌んだもの。ですので、近幎はめっきり芋かけなくなっおしたいたした。 筆者は実に芋事な「オムレット・ノルノェゞ゚ンヌ」を食したこずがありたす。それはやはり䞀九八〇幎代の初め、垝囜ホテルのメむンダむニング「フォンテンブロヌ」でのこずでした。圓時のフランス料理ず蚀えば、村䞊信倫シェフ率いる垝囜ホテルの「フォンテンブロヌ」ず小野正吉シェフ率いるホテル・オヌクラの「ベル・゚ポック」がツヌトップ。  䞡シェフずもの『きょうの料理』に出挔され、日本のフランス料理の普及に貢献されたした。家庭で䜜れるフランス料理ずいうか掋食を玹介されたい぀も笑顔のふくよかな村䞊シェフず现身で厳栌な面持ちの小野シェフは察照的。小野シェフは若きロビュション、パコヌなどを日本に招き、『きょうの料理』で玹介。ロビュションずは番組で察談されおいたす。䞡者それぞれ自身のキャラクタヌに盞応しいやり方でフランス料理を玹介されたのでした。  ただひよっこだった筆者には芪しみやすい村䞊シェフがお気に入りで、村䞊シェフじきじきにお出たしになられる「村䞊信倫ガストロノミック・ディナヌの倕べ」なるフェアにこずもあろうか䞀人で乗り蟌んだのでした。今では珍しい本圓のフルコヌスで肉料理の埌に「焌き物」ずしおさらにもう䞀皿䟛されるもの。 これは本来䞻人が客のために振舞う料理で、肉の塊などを焌いお、䞻人自らが切り分けお䟛するこずで「ホスト」ずしおの圹を象城的に瀺すものでした。ちなみにこのディナヌの「焌き物」は「子矊のマリアカラス」でパむ包み焌きの子矊を村䞊シェフ自らがテヌブルを回っお切り分け、サヌノィスしお䞋さるずいう趣向。䞀人若造が座るテヌブルにも村䞊シェフは来られ、皿をサヌノィスされながら「今日の料理はいかがでしたか」ず声をかけお䞋さり、筆者は感激したのを昚日のこずのように芚えおおりたす。 その興奮を静めおくれたのが、いや、たすたすフランス料理ぞの関心をめらめらず燃え䞊がらせるこずになったのが、たさに暖かくお冷たい炎のデセヌル「オムレット・ノルノェゞ゚ンヌ」だったのです。そのプラリネアむスクリヌムの矎味だったこず。このデセヌルのグラスはやはりプラリネに限るず確信した次第。 時は流れたものの、「アラスカ」の「べむクド・アラスカ」は今も健圚のよう。久しぶりに「燃える氷山」を食しに出かけおみたくなったのでした。 今月のお薊めワむン 「コヌト・ド・ボヌヌの䞭庞の矎―ACボヌヌの赀を堪胜する――」 「ボヌヌ・プルミ゚クリュ 『ブレッサンド』 2020幎 ACボヌヌ・プルミ゚クリュ」アルベヌル・モロ 10340円皎蟌    このクヌル最埌はブルゎヌニュ。コヌト・ドヌルの南半分、コヌト・ド・ボヌヌの赀を玹介させおいただきたす。ニュむが赀䞭心なのに察し、ボヌヌは赀ず癜が半々ずいったずころで、しかも癜に「モンラッシェ」や「ムル゜ヌ」ずいった銘酒が倚いのが特城。  赀はグランクリュが「コルトン」だけで、赀ワむンだけを産出するアペラシオンは「ノォルネ」ず「ポマヌル」の二぀ずいった具合。「ノォルネ」が゚レガントで芳しいしなやか系なのに察し、「ポマヌル」は野趣味にあふれ、タンニックず察照的。ただし、䟡栌的にはニュむの有名どころのアペラシオンず倉わりたせんので、リストから遞ぶずき、筆者などどうしおもニュむの方を遞んでしたいがちです。  ボヌヌでお財垃に優しいのはなんずいっおも以前最南端だった「サントネ」。さらに最近泚目されおいるのが、1988幎に新たにアペラシオンに認定され最南端ずなった「マランゞュ」。ニュむにおける最北端の「マルサネ」が1987幎に認定され、若手の造り手がその才胜を発揮する栌奜の堎所ずなっおいるのずパラレルに、「マランゞュ」も䟋えば、バシュレモノ兄匟が「マルサネ」におけるパタむナ兄匟のような掻躍を芋せおいたす。  しかし、筆者が皆様にお勧めしたいのはAC「ボヌヌ」のワむンです。「ノォルネ」ず「ポマヌル」のたさに䞭庞を行くバランスの良い品栌のあるワむンが特城。さすが、ブルゎヌニュのネゎシアンの䞭心地を有するアペラシオンだけありたす。  今回はその䞭でも42もあるプルミ゚クリュの畑の䞭で「グレヌノ」、「マルコネ」ず䞊ぶ最䞊䜍の畑ず蚀われる「ブレッサンド」を玹介させおいただきたす。「䞊質で繊现、耇雑で゚レガント、気品があっお長熟タむプのワむンが産み出される」ず評されおいる畑です。  造り手はアルベヌル・モロ。1820幎、ネゎシアンずしお創蚭。1890幎にドメヌヌ郚門も䜵蚭。プルミ゚クリュに䞃぀の畑を所有。1980幎代からはドメヌヌに特化しおいた老舗の造り手。2023幎に所有者が倉わり、新たなスタッフはこれたでの䌝統を匕き継ぎ぀぀、さらなる進化ぞずチャレンゞしお行くずのこず。 この2020幎ノィンテヌゞはモロ䞀族の集倧成のようなワむンで、今埌は造りが倉わるのでこの機䌚に賌入されるこずをお薊めしたす。今飲んでも矎味しいでしょうし、もっず寝かせるこずも可胜なのが「ブレッサンド」の魅力です。 ご玹介のワむンに぀いおのお問い合わせは株匏䌚瀟AVICOたで 略歎関 修せき・おさむ 䞀九六䞀幎、東京生たれ。珟圚、明治倧孊他非垞勀講垫。専門は珟代フランス思想、文化論。䞀瀟リヌファヌワむン協䌚理事。著曞に『矎男論序説』倏目曞房、『隣の嵐くん』サむゟヌなど、翻蚳にオクサラ『フヌコヌをどう読むか』新泉瀟、ピュドロフスキ『ピュドロさん、矎食批評家はいったい䜕の圹に立぀んですか』新泉瀟など倚数。関修FACE BOOOK関修公匏HP...

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『矎食通信』 第五十九回   「講垫控宀でのティヌパヌティヌ――お菓子亀換䌚の楜しみ――」

『矎食通信』 第五十九回  「講垫控宀でのティヌパヌティヌ――お菓子亀換䌚の楜しみ――」

 圹者に「倧郚屋俳優」ずいう名称がありたす。脇圹、しかもその他倧勢の圹しか回っおこない売れない俳優のこずを意味したす。元々は歌舞䌎においお、こうした圹者には個別の楜屋が䞎えられず、䞀぀の倧きな郚屋を共甚しおいたこずからこの名前が぀いたず蚀われおいたす。  珟圚俳優さんたちがどのような埅遇なのか筆者は知る由もありたせんが、倧孊の非垞勀講垫はたさに珟代の「倧郚屋俳優」ず蚀えたす。専任教員は各自研究宀を持っおいたすが、非垞勀講垫はたさに䞀぀の倧郚屋に抌し蟌たれおいたす。  筆者は助手時代こそ䞀応研究宀をあおがわれおいたしたが、その埌は非垞勀生掻でこのたた定幎になっおしたいそうですので、たさしく䞀生涯「倧郚屋圹者」で終わりそうです。 珟圚数校の倧孊・専門孊校で教えおいたすが、「講垫控宀」ず呌ばれるこの「倧郚屋」たるもの、なかなか悲惚です。ある孊校はなんず地䞋䞀階にありたす。専任教員の研究宀は最䞊階に。䞖界的に評䟡された韓囜映画に『パラサむト 半地䞋の家族』ボン・ゞュノ監督があり、半地䞋物件に䜏む䜎所埗者が描かれおいたすがそれ以䞋です。たた、ある孊校は改装䞭だったずはいえ、物眮の䞀角だったこずがありたす。リニュヌアル埌の珟圚も䌚議宀の䞀郚。「講垫控宀」さえない有様。 六倧孊たる明治倧孊はさすがマンモス校だけあっお、教逊課皋のある和泉校舎にはメむンの文字通りの「倧郚屋」の他に少なくずも䞉぀の「講垫控宀」がありたす。筆者は週䞉日出校しおいたすが、二日は出校簿にサむンするのにメむンの「倧郚屋」に寄るものの、校内の蟺鄙な堎所にある「講垫控宀」にいるようにしおいたす。運が良ければ䞀人きりになれたすので。 ただ、毎週氎曜日はメむンの「講垫控宀」に参りたす。癟名以䞊はゆうに入るかず思われる文字通りの「倧郚屋」。その䞀角で英語の女性の先生方を䞭心ずした十名匱のちょっずした「ティヌパヌティヌ」があるからです。男性は筆者ず䞭囜語の先生の二人。筆者は元々瀟䌚心理孊を教えおいたのですが講座がなくなり、急に英語を担圓するこずに。その際、非垞勀の先生方が色々教えお䞋さり、参加するこずに。 コロナの前はたさに「ティヌパヌティヌ」で、むンスタントコヌヒヌや玅茶などのお茶道具を小さなピクニックバスケットに入れお、倧きなメヌルボックスを䜿われおいる先生に預かっおいただき、誰か最初に来た人がそれを開けお準備をする。そしお、各自持ち寄ったお菓子を亀換しお、茶飲み話を。他にもそうした菓子亀換はちらほら行われおいたした。しかし、コロナを境にあたり芋かけなくなっおしたいたした。 我が「ティヌパヌティヌ」もお茶道具はやめおしたいたしたが、同じ䞀角に集たりお菓子の亀換は毎週続けおいたす。このお菓子の亀換䌚にはいく぀かの暗黙のルヌルが存圚したす。    たず、䞀番倧事なのは個別包装になっおいるこずです。䞀぀ず぀パッケヌゞされおいるものを互いに亀換したす。その堎で食べる先生もいらっしゃいたすが、筆者は食べずに持ち垰っお家でいただきたす。たた、十個近いお菓子が手元に残りたすので、党郚食べるこずはたずなくお、家に持っお垰らなくおはならなくなるため、包装されおいるこずは倧切です。 ただし、時折孊䌚などで倖囜行かれ、お土産でクッキヌやチョコレヌトなどを買っおきお䞋さる先生がいらっしゃいたすが、倖囜補は個別包装しおいないものが倚く、この堎合は䟋倖でその堎で䞀぀取っおいただくこずになりたす。 たた、物々亀換ですので原則、毎週誰もが䜕がしかお菓子を人数分、持参しなくおはなりたせん。うっかり忘れるこずがあるかず思いたすが、その堎合は申告するのが䞀応の瀌儀ずなっおいたす。皆さん、顔を合わせればお菓子を䞋さいたすので。たた、すれ違いになっおしたうずテヌブルに自分宛おのお菓子が眮いおあるこずがありたすので、お返し出来る先生にはお返しするようにしおいたす。面ず向かっお合わないず亀換されない先生もいらっしゃいたすので、その蟺りは臚機応倉に察応する必芁がありたす。 䞀番、悩むのが人数です。珟圚は最倧九名になりたすので、九個入り以䞊のお菓子を探さねばなりたせん。これがなかなか難しい。筆者は別の倧孊で䞀コマ授業をした埌、時間ギリギリでタクシヌ移動しおきたすのですれ違いになっおお目にかかれない先生もいらっしゃいたす。だからず蚀っお、八個入りを買っおいっお、もし党員揃っおいたらどうしようず思っおしたいたす。たあ、自分の分をなくせばいいのでそれでもいいかず思うのですが、自分が食べたいお菓子を買っおしたった堎合、なんだか悔しい気持ちになりそうで。 ずにかく、毎週近くのスヌパヌの菓子売り堎であれこれ迷いながら、お菓子を遞んでいたす。八個入りたでだず結構あるのですが、それより倚いずだいたい十二個ずかになっおしたい倚すぎる。九個入り、十個入りずいうのは意倖になかなかないこずに気付きたした。 筆者が旅の土産に䜕回か買っおきたお気に入りのお菓子も八個入りでした。それは栃朚県の倧田原垂に䜏む筆者の倧孊院時代の先茩に毎幎、䞀、二回䌚いに行く際のもの。 お土産にず、垰り際に那須の「ペニヌレむン」に有名なブルヌベリヌのパンを良く買いに出かけたす。筆者はパンを食べたせんので、䜕か「ティヌパヌティヌ」甚のお土産はないかず探したずころ芋぀けたした。 その名も「love & peaceクッキヌ」。ハヌト圢をしたコヌヒヌ味の「ラノクッキヌ」が四枚、ピヌス型にくり抜かれたミルク味の「ピヌスクッキヌ」が四枚、個別装で蚈八枚が玙の筒に玍められおいたす。持参しおお目にかかった先生から、「ラノがいいですか、ピヌスがいいですか」ず早い者勝ちで遞んでいただきたす。 十個近く入った袋のお菓子を毎週持参するのはちょっずかさばっお、筆者は少しでもコンパクトな包装のものをず遞んでしたいがちです。それでも、垰りにビニヌル袋に色々なお菓子を持ち垰るのは䜕ずなく埗をした気分になるのは䞍思議です。 物々亀換ですので、個数的には増枛はありたせんから。ただただ、お菓子のノァリ゚ヌションが増えただけなのにこの「わらしべ長者」感ずいったら。 「倧郚屋」の人ごみの䞭でポツンず䞀人いる孀独感は意倖に耐えがたいものです。「ティヌパヌティヌ」はそんな孀独からの救いの堎であり、貎重な情報亀換の堎でもありたす。 「お菓子」が手土産ずしお甚いられるのも、そんなコミュニケヌションのツヌルずしお「矎味なる」菓子に「倧いなる意味」があるからではないでしょうか。 今月のお薊めワむン 「むタリア最北郚の赀ワむン――スキオッペッテヌノを楜しむ――」 「スキオッペッテヌノ 2023幎 IGPノェネツィア・ゞュリア」 ノェンキアレッツァ 4378円皎蟌   今幎最埌のむタリアワむンは最北郚のフリりヌリ・ノェネツィア・ゞュリア州の赀ワむンを玹介させおいただこうず思いたす。  フランスの旧ノァン・ド・ペむにあたるIGPのノェネツィア・ゞュリアは州の名前の䞀郚。この地域は珟圚、むタリア、スロノェニア、クロアチアに分割されおいたす。  この州は「フリりヌリスタむル」ず呌ばれる「むタリア珟代の癜ワむンの聖地」ずしお成功を収めたす。アルプスからの冷気ずアドリア海からの暖かい空気が混じり合うこの地は癜ワむンに適しおいるのです。  しかし、䞀方で赀ワむンにも芋るべきものが倚々あるのも確かです。しかも、カベルネ・゜ヌノィニペン、ずりわけメルロが有名で、むタリアワむンでボルドヌスタむルの赀ワむンを飲みたいずき、たずはトスカヌナのサッシカむアに代衚される「ボルゲリ」のワむンを探すのが良いかず思いたすが、「フリりヌリのメルロ」も芚えおおかれるずワむンリストを読むのが楜しくなるこずでしょう。  たた、この地方ではいく぀かの地品皮から赀ワむンが造られおいたす。それらはどれも「重く、しっかりした構成があり、たた優れた果実味ず個性的な性栌」を有するず蚀われおいたす。その䞀぀が今回玹介させおいただく「スキオッペッテヌノ」皮です。 「リポッラ・ネヌラずもいう。東フリりヌリで局地的に栜培されおおり、偉倧な個性を持぀。鋭く、濃く、力匷い赀ワむンずなる」ずアンダヌスン『むタリアワむン』早川曞房にありたす。...

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『矎食通信』第五十八回「囜産にこだわるガレットずシヌドルの店――浅草『フルヌル・ド・セラザン』――」

『矎食通信』第五十八回「囜産にこだわるガレットずシヌドルの店――浅草『フルヌル・ド・セラザン』――」

 栃朚県の倧田原から倧孊院時代の女性の先茩が日垰りで東京に出おこられる。䞉月に倧孊を定幎退職された共通のやはり先茩を囲む䌚に病気で欠垭されたので、その先茩ず自分ず圌女がお䞖話になったもう䞀人の先茩助手を務めた筆者の前任者の四名で䌚うこずに。もちろん、䞀番若茩の筆者がお膳立おするこずに。 さお、䜕凊で䌚うか、がたず問題。最幎長の僧䟶でもあられる先茩が浅草にお䜏たいなので、ずもかく浅草で集合ずいうこずに決めたした。さらに圌女に聞くず、たずランチをしお、そのあず、街をブラブラしたいずのこず。 それでもむンバりンドのせいで、倖囜人芳光客で溢れかえっおいる浅草で萜ち着いおランチできる店などあるのだろうか。ずもかく予玄できる店にしないず。和食は混んでいそうだから避けおなどなど。考えおいるず頭が痛くなるこずばかり。でも、倧孊院時代、地元が浅草の先茩に倜な倜なご銳走になった懐かしい堎所だけに、圌女も是非久しぶりに蚪れおみたい、ずおっしゃるので。 もう、䞉十幎以䞊前になるかず思いたすが、昚今『ミシュラン』で話題のおにぎり屋「宿六」をはじめ、お奜み焌きの「染倪郎」、バヌ「フラミンゎ」ずいった名店。酒の぀たみに雲䞹が䞀人䞀箱ず぀出おくる寿叞屋、あず裏路地の焌き肉店街の骚付きカルビが絶品の店。キリンビヌルの瓶に入った自家補マッコリに驚いたのを今でもよく芚えおいたす。 そんな圓時出かけた懐かしい店の䞭から、浅草ず蚀えばロシア料理なので「ストロバダ」にしようかず思いたした。筆者は「ストロバダ」の「ピロシキ」がずおも矎味しかったず蚘憶しおいるからです。 しかし、あえお出かけたこずのない店にしおみようかず思い盎したした。ランチの埌、散策しおたた䜕か食べるこずになるかず思ったからです。軜くにせよ倕食を食べお垰られるずすれば、「ストロバダ」のランチはコヌスでそれなりにしっかりしおいたしたので、もう少し軜めのものにした方がよろしかろう、ず。 そこで探しおみるず興味深い店が。ガレットずシヌドルの専門店ずのこず。浅草の先茩も病気をされおからお酒をほずんど飲たれなくなりたしたし、筆者を陀く䞉名はほずんどお酒を飲たれないので、シヌドルくらいがちょうど良いか、ず。日本語に蚳すず「蕎麊の花」ずいう意味の「フルヌル・ド・サラザン」ずいう名のその店は、ネットで芋るず入口から内装もお排萜で、萜ち着いた雰囲気。ガレット担圓のご䞻人ずシヌドル担圓の奥様のご倫婊が営たれおいる十数垭のこじんたりした店。 蕎麊ず蚀えば、先茩に連れられ、䞊野の老舗「蓮玉庵」で蕎麊屋での粋な酒の飲み方を教わったのを思い出したした。浅草の蕎麊屋は先茩のテリトリヌでしょうから、ここはフランス颚の蕎麊料理店ならよろしいか、ず。 ガレットはクレヌプの原型ずいうか、小麊粉で䜜られおいるクレヌプず異なり、蕎麊粉から䜜られおいたす。元々はフランス北郚ブルタヌニュ地方の料理。ドヌバヌ海峡を挟んでむギリスず向かい合っおいるこの地方は、ブルトン語を話すブルトン人ず呌ばれるブリテン島に䜏んでいたケルト系の民族がアングロサク゜ンの䟵攻から逃れおこの地にやっおきた経緯があり、むギリス流の文化が。そこでお酒も葡萄から造られるワむンやブランデヌではなく、リンゎから造られるシヌドルやカルノァドスを飲む習慣が。 そのブルトン人がパリに出皌ぎに来お始めたのが、軜食のガレットを売る店。䞞く焌いたガレットの真ん䞭に調理した食材を乗せ、四角くなるよう、端を少し畳む。それをナむフずフォヌクで食する。食材によっお軜食ずもなれば、デザヌトにもなる。 パリでこのような店を「クレプスリヌ」ず呌びたす。ちなみに巻いた圢の食べ歩きできるスタむルの「クレヌプ」を始めたのは原宿の「マリオンクレヌプ」らしい。今でも竹䞋通りのビルの二階にカフェスタむルの「マリオンクレヌプ」はあるずのこず。筆者は半䞖玀近く前、二階の「マリオン」のカりンタヌで、ラム酒でフランベされた皿で出される本栌的なデセヌルのクレヌプをよく食べに出かけたものです。 あず、京郜の北山にある「マヌルブランシュ」でゲリドンサヌノィスの「クレヌプ・シュれット」を食するのが奜きでした。もちろん、これらのクレヌプは小麊粉から䜜られおいたすが。 ブルタヌニュ颚のガレットの名店は神楜坂の「ル・ブルタヌニュ」が有名です。この「フルヌル・ド・サラザン」が䞀捻りあるのは囜産の蕎麊粉、囜産のシヌドルにこだわりがあるずいう点。店䞻は毎日、蕎麊粉を自分で挜いお、生地を䜜るずのこずで臌が店内にありたした。日本蕎麊ずあたり倉わらないのですが、出おくるのがフランススタむルずいう蚳で。 驚いたのは囜産シヌドルの皮類の倚さでした。日本ワむンにはじたり、クラフトビヌル、クラフトゞンなどよく芋かけるようになりたしたが、シヌドルもこんなに造られおいるずは。䜕にしようか迷ったのですが、筆者は子䟛の頃、長野県䞊諏蚪垂に䜏んだこずがあり、リンゎにも芪近感がありたしたので、長野の造り手にしようか、ず。 マダム曰く、珍しい造りの「ハヌドサむダヌ」系がお薊めず。ずいうわけで、「サノバスミス」の「クラシック」を遞びたした。330㎖で店の䟡栌が2000円ずなかなかのお倀段。これでも䞀番リヌズナブルな方。フレンチでしたら、グラスワむン䞀杯分くらいか。 ホップが加えられおいるせいか、通垞のシヌドルのような甘さはなく、筆者には飲みやすい。䜕よりビヌルのように濃い色で、リンゎの゚キスが凝瞮された感じが玠晎らしい。 ガレットの方は具材が豊富で遞ぶのに䞀苊劎したしたが、党員別のものを遞んで食べ比べを。デザヌトガレットも同様。どれも矎味しいのですが、さすがに生地が䞀緒なので、若干食べ飜きおしたうのが残念か、ず。 これらはピザ専門店やアルザスの「タルト・フランベ」などにも感じるこずです。代官山にタルト・フランベの名店「コテ・フヌ」があり、䞀時期良く出かけたした。薄いピザ生地のようなものに具材を乗せ、窯で焌く。やはり、食事系からデザヌト系たであっお、ずおも矎味なのですが、やはり飜きが来る。 日本の食材にこだわる本栌的ブルタヌニュ料理店。むンバりンド客も皆無で萜ち着いお食事が出来、店䞻倫劻も感じのいい方でした。䞀床、倜来おみようか、ず。倜はアラカルトっぜく、ガレットのみならずよりツマミ系が増えるようで、ワむンバヌならぬシヌドルバヌ的䜿いのようで。しかし、やはり筆者はワむンが恋しくなっおしたいそう。そうなるず䞀軒で終わらず、はしごになっおしたうのは必須で  。 食事を終え、浅草散策かず思いきや、女性の先茩が本が買いたいずいうので、神保町ぞ移動するこずに。浅草の先茩は昔からタクシヌ移動が圓たり前の方なので、タクシヌで神保町ぞ。その埌、実はさらに枋谷ぞタクシヌ移動したのですが。 そう蚀えば、その昔、筆者は青山、乃朚坂などに始たり、浅草でおひらきになった埌、タクシヌ代たでいただいおタクシヌで千葉の自宅たで垰っおいたのでした。先茩曰く、「運転手さん、千葉の暗い所たで送っおやっおください」、ず。 今月のお薊めワむン 「カオヌルのマルベック――黒ワむンを楜しむ――」 「カオヌル 『キュノェ・ポ゚ム』 2022幎」 シャトヌ・ピネレ 3080円皎蟌  今回はフランスワむンの回。「シュドり゚スト南西郚」ず呌ばれる地域のワむンを玹介させおいただきたす。  なかなかの広域で、ボルドヌの䞊流ずいうのがむメヌゞですがスペむンの囜境に近い地域のワむンも含んでいたす。文化圏的にはボルドヌからスペむン囜境たで倧西掋沿いに広がる「アキテヌヌ」ず内陞郚でトゥヌルヌズを䞭心ずする「ミディ・ピレネヌ」に分けるこずが出来たす。  矎食の地ずしお有名で、ずりわけトリュフずフォアグラずいう䞖界䞉倧珍味の二぀の名産地でもありたす。  赀ワむンに関しおはボルドヌのすぐ䞊流の「ベルゞュラック」などはほがボルドヌず同じセパヌゞュで、十本か十二本で䞀䞇円するかしないかのボルドヌワむンセットになにげなく混ざったりしおいたす。  しかし、赀ワむンに関しお「シュドり゚スト」を代衚するのはタナ皮から造られる「マディラン」ずマルベック皮から造られる「カオヌル」の二぀です。  「マディラン」はアラン・ブリュモンが造る「シャトヌ・モンテュス」で䞖界的に有名になりたした。  それに察し、今回玹介させおいただく「カオヌル」は叀くから赀ワむンの産地ずしお有名。䜿われおいるマルベック皮はボルドヌで補助品皮ずしお甚いられおおり、カオヌルでは「コヌ」あるいは「オヌセロワ」ず呌ばれおいたす。その特城は色の濃さで「黒ワむン」ず呌ばれおいたす。味わいもタンニックで濃厚ながら、くどさはなく、アフタヌの切れの良さが特城です。...

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『矎食通信』第五十䞃回「チャヌムのレゟン・デヌトル存圚理由――甘いカクテルに必須のお䟛――」

『矎食通信』第五十䞃回「チャヌムのレゟン・デヌトル存圚理由――甘いカクテルに必須のお䟛――」

 カクテルバヌなどに出かけるずチャヌゞ垭料が付くこずがありたす。レストランであればサヌノィス料が発生するのを䞀埋定額にしおいるのです。たあ、それに問題はないず思うのですが、䜕か申し蚳ないず思うのか、チャヌムずしおちょっずした食べ物が出されるこずがありたす。カりンタヌでカクテルなりりむスキヌなり䞀、二杯飲んで垰るのに別に必芁はないず思うのですが。  居酒屋でお通しが出るのずはちょっず違いたす。こちらはこれから䜕時間も飲み食いするにもかかわらず、店の圢態からサヌノィス料を取る蚳にもいかないでしょうし、それこそ垭料ずしおお通しを必須ずするのは臎し方ない、ず。その分、お通しに力の入っおいる店は䟮れないず、『孀独のグルメ』や『二軒目どうするツマミのハナシ』ずいったテレビ東京のグルメ番組を芋おいるず䞻匵されおいるものです。  筆者は倉にモノに眮き換えず、サヌノィス料を取った方がすっきりするず思っおいたす。䟋えば、ミネラルりォヌタヌをチャヌム代わりにしお炎䞊した人気料理人がいたした。実は筆者も良く知る人物なのですが。筆者の考えでは、氎はフレンチのようにミネラルりォヌタヌは有料、「キャラフ・ド・ロヌ」ず呌ばれる浄氎された氎道氎は無料にし、サヌノィス料を15にするずかすれば良かったのです。サヌノィス料は10が盞堎なのですが、別に決たっおいるわけでななく、料亭など2030取っおいるずころはざらですので。  それより「チャヌム」はサヌノィスで無料にしたらよろしかろう、ず。そうすれば、出さなくおも良いのですから。出されおもあくたでサヌノィスですので、出された方も手を぀けなくずも構わない。お金が発生しおいるず䜕ずなく食さないず損した気分になるのは、筆者が貧乏性だからでしょうか。  しかし、そんな無料の「チャヌム」にもれっきずした存圚理由レゟン・デヌトルがあるこずに気づかされたのですちなみに、フランス語「レゟン・デヌトル」がカタカナ読みで日本語に定着したのは戊埌しばらくの間流行した実存䞻矩の代衚者サルトルの圱響です。  筆者お気に入りのバヌの䞀぀にホテル「ハむアットリヌゞェンシヌ暪浜」䞀階の「ザ・ナニオンバヌラりンゞ」がありたす。ホテルそのものも気に入っおいお、先日宿泊したのですが、元町でディナヌした埌、ディゞェスティフ食埌酒をホテルで飲もうず郚屋に戻る前に「ザ・ナニオン」に立ち寄りたした。  い぀もは友人たちず「スカンディダ」や䞭華街でランチした埌、ティヌタむムにお酒が飲めるのでよく立ち寄るのですがさすがに混んでいお、入れないこずもしばしば。  入れおも゜ファヌ垭のラりンゞは予玄で䞀杯で、バヌカりンタヌ呚蟺の怅子が空いおいればラッキヌずいった具合。若いバヌテンダヌ諞氏は「こんな感じで䜕かお任せ」ずオヌダヌしおも芋事に察応しおくれ、友人たちにも奜評です。  宿泊しお気づいたのですが、閉店近くの「ザ・ナニオン」は宿泊者くらいしか䜿いたせんので空いおいるのです。昚幎宿泊した際は、アペリティフを「ザ・ナニオン」で、ディゞェスティフは「ホテルニュヌグランド」䞀階の「シヌガヌディアンⅡ」に出かけおしたいたしたので気づきたせんでした。  するず、スタッフに「カりンタヌになさいたすか、ラりンゞになさいたすか」ず聞かれたのです。良い機䌚なので「ラりンゞ」でずお願いするず゜ファヌ垭に通されたした。さお、䜕を飲もうかず。筆者は店の名前の付いたカクテル「ザ・ナニオン」を、連れはこのバヌ埗意の「゚スプレッ゜マティヌニ」を蚻文したした。  カクテルが運ばれおくるず「チャヌム」ですず小さな升に入った柿の皮颚のお぀たみが付いおきたのです。今たで酒はバヌコヌナヌでしか飲んだこずがなかったのですが、「チャヌム」は぀いおきたせんでした。チェックアりトの際、領収曞を確認したしたが、「ザ・ナニオン」の䜿甚にチャヌゞは぀いおおらず、い぀もず同じ䟡栌でした。぀たり、「チャヌム」はサヌノィスだったのです。  さお、この柿の皮颚のお぀たみ。お排萜なカクテルずは䜕ずなくミスマッチのように思われたした。おかきの色が明らかに濃く、垂販の柿の皮ではないのは明癜。食しおみるず味は濃く、しかも蟛い。この原皿を曞くのに調べおみるずその正䜓が分かりたした。「暪濱ビア柿」ずいうビヌル甚に開発された蟛口、濃口のオリゞナル柿の皮でした。さすが「暪浜」繋がり。  で、「これっおいらなくない」ず思い぀぀、カクテルを飲んでいるず、このカクテルが甘いのです。最初は矎味しいず思ったのですが、埐々に甘さが効いおきお、ちょっずくどいかなあ、ず。そこで、もしかしおず思い、柿の皮を食しおその䜙韻を残しながら、カクテルを飲むず䜕ずも新鮮ずいうか、矎味しい。蟛さが甘さを䞭和しお、カクテルの旚味を匕き立おおくれおいるではありたせんか。  ゚スプレッ゜マティヌニもい぀もより甘口だったようで、連れも同じ感想を述べおいたした。そこで、柿の皮を぀たみ぀぀カクテルを飲むず、飲み切れないず思われた「ザ・ナニオン」を難なく矎味しく飲み干しおしたったのです。  このチャヌム暪濱ビア柿なくしおは、せっかくのカクテルも手持ち無沙汰になっおしたったこずでしょう。  チャヌムっお玠晎らしい。その存圚意矩を実感した貎重な倜でした。  䜙談になりたすが、翌日、静岡垂に向かい、昌に駅南の「満嬉倚たきた」で倧孊の同玚生を亀えお鰻を食したした。い぀も出かける枅氎の「芳川」が倏䌑みだったので。初めお䌺う店で、筆者の亡き母の実家の菩提寺、「鯖倧垫」ずしお有名な臚枈宗の「厇犏寺」の近くにこんな玠敵な老舗の鰻屋があるずは知りたせんでした。  二階の個宀を䜿わせおいただきたした。日本酒を頌むず適切なワむングラスに泚がれお出おきおビックリ。さらにお酒を蚻文された方にはず、小さな鰻巻、シラスの倧根おろし添え、枝豆が「先付」颚に出おきたではありたせんか。  昚晩の「ザ・ナニオン」でのチャヌムが思い浮かびたした。ここでもたた玠敵な「チャヌム」に遭遇するずは。  そしお、この日のディナヌを予玄しおあった「カワサキ」のお任せコヌスのフレンチでも河厎シェフが自らしずめたゞビ゚を䜿った「アミュヌズ」が最初に出おくるのが予想されたす。  やはり、「神は现郚に宿る」ミヌスファンデアロヌ゚のでしょう。 今月のお薊めワむン 「赀ワむンを冷やしお飲む――ボゞョレの莅沢な楜しみ方――」 「ボゞョレ・ノィラヌゞュ・ルヌゞュ 『ワむルド・゜りル』 2023幎」 ゞュリアン・スニ゚ 4290円皎蟌  今回はブルゎヌニュの回。倏ですし癜ワむンかずも思いたしたが、やはりここは赀ワむンで。ブルゎヌニュの赀ワむンず蚀えばピノ・ノワヌルかず思いきや、それだけではありたせん。 アペラシオンずしおのブルゎヌニュは南北に長く、北は飛び地のペンヌ県では補助品皮ながらセザヌル皮が䜿甚可胜です。たた、南端は「ボゞョレ」でこちらはガメ皮100で造られおいたす。䞀぀北に䞊がっお、癜ワむンの産地ずしお有名な「マコン」で造られる赀ワむンもガメ皮で造られおいたす。 埓っお、ピノ・ノワヌルの䞻芁な産地はコヌト・ドヌルずシャロネヌズずいうこずになり、近幎、ペンヌ県で造られるピノ・ノワヌルACブルゎヌニュずACむランシヌが䞀目眮かれるようになっおいたす。 たた、ACブルゎヌニュを名乗るにはピノ・ノワヌルが䞻である必芁がありたすが、2011幎に導入されたACコトヌ・ブルギニョンはそれに該圓したせん。自由な割合の混醞が可胜です。そこで、ボゞョレで栜培されおいるピノ・ノワヌル100で造られたワむンがコトヌ・ブルギニョンで販売されおいたりしたす。 日本人にずっお、ボゞョレは毎幎ヌヌノォが話題になりたすのでお銎染みです。 しかし、ワむン愛奜家にずっおボゞョレが重芁なのは自然掟ワむンの父ず呌ばれるゞュヌル・ショノェがボゞョレの造り手であり、マルセル・ラピ゚ヌル、フィリップ・パカレなど自然掟の巚匠の倚くがボゞョレ出身ずいうこずです。  今回ご玹介するゞュリアン・スニ゚もビオワむンの実践者ですが、垫はシャンボヌル・ミュゞニのクリストフ・ルヌミ゚でした。䞖界䞭で醞造の仕事をしおきたスニ゚が自身のワむン造りに遞んだのがボゞョレで、2008幎に初ノィンテヌゞを䞖に問うた新しいドメヌヌです。...

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『矎食通信』 第五十六回 「レモン味のどら焌き――䞡囜『ずし田』――」

『矎食通信』 第五十六回 「レモン味のどら焌き――䞡囜『ずし田』――」

 筆者は毎週金曜日に䞡囜にある専門孊校に教えに出かけおいたす。道を挟んで真向かいに「ずし田」ずいう倧正十幎ずいうから䞀九二䞀幎創業の老舗の和菓子屋がありたす。  筆者がリヌファヌワむン協䌚で䞀緒に理事を務めおいたK氏の奥様の実家がこの「ずし田」で、䌚合の時など茶菓子やお土産にずよく「ずし田」の菓子を差し入れしお䞋さっおいたす。぀い先日も゚チケット剥しのリニュヌアルの打ち合わせでお目にかかった際に、梅味のどら焌きをいただきたした。これがなかなか矎味でどら焌きの逡に酞味が加わっおも結構いけるずいうこずに気づいた次第です。  倕食の埌に必ずデザヌトを食する習慣のある筆者は毎週の献立で菓子の遞択をしなくおはなりたせん。以前は垰宅の途䞭でコンビニに寄っお買っおいたりしたのですが、最近は加霢のせいもあっおか、講矩が終わるずグッタリしおしたい、コンビニに寄る元気もなく拙宅に盎垰するのが粟䞀杯になっおしたいたした。  そこで週に䞀回、近くのスヌパヌに買い物に出かける際、䞀週間分のデザヌトを賌入するようにしおいたす。毎回の食事もそうですが、デザヌトも日持ちするものをいく぀か買わねばならず、賞味期限を配慮しながら食べたいものを遞んでいくのですが、これがなかなか倧倉です。  筆者の堎合、どうしおも掋菓子が䞭心になっおしたいたす。するず、週の埌半は生クリヌムなどを䜿った菓子は日持ちがしたせんので、どうしおもれリヌなどの賞味期限が長い菓子になりがちです。  連日れリヌも飜きおしたいたすので、このようなずき、和菓子に目が行きたす。饅頭や団子は賞味期限が短いので駄目ですが、そんな䞭、真空パックになっおいるどら焌きは結構日持ちがするので候補に挙がるこずが倚々ありたす。  筆者が買い物に出かけるスヌパヌは自瀟補品のどら焌きの他に新宿「䞭村屋」やあず䞀瀟くらい垞時䞉瀟くらいのどら焌きを眮いおいたす。どの䌚瀟も二皮類くらいはノァリ゚ヌションがあり、逡の味の違いだけでなく、定番のどら焌きの他に「極」ずいった原材料にこだわった高玚品が䞊んだりしおいたす。  梅味のどら焌きをいただいおから間もなく、マヌマレヌド味の逡のどら焌きが件のスヌパヌで売られおいお、早速賌入しお食しおみたした。これがたた矎味でした。筆者自身がマヌマレヌド奜きなのず、逡の䞭に刻たれたオレンゞピヌルが緎りこんであり、あの独特の苊みがなんずも乙なのです。  子䟛の頃苊手だった食べ物が倧人になるず奜きになるこずがありたす。その倚くは「苊味」が原因だったのではないでしょうか。䟋えば、「セロリ」。 筆者は小孊校四幎生たで長野県の䞊諏蚪で過ごしたしたので、絊食に出るサラダに必ずセロリが入っおいたものです。入孊圓初、セロリの入ったサラダが苊手で気持ちが悪くなるこずがありたした。そのうち、慣れたのですが奜きずいうほどはありたせんでした。それがい぀の頃からか、セロリが奜きになり、亡き母の䜜るセロリのマリネが奜きでよく䜜っおもらったものです。隠し味に茪切りにスラむスされたむカの燻補を䞀緒にマリネするのですが、安䞊がりの魚介のマリネ颚味ずいったずころが家庭料理っぜくお奜きでした。 たた、圓時の絊食はご飯など皆無で、せいぜい途䞭から「゜フトメン」なるビニヌル袋の匂いがプンプンする袋麵が時折出るくらいで、コッペパンが毎日出るのでした。神戞に転校しおからの小孊校二幎間は食パン二枚が毎回で䟋倖が䞀床もありたせんでした。ですので、毎回、䞀回分のマヌガリンやらいちごゞャムやらが付いおいたした。その䞭にマヌマレヌドもあったのですが、やはり子䟛にはちょっず苊手な味わいだったのを芚えおいたす。 しかし、それもい぀の間にか、「オランゞェット」ずいうオレンゞピヌルをチョコレヌトでコヌティングした菓子が倧奜物になるのですから、味芚の奜みの倉化ずいうのは䞍思議なものです。 さお、筆者は幎に二回、孊期終わりに「ずし田」の菓子を教職員に差し入れしおいたす。半期ごずに孊科が倉わるので、それぞれ孊科の郚屋に持参し、あず、講垫控宀で䞀緒の非垞勀の先生方に䞀個ず぀。 ちょうど差し入れする前の週、講垫控宀で女性の先生ず話をしおいるず、「ずし田」のレモン味のどら焌きが奜物であるずおっしゃるではありたせんか。「え、レモン味もあるのか、知らなかった」ず筆者の心の声。先生はなかなかのグルメで、「今日は垰りに埡埒町に寄っお『うさぎや』のどら焌きを買うんだ」ずか、お昌に毎回、違った゚スニック料理を持参されるなど、食の話に事欠きたせん。しかも、ご実家の䞉重県に茶畑をお持ちで、ご自身で育おられ、焙煎された日本茶をいただいたこずもありたす。 そんな先生が矎味しいずおっしゃるんだったらこれは間違いない、ず講垫控宀の先生方にはレモン味のどら焌きを差し入れするこずにしたした。 「ずし田」のどら焌きにはサむズの違うものが䜕皮類かあり、レモン味は梅味ず同じ小ぶりの「盞撲猫」ず呌ばれるちょっずコミカルなキャラクタヌの焌き印が抌されたシリヌズの䞀぀。 先生方に差し䞊げるず、ずりわけ先生は倧倉喜ばれお、その堎でペロリず食べおしたわれたした。そしお、「なぜ、このどら焌きはこんな圢なのか、ご存じ」、ず。確かに、「盞撲猫」のどら焌きは䞞い皮二枚で逡を挟んでいるのではなく、長现い楕円圢の皮䞀枚を折りたたむ圢で逡を包んでいたす。 H先生曰く、「逡が普通のものより若干柔らかめなので、食べおいる反察偎から逡がはみ出ないよう、詊行錯誀があったようですわ」ずさすが博識でいらっしゃる。これたた、初めお聞く話で感心しおしたいたした。さお、肝心の味の方はずいえば、䞀口頬匵るず、レモンの銙りが埮かに挂い、倏向きの爜やかな味わい。レモンピヌルがやはり刻んで逡に緎り蟌たれおいお、これたた苊みがなんずもいえない颚情を醞し出しおいたす。 甘さは控えめ。どこか玠朎な味わいなのに、「レモン」ずいうのが劙に掋颚でミスマッチな感じがしお、「いず可笑し」。たるで、「盞撲猫」のよう。 いや、それにずどたらず、そういえば、梶井基次郎に「檞檬」っお短線があったなあ、ず。 H先生、恐るべし。「レモン味」がこれほどたでに想像力の翌を広げさせるずは。 しなやかな思考の持ち䞻で、どこか䞍思議な雰囲気のH先生は、たさに矎食家の䞀人ず筆者は確信するのでした。 今月のお薊めワむン 「矎しい桜色のスプマンテで倏を楜しむ――ピ゚モンテの皀少皮ペラノェルガ――」 「ペラノェルガ スパヌクリング 『ノィタ゚』 ブリュット NV ノィヌノ・スプマンテ・ディ・カリタ」 ゚ミディオ・マ゚ロ 5082円皎蟌  今幎はずにかく暑い。梅雚が明ける前から真倏日が続き、季節感が感じられないのが残念です。こんな時はやっぱりスパヌクリングワむンが飲みたくなるもの。今回はむタリアワむンの回ですので、むタリアのスパヌクリングワむン「スプマンテ」をご玹介したしょう。  むタリアのスパヌクリングワむンず蚀えば、䜕が思い浮かばれたすか。  高玚感からすれば、ロンバルディア州の「フランチャコルタ」が挙げられるでしょう。  䜕ずいっおも、フランスのシャンパヌニュず同じ葡萄品皮を甚い、しかも瓶内二次発酵のシャンパヌニュ方匏で造られおいるのですから、たさしくむタリアのシャンパヌニュ。もちろん、お倀段もシャンパヌニュず同様にお高くなっおおりたす。  それに察し、䞖界で䞀番飲たれおいるず蚀われおいるのがノェネト州の「プロセッコ」です。これはプロセッコ皮から造られおおり、タンクの䞭で二次発酵される「シャルマ方匏」で造られおいたす。  さらに、昔日本で流行ったのがピ゚モンテ州の「アスティ」でした。モスカヌト・ビアンコ皮から造られる甘口のアルコヌル床数䜎めのスプマンテです。やはり、「シャルマ方匏」で造られおいたす。癜ワむンもドむツの「マドンナ」など甘口ワむンがテレビで宣䌝されおいた時代がありたした。...

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『矎食通信』 第五十五回 「誕生幎のワむンを開ける――ワむン愛奜家の密かな楜しみ――」

『矎食通信』 第五十五回 「誕生幎のワむンを開ける――ワむン愛奜家の密かな楜しみ――」

 この五月、久しぶりに誕生幎のワむンを開ける機䌚を埗たした。若い友人が䞉十歳になったので、それたでも毎幎お祝いの䌚食を筆者お気に入りのフレンチで行っおいたのですが、ここはシェフにお願いしお、自分が探し求めたバヌスデヌむダヌのワむンを持ち蟌たせおいただくこずにしたした。  そういった思いになったのはもちろん、もう䞃、八幎の付き合いになる友人の䞉十歳ずいう節目ずいうこずもあったのですが、筆者がFacebookで「゚チケットは語る」ずいう過去に飲んだワむンの゚チケットずそのコメントを玹介する掻動をほが毎日曎新しおいるこずが倧きな理由の䞀぀です。ちなみに、その゚チケットはむンスタグラムでも同時に公開しおいたす。  珟圚、筆者が「゚チケットは語る」で玹介しおいるのは䞀九九八幎に飲んだワむンです。䞀九九䞃幎から始めお二幎目に入っおいる状態です。 ゚チケット剥しが日本人の手によっお発明されたのが䞀九九䞉幎。圓初、「ノァンテックス」ずいう商品名でした。筆者がワむンず真剣に向き合おうず思ったのが䞀九九四幎。初めおパリに出かけた幎です。そのきっかけを䞎えおくれたのが赀坂アヌクヒルズにあった「ル・マ゚ストロ・ポヌル・ボキュヌズ・トキオ」を初めお蚪れた際飲んだシャトヌ・ムヌトンロヌトシルト1984幎でした。ご存じのように「五倧シャトヌ」ず呌ばれるボルドヌワむンの最高峰の䞀぀です。 ただし、1984幎ずいうのは1980幎代で最も出来の悪いノィンテヌゞでずりわけメルロの出来が良くなかったず蚀われおいたす。ですので、圓時カベルネ・゜ヌノィニペンを䞭心に四皮類の葡萄を甚いおワむンを造っおいたムヌトンがこの1984幎は゜ヌノィニペン100でワむン造りしたず噂が立った、いわく぀きのノィンテヌゞでもあったのです。 実際、飲んでみおその出来に感嘆し、取り組むならボルドヌワむンにしようず決めたのでした。そしお、ワむンリストの玠晎らしい「ル・マ゚ストロ」に通うこずも。そんな垰り際、゜ムリ゚氏からノァンテックスで剥した゚チケットをいただいたのです。これからワむンを勉匷するのにこんな䟿利なアむテムはないずすぐさた゜ムリ゚氏に買い求め方をお聞きし、飲んだワむンのコメントを必ず裏のコメント欄に曞くようにしたした。 ちなみに「ノァンテックス」を最初に採甚したレストランが「ポヌル・ボキュヌズ」でした。リペン郊倖の本店はもずより䞖界䞭で展開しおいた系列店で自身のサむンが印刷された゚チケット剥しを甚いたのです。SNSはもずよりデゞカメさえない時代、良き思い出を残すアむテムずしお重宝がられたのです。 そしお、䞀九九六幎の幎末に「これから毎日最䜎䞀本はワむンを飲むようにする」ず筆者はそのハヌドルをさらに䞊げたのでした。 ずころで、この時期の゚チケットにはバヌスデヌむダヌのワむンを開けたものがよく登堎するのです。 通垞、フランス料理店でバヌスデヌを祝う際のオプションはデセヌルにお祝いのメッセヌゞをチョコレヌトで曞いおもらうずいうものです。それに察し、バヌスデヌを迎える方のバヌスデヌむダヌのワむンを開けるずいうのはハヌドルは高いもののその分喜んでいただけるのも確かです。 ただ、よほどワむン揃いの良いレストランでなければ、なかなか誕生幎のワむンは眮いおありたせん。なければ、゜ムリ゚氏に頌んで甚意しおもらうこずも可胜かず思いたすがその予算たるやデセヌルのオプションの比ではありたせん。 そこで畢竟、自分で買い求めおレストランに持ち蟌たせおいただくずいうのが埗策かず思われたす。しかし、それにはレストランずの良奜な関係性が事前に構築されおいなくおはならないず筆者は考えたす。もちろん䞀芋さんでも、無䞋に断るレストランもないかず思いたすがあたり感心したこずではありたせん。 圓時、筆者が事ある毎にバヌスデヌむダヌのワむンを開けるこずが出来たのは䞻に二぀の理由が考えられたす。 たず第䞀に東急枋谷文化村にあった「カフェ・レ・ドゥ・マゎ」にワむンを無料で持ち蟌めたからです。圓初、ドゥ・マゎは東急の盎営で働いおおられる方は東急の瀟員。しかも䞀流のレストランでの実瞟がある方ばかりでした。そしお、顧客ず認められればワむンの持ち蟌み料は無料ずいう暗黙の了解があったのです。圓時、筆者は枋谷にあった画廊「ミラヌゞュ」ずのお付き合いなど枋谷に出る機䌚も倚く、ドゥ・マゎを掻甚させおいただきたした。ですので、筆者もその顧客の末垭に加えおいただけたのでした。 次にこれがおそらく䞀番の芁因かず思われたすが、圓時筆者は䞉十歳埌半で、バヌスデヌむダヌを祝う方たちがか぀おの教え子が倧倚数。ちょうど䞉十歳たでの方たちが倧半だったからです。぀たり、䞀九九〇幎埌半の出来事でしたので、察象者は䞀九䞃〇幎代前半の方たちになりたす。 圓時、二十幎を過ぎたワむンは「叀酒」の扱いになっおいたした。問題は䞀九䞃〇幎前埌、ボルドヌワむンはノィンテヌゞの悪い幎が倚く、䞀九䞃〇幎、䞀九䞃五幎くらいしか良いノィンテヌゞがなかったのです。ただ、ただ圚庫が存圚したこず。さらに圓時はノィンテヌゞの悪いワむンは栌安だったので財垃に倧きなダメヌゞはなかったのは幞いでした。 ただ、䜕せSNSなどない時代でしたのでどこに行けば「叀酒」が買えるのかが分かりたせん。その指針はやはり本にありたした。故山本博先生の『わいわいワむン』柎田曞店、1995幎に叀酒に぀いおの解説があり、賌入先ずしお、虎ノ門の「ノァン・シュヌル・ノァン」ず六本朚の「海倖酒販」の名が挙げられおいたす。前者は「パリのピヌタヌ・ツヌストラップのコレクション」、埌者は「サザビヌズやクリスティヌズのオヌクション物」ず内容の衚蚘も蚘されおいたす。 䞡者ずも珟圚も健圚なのは嬉しい限り。ノァン・シュヌル・ノァンはワむンショップで、海倖酒販は叀酒専門のむンポヌタヌです。海倖酒販は六本朚の某ビルのある階に䌚瀟があり、事前にカタログを送っおもらい、圚庫を確認し、入荷したら、六本朚たで出向き、代金ず匕き換えにワむンを取りに出かけなければならなかったのをよく芚えおいたす。 それでも、そうしお足で皌いだバヌスデヌむダヌのワむンをドゥ・マゎで開けるのはワむン愛奜家冥利に尜きるずいえる行為かず。 この五月の1995幎ノィンテヌゞのワむンはさすがにネットで賌入したしたが、ボルドヌではなくブルゎヌニュを探したしたので結構苊劎したした。 それでも、クリスチャン・コンフュロンのシャンボヌルミュゞニ プルミ゚クリュ「レ・フスロット」は実に芋事な出来で、状態も良く、探した甲斐がありたした。 皆さたも、倧切な方のバヌスデヌに誕生幎のワむンを開ける至犏のひず時を是非䜓隓されたすこずを 今月のお薊めワむン 「ロヌヌの赀ワむンを楜しむ――やっぱりシラヌが決め手――」 「クロヌズ・゚ルミタヌゞュ ルヌゞュ 2020幎 ACクロヌズ・゚ルミタヌゞュ」 E・ギガル 4180円皎蟌  『矎食通信』のワむン玹介ではフランスワむンに関しおはボルドヌずブルゎヌニュの赀ワむンを䞭心に取り䞊げおいたす。これは筆者がこの二぀の地域を赀ワむン党䜓の二倧産地ず考えおいるからです。 しかし、フランスにはもう䞀぀重芁な赀ワむンの産地がありたす。それがロヌヌのワむンです。生産量の80以䞊が赀ワむンずいうロヌヌ地方。ただし、ブルゎヌニュの南にあたるロヌヌもたた南北に長く、ロヌヌ川の䞊流ず䞋流では葡萄品皮などそのワむンに違いがあり、奜みは分かれるず蚀っおよいでしょう。 南郚はプロノァンスに通じ、地䞭海ぞず流れ蟌みたすので南仏のワむンず共通の葡萄品皮、グルナッシュ、カリニャン、ムヌルノェヌドルなどが甚いられたす。その代衚がシャトヌ・ヌフ・デュ・パヌプで最高十䞉皮類の葡萄品皮を䜿甚するこずが出来たす。 それに察し、ブルゎヌニュに近い北郚はシラヌが重芁な品皮ずなりたす。ロヌヌ党䜓でシラヌは甚いられおいたすが、北郚でシラヌのみで造られる「コヌト・ロティ」や「゚ルミタヌゞュ」が䟡栌的にもロヌヌ最高峰の赀ワむンず蚀えたしょう。 ただし、ロヌヌの赀ワむンの特城ずしお葡萄品皮が濃厚か぀個性的であるためか、癜葡萄を加えるこずが蚱されおいるこずです。䟋えば、「コヌト・ロティ」の堎合、シラヌにロヌヌの癜葡萄品皮の最高峰ノィオニ゚を20たで加えるこずが蚱されおいたす。...

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