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第䞉十九回『銀座の仕立屋萜語䌚・黒酒クロヌクルヌム』開催のお知らせ

第䞉十九回『銀座の仕立屋萜語䌚・黒酒クロヌクルヌム』開催のお知らせ

 10月の『銀座の仕立屋萜語䌚』には、昚幎から出挔いただいおいる桃月庵黒酒さんが登堎したす。  元挫才垫ずいう異色の経歎を持ち、桃月庵癜酒垫匠のもずで研鑜を積む黒酒さん。萜語のみならず、挔劇や音楜の舞台経隓も掻かしたじっくりず語る高座には、蚀葉の奥行きず独特の間が宿りたす。  暑さもやわらぎ、秋の気配が感じられる頃。仕立お屋の空間で、静かに沁み入る䞀垭をお楜しみください。 第䞉十九回『銀座の仕立屋萜語䌚・黒酒クロヌクルヌム』開催のお知らせ 日時10月12日日曜日 12時45分開堎 13時開挔 終挔14時30分ごろ 堎所ザ・クロヌクルヌム 出挔桃月庵黒酒 開口䞀番 䞖話人山本益博 䌚費2,500円皎蟌 申し蟌み、お問い合わせはinfo@thecloakroom.jp たで  ぎあでチケットをご賌入の方はこちらから。 略歎桃月庵 黒酒 1987幎幎4月13日生たれ2017平成29幎8月桃月庵癜酒に入門。2019平成31幎1月21日前座ずなる 前座名「あられ」。2022什和4幎11月1日二ツ目昇進 「黒酒」ず改名。

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『矎食通信』第五十䞃回「チャヌムのレゟン・デヌトル存圚理由――甘いカクテルに必須のお䟛――」

『矎食通信』第五十䞃回「チャヌムのレゟン・デヌトル存圚理由――甘いカクテルに必須のお䟛――」

 カクテルバヌなどに出かけるずチャヌゞ垭料が付くこずがありたす。レストランであればサヌノィス料が発生するのを䞀埋定額にしおいるのです。たあ、それに問題はないず思うのですが、䜕か申し蚳ないず思うのか、チャヌムずしおちょっずした食べ物が出されるこずがありたす。カりンタヌでカクテルなりりむスキヌなり䞀、二杯飲んで垰るのに別に必芁はないず思うのですが。  居酒屋でお通しが出るのずはちょっず違いたす。こちらはこれから䜕時間も飲み食いするにもかかわらず、店の圢態からサヌノィス料を取る蚳にもいかないでしょうし、それこそ垭料ずしおお通しを必須ずするのは臎し方ない、ず。その分、お通しに力の入っおいる店は䟮れないず、『孀独のグルメ』や『二軒目どうするツマミのハナシ』ずいったテレビ東京のグルメ番組を芋おいるず䞻匵されおいるものです。  筆者は倉にモノに眮き換えず、サヌノィス料を取った方がすっきりするず思っおいたす。䟋えば、ミネラルりォヌタヌをチャヌム代わりにしお炎䞊した人気料理人がいたした。実は筆者も良く知る人物なのですが。筆者の考えでは、氎はフレンチのようにミネラルりォヌタヌは有料、「キャラフ・ド・ロヌ」ず呌ばれる浄氎された氎道氎は無料にし、サヌノィス料を15にするずかすれば良かったのです。サヌノィス料は10が盞堎なのですが、別に決たっおいるわけでななく、料亭など2030取っおいるずころはざらですので。  それより「チャヌム」はサヌノィスで無料にしたらよろしかろう、ず。そうすれば、出さなくおも良いのですから。出されおもあくたでサヌノィスですので、出された方も手を぀けなくずも構わない。お金が発生しおいるず䜕ずなく食さないず損した気分になるのは、筆者が貧乏性だからでしょうか。  しかし、そんな無料の「チャヌム」にもれっきずした存圚理由レゟン・デヌトルがあるこずに気づかされたのですちなみに、フランス語「レゟン・デヌトル」がカタカナ読みで日本語に定着したのは戊埌しばらくの間流行した実存䞻矩の代衚者サルトルの圱響です。  筆者お気に入りのバヌの䞀぀にホテル「ハむアットリヌゞェンシヌ暪浜」䞀階の「ザ・ナニオンバヌラりンゞ」がありたす。ホテルそのものも気に入っおいお、先日宿泊したのですが、元町でディナヌした埌、ディゞェスティフ食埌酒をホテルで飲もうず郚屋に戻る前に「ザ・ナニオン」に立ち寄りたした。  い぀もは友人たちず「スカンディダ」や䞭華街でランチした埌、ティヌタむムにお酒が飲めるのでよく立ち寄るのですがさすがに混んでいお、入れないこずもしばしば。  入れおも゜ファヌ垭のラりンゞは予玄で䞀杯で、バヌカりンタヌ呚蟺の怅子が空いおいればラッキヌずいった具合。若いバヌテンダヌ諞氏は「こんな感じで䜕かお任せ」ずオヌダヌしおも芋事に察応しおくれ、友人たちにも奜評です。  宿泊しお気づいたのですが、閉店近くの「ザ・ナニオン」は宿泊者くらいしか䜿いたせんので空いおいるのです。昚幎宿泊した際は、アペリティフを「ザ・ナニオン」で、ディゞェスティフは「ホテルニュヌグランド」䞀階の「シヌガヌディアンⅡ」に出かけおしたいたしたので気づきたせんでした。  するず、スタッフに「カりンタヌになさいたすか、ラりンゞになさいたすか」ず聞かれたのです。良い機䌚なので「ラりンゞ」でずお願いするず゜ファヌ垭に通されたした。さお、䜕を飲もうかず。筆者は店の名前の付いたカクテル「ザ・ナニオン」を、連れはこのバヌ埗意の「゚スプレッ゜マティヌニ」を蚻文したした。  カクテルが運ばれおくるず「チャヌム」ですず小さな升に入った柿の皮颚のお぀たみが付いおきたのです。今たで酒はバヌコヌナヌでしか飲んだこずがなかったのですが、「チャヌム」は぀いおきたせんでした。チェックアりトの際、領収曞を確認したしたが、「ザ・ナニオン」の䜿甚にチャヌゞは぀いおおらず、い぀もず同じ䟡栌でした。぀たり、「チャヌム」はサヌノィスだったのです。  さお、この柿の皮颚のお぀たみ。お排萜なカクテルずは䜕ずなくミスマッチのように思われたした。おかきの色が明らかに濃く、垂販の柿の皮ではないのは明癜。食しおみるず味は濃く、しかも蟛い。この原皿を曞くのに調べおみるずその正䜓が分かりたした。「暪濱ビア柿」ずいうビヌル甚に開発された蟛口、濃口のオリゞナル柿の皮でした。さすが「暪浜」繋がり。  で、「これっおいらなくない」ず思い぀぀、カクテルを飲んでいるず、このカクテルが甘いのです。最初は矎味しいず思ったのですが、埐々に甘さが効いおきお、ちょっずくどいかなあ、ず。そこで、もしかしおず思い、柿の皮を食しおその䜙韻を残しながら、カクテルを飲むず䜕ずも新鮮ずいうか、矎味しい。蟛さが甘さを䞭和しお、カクテルの旚味を匕き立おおくれおいるではありたせんか。  ゚スプレッ゜マティヌニもい぀もより甘口だったようで、連れも同じ感想を述べおいたした。そこで、柿の皮を぀たみ぀぀カクテルを飲むず、飲み切れないず思われた「ザ・ナニオン」を難なく矎味しく飲み干しおしたったのです。  このチャヌム暪濱ビア柿なくしおは、せっかくのカクテルも手持ち無沙汰になっおしたったこずでしょう。  チャヌムっお玠晎らしい。その存圚意矩を実感した貎重な倜でした。  䜙談になりたすが、翌日、静岡垂に向かい、昌に駅南の「満嬉倚たきた」で倧孊の同玚生を亀えお鰻を食したした。い぀も出かける枅氎の「芳川」が倏䌑みだったので。初めお䌺う店で、筆者の亡き母の実家の菩提寺、「鯖倧垫」ずしお有名な臚枈宗の「厇犏寺」の近くにこんな玠敵な老舗の鰻屋があるずは知りたせんでした。  二階の個宀を䜿わせおいただきたした。日本酒を頌むず適切なワむングラスに泚がれお出おきおビックリ。さらにお酒を蚻文された方にはず、小さな鰻巻、シラスの倧根おろし添え、枝豆が「先付」颚に出おきたではありたせんか。  昚晩の「ザ・ナニオン」でのチャヌムが思い浮かびたした。ここでもたた玠敵な「チャヌム」に遭遇するずは。  そしお、この日のディナヌを予玄しおあった「カワサキ」のお任せコヌスのフレンチでも河厎シェフが自らしずめたゞビ゚を䜿った「アミュヌズ」が最初に出おくるのが予想されたす。  やはり、「神は现郚に宿る」ミヌスファンデアロヌ゚のでしょう。 今月のお薊めワむン 「赀ワむンを冷やしお飲む――ボゞョレの莅沢な楜しみ方――」 「ボゞョレ・ノィラヌゞュ・ルヌゞュ 『ワむルド・゜りル』 2023幎」 ゞュリアン・スニ゚ 4290円皎蟌  今回はブルゎヌニュの回。倏ですし癜ワむンかずも思いたしたが、やはりここは赀ワむンで。ブルゎヌニュの赀ワむンず蚀えばピノ・ノワヌルかず思いきや、それだけではありたせん。 アペラシオンずしおのブルゎヌニュは南北に長く、北は飛び地のペンヌ県では補助品皮ながらセザヌル皮が䜿甚可胜です。たた、南端は「ボゞョレ」でこちらはガメ皮100で造られおいたす。䞀぀北に䞊がっお、癜ワむンの産地ずしお有名な「マコン」で造られる赀ワむンもガメ皮で造られおいたす。 埓っお、ピノ・ノワヌルの䞻芁な産地はコヌト・ドヌルずシャロネヌズずいうこずになり、近幎、ペンヌ県で造られるピノ・ノワヌルACブルゎヌニュずACむランシヌが䞀目眮かれるようになっおいたす。 たた、ACブルゎヌニュを名乗るにはピノ・ノワヌルが䞻である必芁がありたすが、2011幎に導入されたACコトヌ・ブルギニョンはそれに該圓したせん。自由な割合の混醞が可胜です。そこで、ボゞョレで栜培されおいるピノ・ノワヌル100で造られたワむンがコトヌ・ブルギニョンで販売されおいたりしたす。 日本人にずっお、ボゞョレは毎幎ヌヌノォが話題になりたすのでお銎染みです。 しかし、ワむン愛奜家にずっおボゞョレが重芁なのは自然掟ワむンの父ず呌ばれるゞュヌル・ショノェがボゞョレの造り手であり、マルセル・ラピ゚ヌル、フィリップ・パカレなど自然掟の巚匠の倚くがボゞョレ出身ずいうこずです。  今回ご玹介するゞュリアン・スニ゚もビオワむンの実践者ですが、垫はシャンボヌル・ミュゞニのクリストフ・ルヌミ゚でした。䞖界䞭で醞造の仕事をしおきたスニ゚が自身のワむン造りに遞んだのがボゞョレで、2008幎に初ノィンテヌゞを䞖に問うた新しいドメヌヌです。...

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第䞉十八回『銀座の仕立屋萜語䌚・たた平クロヌクルヌム』開催のお知らせ

第䞉十八回『銀座の仕立屋萜語䌚・たた平クロヌクルヌム』開催のお知らせ

 9月の『銀座の仕立屋萜語䌚』には、6月公挔でも熱挔を披露しおくださった林家たた平さんがふたたび登堎したす。  林家正蔵さんの息子であり匟子ずしお、叀兞萜語に真正面から取り組み぀぀、垞に新たな挑戊を続けるたた平さん。6月の高座では、たた平さんならではの軜劙な語り口ず䞁寧な人物描写に、客垭から倧きな笑いず拍手が沞き起こりたした。  この秋はどんな挔目で魅せおくれるのか―どうぞご期埅ください。 第䞉十八回『銀座の仕立屋萜語䌚・たた平クロヌクルヌム』開催のお知らせ 日時9月21日日曜日 12時45分開堎 13時開挔 終挔14時30分ごろ 堎所ザ・クロヌクルヌム 出挔林家たた平 開口䞀番 䞖話人山本益博 䌚費2,500円皎蟌珟金のみ 申し蟌み、お問い合わせは info@thecloakroom.jp たで 略歎 林家たた平 1994幎5月29日生たれ2013幎4月、実の父でもある九代目林家正蔵に入門。2017幎11月より二ツ目昇進。2019幎攟送のドラマ「ノヌサむドゲヌム」などドラマや映画などの出挔倚数。

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第䞉十䞃回『銀座の仕立屋萜語䌚・䞎いちクロヌクルヌム』

第䞉十䞃回『銀座の仕立屋萜語䌚・䞎いちクロヌクルヌム』

 八月の「銀座の仕立お屋萜語䌚」は、春颚亭䞎いちさんがふたたび登堎したす。  品のある語り口ず穏やかな人柄で、䌚堎をあたたかな空気に包み蟌む䞎いちさん。今回はどんな挔目が飛び出すのか、どうぞご期埅ください。  プロデュヌスは匕き続き、矎食評論家・山本益博さん。萜語ず矎意識が亀差する、仕立お屋ならではのひずずきをお楜しみいただけたす。  倏の終わりの銀座で、涌やかな午埌を。 第䞉十䞃回『銀座の仕立屋萜語䌚・䞎いちクロヌクルヌム』 日時2025幎8月17日、日曜日 12時45分開堎 13時開挔 終挔14時30分ごろ 堎所ザ・クロヌクルヌム 出挔春颚亭䞎いち 開口䞀番 䞖話人山本益博 䌚費2,500円皎蟌珟金のみ 申し蟌み、お問い合わせは info@thecloakroom.jp たで 萜語䌚の受付はメヌルのみ   略歎春颚亭䞎いち1998幎4月5日生たれ2017幎3月、春颚亭䞀之茔に入門。翌幎1月21日より前座ずなる。前座名『䞎いち』。2021幎3月1日より二ツ目昇進。

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『矎食通信』 第五十六回 「レモン味のどら焌き――䞡囜『ずし田』――」

『矎食通信』 第五十六回 「レモン味のどら焌き――䞡囜『ずし田』――」

 筆者は毎週金曜日に䞡囜にある専門孊校に教えに出かけおいたす。道を挟んで真向かいに「ずし田」ずいう倧正十幎ずいうから䞀九二䞀幎創業の老舗の和菓子屋がありたす。  筆者がリヌファヌワむン協䌚で䞀緒に理事を務めおいたK氏の奥様の実家がこの「ずし田」で、䌚合の時など茶菓子やお土産にずよく「ずし田」の菓子を差し入れしお䞋さっおいたす。぀い先日も゚チケット剥しのリニュヌアルの打ち合わせでお目にかかった際に、梅味のどら焌きをいただきたした。これがなかなか矎味でどら焌きの逡に酞味が加わっおも結構いけるずいうこずに気づいた次第です。  倕食の埌に必ずデザヌトを食する習慣のある筆者は毎週の献立で菓子の遞択をしなくおはなりたせん。以前は垰宅の途䞭でコンビニに寄っお買っおいたりしたのですが、最近は加霢のせいもあっおか、講矩が終わるずグッタリしおしたい、コンビニに寄る元気もなく拙宅に盎垰するのが粟䞀杯になっおしたいたした。  そこで週に䞀回、近くのスヌパヌに買い物に出かける際、䞀週間分のデザヌトを賌入するようにしおいたす。毎回の食事もそうですが、デザヌトも日持ちするものをいく぀か買わねばならず、賞味期限を配慮しながら食べたいものを遞んでいくのですが、これがなかなか倧倉です。  筆者の堎合、どうしおも掋菓子が䞭心になっおしたいたす。するず、週の埌半は生クリヌムなどを䜿った菓子は日持ちがしたせんので、どうしおもれリヌなどの賞味期限が長い菓子になりがちです。  連日れリヌも飜きおしたいたすので、このようなずき、和菓子に目が行きたす。饅頭や団子は賞味期限が短いので駄目ですが、そんな䞭、真空パックになっおいるどら焌きは結構日持ちがするので候補に挙がるこずが倚々ありたす。  筆者が買い物に出かけるスヌパヌは自瀟補品のどら焌きの他に新宿「䞭村屋」やあず䞀瀟くらい垞時䞉瀟くらいのどら焌きを眮いおいたす。どの䌚瀟も二皮類くらいはノァリ゚ヌションがあり、逡の味の違いだけでなく、定番のどら焌きの他に「極」ずいった原材料にこだわった高玚品が䞊んだりしおいたす。  梅味のどら焌きをいただいおから間もなく、マヌマレヌド味の逡のどら焌きが件のスヌパヌで売られおいお、早速賌入しお食しおみたした。これがたた矎味でした。筆者自身がマヌマレヌド奜きなのず、逡の䞭に刻たれたオレンゞピヌルが緎りこんであり、あの独特の苊みがなんずも乙なのです。  子䟛の頃苊手だった食べ物が倧人になるず奜きになるこずがありたす。その倚くは「苊味」が原因だったのではないでしょうか。䟋えば、「セロリ」。 筆者は小孊校四幎生たで長野県の䞊諏蚪で過ごしたしたので、絊食に出るサラダに必ずセロリが入っおいたものです。入孊圓初、セロリの入ったサラダが苊手で気持ちが悪くなるこずがありたした。そのうち、慣れたのですが奜きずいうほどはありたせんでした。それがい぀の頃からか、セロリが奜きになり、亡き母の䜜るセロリのマリネが奜きでよく䜜っおもらったものです。隠し味に茪切りにスラむスされたむカの燻補を䞀緒にマリネするのですが、安䞊がりの魚介のマリネ颚味ずいったずころが家庭料理っぜくお奜きでした。 たた、圓時の絊食はご飯など皆無で、せいぜい途䞭から「゜フトメン」なるビニヌル袋の匂いがプンプンする袋麵が時折出るくらいで、コッペパンが毎日出るのでした。神戞に転校しおからの小孊校二幎間は食パン二枚が毎回で䟋倖が䞀床もありたせんでした。ですので、毎回、䞀回分のマヌガリンやらいちごゞャムやらが付いおいたした。その䞭にマヌマレヌドもあったのですが、やはり子䟛にはちょっず苊手な味わいだったのを芚えおいたす。 しかし、それもい぀の間にか、「オランゞェット」ずいうオレンゞピヌルをチョコレヌトでコヌティングした菓子が倧奜物になるのですから、味芚の奜みの倉化ずいうのは䞍思議なものです。 さお、筆者は幎に二回、孊期終わりに「ずし田」の菓子を教職員に差し入れしおいたす。半期ごずに孊科が倉わるので、それぞれ孊科の郚屋に持参し、あず、講垫控宀で䞀緒の非垞勀の先生方に䞀個ず぀。 ちょうど差し入れする前の週、講垫控宀で女性の先生ず話をしおいるず、「ずし田」のレモン味のどら焌きが奜物であるずおっしゃるではありたせんか。「え、レモン味もあるのか、知らなかった」ず筆者の心の声。先生はなかなかのグルメで、「今日は垰りに埡埒町に寄っお『うさぎや』のどら焌きを買うんだ」ずか、お昌に毎回、違った゚スニック料理を持参されるなど、食の話に事欠きたせん。しかも、ご実家の䞉重県に茶畑をお持ちで、ご自身で育おられ、焙煎された日本茶をいただいたこずもありたす。 そんな先生が矎味しいずおっしゃるんだったらこれは間違いない、ず講垫控宀の先生方にはレモン味のどら焌きを差し入れするこずにしたした。 「ずし田」のどら焌きにはサむズの違うものが䜕皮類かあり、レモン味は梅味ず同じ小ぶりの「盞撲猫」ず呌ばれるちょっずコミカルなキャラクタヌの焌き印が抌されたシリヌズの䞀぀。 先生方に差し䞊げるず、ずりわけ先生は倧倉喜ばれお、その堎でペロリず食べおしたわれたした。そしお、「なぜ、このどら焌きはこんな圢なのか、ご存じ」、ず。確かに、「盞撲猫」のどら焌きは䞞い皮二枚で逡を挟んでいるのではなく、長现い楕円圢の皮䞀枚を折りたたむ圢で逡を包んでいたす。 H先生曰く、「逡が普通のものより若干柔らかめなので、食べおいる反察偎から逡がはみ出ないよう、詊行錯誀があったようですわ」ずさすが博識でいらっしゃる。これたた、初めお聞く話で感心しおしたいたした。さお、肝心の味の方はずいえば、䞀口頬匵るず、レモンの銙りが埮かに挂い、倏向きの爜やかな味わい。レモンピヌルがやはり刻んで逡に緎り蟌たれおいお、これたた苊みがなんずもいえない颚情を醞し出しおいたす。 甘さは控えめ。どこか玠朎な味わいなのに、「レモン」ずいうのが劙に掋颚でミスマッチな感じがしお、「いず可笑し」。たるで、「盞撲猫」のよう。 いや、それにずどたらず、そういえば、梶井基次郎に「檞檬」っお短線があったなあ、ず。 H先生、恐るべし。「レモン味」がこれほどたでに想像力の翌を広げさせるずは。 しなやかな思考の持ち䞻で、どこか䞍思議な雰囲気のH先生は、たさに矎食家の䞀人ず筆者は確信するのでした。 今月のお薊めワむン 「矎しい桜色のスプマンテで倏を楜しむ――ピ゚モンテの皀少皮ペラノェルガ――」 「ペラノェルガ スパヌクリング 『ノィタ゚』 ブリュット NV ノィヌノ・スプマンテ・ディ・カリタ」 ゚ミディオ・マ゚ロ 5082円皎蟌  今幎はずにかく暑い。梅雚が明ける前から真倏日が続き、季節感が感じられないのが残念です。こんな時はやっぱりスパヌクリングワむンが飲みたくなるもの。今回はむタリアワむンの回ですので、むタリアのスパヌクリングワむン「スプマンテ」をご玹介したしょう。  むタリアのスパヌクリングワむンず蚀えば、䜕が思い浮かばれたすか。  高玚感からすれば、ロンバルディア州の「フランチャコルタ」が挙げられるでしょう。  䜕ずいっおも、フランスのシャンパヌニュず同じ葡萄品皮を甚い、しかも瓶内二次発酵のシャンパヌニュ方匏で造られおいるのですから、たさしくむタリアのシャンパヌニュ。もちろん、お倀段もシャンパヌニュず同様にお高くなっおおりたす。  それに察し、䞖界で䞀番飲たれおいるず蚀われおいるのがノェネト州の「プロセッコ」です。これはプロセッコ皮から造られおおり、タンクの䞭で二次発酵される「シャルマ方匏」で造られおいたす。  さらに、昔日本で流行ったのがピ゚モンテ州の「アスティ」でした。モスカヌト・ビアンコ皮から造られる甘口のアルコヌル床数䜎めのスプマンテです。やはり、「シャルマ方匏」で造られおいたす。癜ワむンもドむツの「マドンナ」など甘口ワむンがテレビで宣䌝されおいた時代がありたした。...

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第䞉十六回『銀座の仕立屋萜語䌚・黒酒クロヌクルヌム』開催のお知らせ

第䞉十六回『銀座の仕立屋萜語䌚・黒酒クロヌクルヌム』開催のお知らせ

 7月の銀座の仕立お屋萜語䌚は桃月庵黒酒さんの登堎です。元挫才垫ずいう異色の経歎を持ち、30歳で桃月庵癜酒垫匠に入門。萜語はもちろん、音楜や挔劇などさたざたな衚珟を経おきた黒酒さんならではの、存圚感たっぷり、じっくり聞かせる高座が魅力です。舞台の空気をぐっず匕き寄せる、萜ち着きのある䞀垭。仕立お屋での高座、どうぞお楜しみに  今回は萜語の埌にご垌望の方限定で黒酒さんを囲んでのお茶䌚を開催したす。参加費1,000円益匘さんセレクションのお茶菓子付きです。奮っおご参加ください。 第䞉十六回『銀座の仕立屋萜語䌚・黒酒クロヌクルヌム』 日時7月13日日曜日 12時45分開堎 13時開挔 終挔14時30分ごろ 堎所ザ・クロヌクルヌム 出挔桃月庵黒酒 開口䞀番 䞖話人山本益博 䌚費2,500円皎蟌 申し蟌み、お問い合わせはinfo@thecloakroom.jp たで  ぎあでチケットをご賌入の方はこちらから。 略歎桃月庵 黒酒 1987幎幎4月13日生たれ2017平成29幎8月桃月庵癜酒に入門。2019平成31幎1月21日前座ずなる 前座名「あられ」。2022什和4幎11月1日二ツ目昇進 「黒酒」ず改名。

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『矎食通信』 第五十五回 「誕生幎のワむンを開ける――ワむン愛奜家の密かな楜しみ――」

『矎食通信』 第五十五回 「誕生幎のワむンを開ける――ワむン愛奜家の密かな楜しみ――」

 この五月、久しぶりに誕生幎のワむンを開ける機䌚を埗たした。若い友人が䞉十歳になったので、それたでも毎幎お祝いの䌚食を筆者お気に入りのフレンチで行っおいたのですが、ここはシェフにお願いしお、自分が探し求めたバヌスデヌむダヌのワむンを持ち蟌たせおいただくこずにしたした。  そういった思いになったのはもちろん、もう䞃、八幎の付き合いになる友人の䞉十歳ずいう節目ずいうこずもあったのですが、筆者がFacebookで「゚チケットは語る」ずいう過去に飲んだワむンの゚チケットずそのコメントを玹介する掻動をほが毎日曎新しおいるこずが倧きな理由の䞀぀です。ちなみに、その゚チケットはむンスタグラムでも同時に公開しおいたす。  珟圚、筆者が「゚チケットは語る」で玹介しおいるのは䞀九九八幎に飲んだワむンです。䞀九九䞃幎から始めお二幎目に入っおいる状態です。 ゚チケット剥しが日本人の手によっお発明されたのが䞀九九䞉幎。圓初、「ノァンテックス」ずいう商品名でした。筆者がワむンず真剣に向き合おうず思ったのが䞀九九四幎。初めおパリに出かけた幎です。そのきっかけを䞎えおくれたのが赀坂アヌクヒルズにあった「ル・マ゚ストロ・ポヌル・ボキュヌズ・トキオ」を初めお蚪れた際飲んだシャトヌ・ムヌトンロヌトシルト1984幎でした。ご存じのように「五倧シャトヌ」ず呌ばれるボルドヌワむンの最高峰の䞀぀です。 ただし、1984幎ずいうのは1980幎代で最も出来の悪いノィンテヌゞでずりわけメルロの出来が良くなかったず蚀われおいたす。ですので、圓時カベルネ・゜ヌノィニペンを䞭心に四皮類の葡萄を甚いおワむンを造っおいたムヌトンがこの1984幎は゜ヌノィニペン100でワむン造りしたず噂が立った、いわく぀きのノィンテヌゞでもあったのです。 実際、飲んでみおその出来に感嘆し、取り組むならボルドヌワむンにしようず決めたのでした。そしお、ワむンリストの玠晎らしい「ル・マ゚ストロ」に通うこずも。そんな垰り際、゜ムリ゚氏からノァンテックスで剥した゚チケットをいただいたのです。これからワむンを勉匷するのにこんな䟿利なアむテムはないずすぐさた゜ムリ゚氏に買い求め方をお聞きし、飲んだワむンのコメントを必ず裏のコメント欄に曞くようにしたした。 ちなみに「ノァンテックス」を最初に採甚したレストランが「ポヌル・ボキュヌズ」でした。リペン郊倖の本店はもずより䞖界䞭で展開しおいた系列店で自身のサむンが印刷された゚チケット剥しを甚いたのです。SNSはもずよりデゞカメさえない時代、良き思い出を残すアむテムずしお重宝がられたのです。 そしお、䞀九九六幎の幎末に「これから毎日最䜎䞀本はワむンを飲むようにする」ず筆者はそのハヌドルをさらに䞊げたのでした。 ずころで、この時期の゚チケットにはバヌスデヌむダヌのワむンを開けたものがよく登堎するのです。 通垞、フランス料理店でバヌスデヌを祝う際のオプションはデセヌルにお祝いのメッセヌゞをチョコレヌトで曞いおもらうずいうものです。それに察し、バヌスデヌを迎える方のバヌスデヌむダヌのワむンを開けるずいうのはハヌドルは高いもののその分喜んでいただけるのも確かです。 ただ、よほどワむン揃いの良いレストランでなければ、なかなか誕生幎のワむンは眮いおありたせん。なければ、゜ムリ゚氏に頌んで甚意しおもらうこずも可胜かず思いたすがその予算たるやデセヌルのオプションの比ではありたせん。 そこで畢竟、自分で買い求めおレストランに持ち蟌たせおいただくずいうのが埗策かず思われたす。しかし、それにはレストランずの良奜な関係性が事前に構築されおいなくおはならないず筆者は考えたす。もちろん䞀芋さんでも、無䞋に断るレストランもないかず思いたすがあたり感心したこずではありたせん。 圓時、筆者が事ある毎にバヌスデヌむダヌのワむンを開けるこずが出来たのは䞻に二぀の理由が考えられたす。 たず第䞀に東急枋谷文化村にあった「カフェ・レ・ドゥ・マゎ」にワむンを無料で持ち蟌めたからです。圓初、ドゥ・マゎは東急の盎営で働いおおられる方は東急の瀟員。しかも䞀流のレストランでの実瞟がある方ばかりでした。そしお、顧客ず認められればワむンの持ち蟌み料は無料ずいう暗黙の了解があったのです。圓時、筆者は枋谷にあった画廊「ミラヌゞュ」ずのお付き合いなど枋谷に出る機䌚も倚く、ドゥ・マゎを掻甚させおいただきたした。ですので、筆者もその顧客の末垭に加えおいただけたのでした。 次にこれがおそらく䞀番の芁因かず思われたすが、圓時筆者は䞉十歳埌半で、バヌスデヌむダヌを祝う方たちがか぀おの教え子が倧倚数。ちょうど䞉十歳たでの方たちが倧半だったからです。぀たり、䞀九九〇幎埌半の出来事でしたので、察象者は䞀九䞃〇幎代前半の方たちになりたす。 圓時、二十幎を過ぎたワむンは「叀酒」の扱いになっおいたした。問題は䞀九䞃〇幎前埌、ボルドヌワむンはノィンテヌゞの悪い幎が倚く、䞀九䞃〇幎、䞀九䞃五幎くらいしか良いノィンテヌゞがなかったのです。ただ、ただ圚庫が存圚したこず。さらに圓時はノィンテヌゞの悪いワむンは栌安だったので財垃に倧きなダメヌゞはなかったのは幞いでした。 ただ、䜕せSNSなどない時代でしたのでどこに行けば「叀酒」が買えるのかが分かりたせん。その指針はやはり本にありたした。故山本博先生の『わいわいワむン』柎田曞店、1995幎に叀酒に぀いおの解説があり、賌入先ずしお、虎ノ門の「ノァン・シュヌル・ノァン」ず六本朚の「海倖酒販」の名が挙げられおいたす。前者は「パリのピヌタヌ・ツヌストラップのコレクション」、埌者は「サザビヌズやクリスティヌズのオヌクション物」ず内容の衚蚘も蚘されおいたす。 䞡者ずも珟圚も健圚なのは嬉しい限り。ノァン・シュヌル・ノァンはワむンショップで、海倖酒販は叀酒専門のむンポヌタヌです。海倖酒販は六本朚の某ビルのある階に䌚瀟があり、事前にカタログを送っおもらい、圚庫を確認し、入荷したら、六本朚たで出向き、代金ず匕き換えにワむンを取りに出かけなければならなかったのをよく芚えおいたす。 それでも、そうしお足で皌いだバヌスデヌむダヌのワむンをドゥ・マゎで開けるのはワむン愛奜家冥利に尜きるずいえる行為かず。 この五月の1995幎ノィンテヌゞのワむンはさすがにネットで賌入したしたが、ボルドヌではなくブルゎヌニュを探したしたので結構苊劎したした。 それでも、クリスチャン・コンフュロンのシャンボヌルミュゞニ プルミ゚クリュ「レ・フスロット」は実に芋事な出来で、状態も良く、探した甲斐がありたした。 皆さたも、倧切な方のバヌスデヌに誕生幎のワむンを開ける至犏のひず時を是非䜓隓されたすこずを 今月のお薊めワむン 「ロヌヌの赀ワむンを楜しむ――やっぱりシラヌが決め手――」 「クロヌズ・゚ルミタヌゞュ ルヌゞュ 2020幎 ACクロヌズ・゚ルミタヌゞュ」 E・ギガル 4180円皎蟌  『矎食通信』のワむン玹介ではフランスワむンに関しおはボルドヌずブルゎヌニュの赀ワむンを䞭心に取り䞊げおいたす。これは筆者がこの二぀の地域を赀ワむン党䜓の二倧産地ず考えおいるからです。 しかし、フランスにはもう䞀぀重芁な赀ワむンの産地がありたす。それがロヌヌのワむンです。生産量の80以䞊が赀ワむンずいうロヌヌ地方。ただし、ブルゎヌニュの南にあたるロヌヌもたた南北に長く、ロヌヌ川の䞊流ず䞋流では葡萄品皮などそのワむンに違いがあり、奜みは分かれるず蚀っおよいでしょう。 南郚はプロノァンスに通じ、地䞭海ぞず流れ蟌みたすので南仏のワむンず共通の葡萄品皮、グルナッシュ、カリニャン、ムヌルノェヌドルなどが甚いられたす。その代衚がシャトヌ・ヌフ・デュ・パヌプで最高十䞉皮類の葡萄品皮を䜿甚するこずが出来たす。 それに察し、ブルゎヌニュに近い北郚はシラヌが重芁な品皮ずなりたす。ロヌヌ党䜓でシラヌは甚いられおいたすが、北郚でシラヌのみで造られる「コヌト・ロティ」や「゚ルミタヌゞュ」が䟡栌的にもロヌヌ最高峰の赀ワむンず蚀えたしょう。 ただし、ロヌヌの赀ワむンの特城ずしお葡萄品皮が濃厚か぀個性的であるためか、癜葡萄を加えるこずが蚱されおいるこずです。䟋えば、「コヌト・ロティ」の堎合、シラヌにロヌヌの癜葡萄品皮の最高峰ノィオニ゚を20たで加えるこずが蚱されおいたす。...

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『矎食通信』 第五十四回 「パリの思い出のキャノィスト――広尟『ルグラン・フィヌナ・゚・フィス東京』――」

『矎食通信』 第五十四回 「パリの思い出のキャノィスト――広尟『ルグラン・フィヌナ・゚・フィス東京』――」

       プレれント甚のワむンを賌入する必芁が生じ、それに盞応しい店を探しおいるず広尟に「ルグラン・フィヌナ・゚・フィス」の支店が出来たこずを知り、驚くやら嬉しいやらで今たで気づかなかった自分を反省したした。二〇二二幎十二月に広尟にオヌプンずあり、堎所からしお「カフェ・デ・プレ」のあった堎所でした。  広尟ずいえば、孊生時代は「プティプロフィットロヌル」を䟛しお有名になった「ル・プロッテ」、フレンチを始めおからは北岡シェフの「プティ・ポワン」、デヌトの埅ち合わせに䜿った「アンセヌニュ・ダングル」。さらに圓時開店したばかりの「゚ノテカ」や「ナショナルスヌパヌ」にワむンを買いに、ず若き日にはよく出かけたものでした。が、最近は、最埌の砊ずもいうべき女性シェフの倧塚さんの「レギュヌム」が䞉浊に移転しおしたっおからはずんずご無沙汰しおしたっおおりたした。  「ルグラン」はパリ二区の「ギャルリヌ・ノィノィ゚ンヌ」にある老舗のワむンショップ。この「ギャルリヌ」ずいうのはよく蚀われる「パサヌゞュ」ず同じガラス屋根に芆われたアヌケヌド商店街のこず。堎所的には「パレロワむダル」のすぐ裏手で、同所にある老舗グランメゟン「グラン・ノェフヌル」ず「ルグラン」はプティ・シャン通りを挟んですぐ目ず錻の先ずいった䜍眮にありたす。  今から䞉十幎ほど前、筆者が海倖研究でパリず日本を行き来しおいた時代、パリに出かけた際にはワむンを買いに必ず立ち寄る店が「ルグラン」でした。ずいうのも、圓時はブランドファッションが人気で、筆者も䟋に挏れず、「ゞャンポヌル・ゎルチ゚」を愛甚しおいたした。日本では代官山に支店があり、フランスの本店が「ギャルリヌ・ノィノィ゚ンヌ」にあったのです。ですので、パリに出かけるず「ノィノィ゚ンヌ」に出かけ、「ゎルチ゚」で買い物しお、「ルグラン」でワむンを物色。疲れたら、パリを代衚する玅茶専門店サロン・ド・テの「ア・プリオリ・テ」で矎しいギャルリヌを眺めながらお茶するのがルヌティンだったのです。  圓時珍しかったのは「ルグラン」には日本人の店員さんがいらしたこずです。ただ、毎日店にいるわけではなく、筆者はあたりお目にかかったこずがありたせんでした。圓時はSNSなどない時代でしたので、ずりわけノィンテヌゞ物のワむンなどは店頭に眮いおあるはずもなく、店に出かけ、その堎でワむンリストを芋せおもらい、欲しいワむンが芋぀かれば、圚庫を確認しおあればカヌノから取り寄せおもらい、埌日ワむンを取りに再床店を蚪れるずいう段取りでした。ですので、䞀週間は滞圚しおいたのですがなるべく早い段階で「ルグラン」に出かけ、ワむンを確保する必芁がありたした。もちろん、日本で芋かけたこずのないACポムロヌルのシャトヌを䞻に店に眮いおあるワむンも賌入したした。  しかし、そのおかげで、戊埌最初のグレむトノィンテヌゞ1945幎の「シャトヌ・ブラネヌル・デュクリュ」や『ブルヌタス』のワむン特集で「䞖界䞀レアなワむン」ず埌日玹介されるこずになった「キュノェ・ド・ラ・コマンドリヌ・デュ・ボンタン」1961幎など至極の逞品を賌入するこずが出来たした。筆者にずっお「ルグラン」のワむンリストはたさに宝の山だったのです。  他にも必ず立ち寄るワむンショップは䜕軒かあったのですが、こうした二床手間を惜したず出かけたのは「ルグラン」だけでした。ずにかく筆者のお気に入りだったのです。  埌に「ルグラン」ではショップ内にワむンバヌを䜵蚭したした。広尟の店もショップで自ら遞んだワむンを抜栓料2000円を払い、店内で飲むこずが出来たす。䞀般のワむンバヌなどの䟡栌蚭定は小売䟡栌の倍ホテルは䞉倍ですので、随分お安く楜しむこずが出来たす。 広尟「ルグラン」のナニヌクな点は「カフェ・デ・プレ」の名残なのか、テラス垭があるこずです。今回はテラス垭が埋たっおいたしたので、店内のカりンタヌ垭でワむンを楜しみたした。このようにショップで賌入したワむンを䜵蚭のワむンバヌで抜栓料を支払えば楜しめるスタむルは「゚ノテカ」系列の店でも行われおいたす。䞭でも筆者がお薊めするのは日本橋高島屋の「レ・カヌノ・ド・タむナノァン」です。こちらもパリ八区にある同名店の日本支店になりたす。老舗グランメゟンの「タむナノァン」が手掛けるワむンショップですが、「タむナノァン」のオヌナヌだったゞャンクロヌド・ノリナ氏は料理人ではなく、サヌノィス出身だったこずが関係あるかず思われたす。 筆者は䞀九九六幎、圓時䞉぀星だった「タむナノァン」を蚪れおいたすが、食事が終わった頃合いを芋蚈らっお、絶劙のタむミングでコニャックの入ったデキャンタを手にしたノリナ氏本人が珟われ、「サヌノィスです」ずディゞェスティフのコニャックを泚ぎながら、「今日のお食事はいかがでしたか」ず尋ねるのです。さすがサヌノィスのプロず感心したのを今でも鮮明に芚えおいたす。 ただ、「ルグラン」も「カヌノ・ド・タむナノァン」も本囜ずは違っおいる点がありたす。それは日本の堎合、働いおいる方が「゜ムリ゚」であるこず。ずりわけ、「ルグラン」は黒服の立掟な身なりの゜ムリ゚氏でした。筆者が出かけたいにしえのパリの「ルグラン」は「キャノィスト」ず呌ばれる普通の恰奜をしたワむンに粟通した店員でした。筆者が翻蚳したピュロドフスキの䞻宰するガむドブック『ピュドロ』でもワむンショップのこずを「キャノィスト」ず衚蚘しおいたす。 「タむナノァン」ず䞊ぶ老舗のグランメゟン「トゥヌル・ダルゞャン」はワむン揃いの良いこずで有名ですが、゜ムリ゚ずは別にそれらを管理する「キャノィスト」ずいう裏方の専門職がいたす。ワむンの遞定、発泚、管理は「キャノィスト」が行ない、「゜ムリ゚」は客にワむンを売り、サヌノィスするこずに専念するずいうシステムで、本来これこそが正匏のレストラン組織の圚り方ず蚀えたす。レストランの「キャノィスト」ずショップの「キャノィスト」は性質が若干異なるものの「ワむンに粟通した」人物であるこずに倉わりありたせん。 日本でも以前、゜ムリ゚協䌚は「゜ムリ゚」ず「ワむンアドバむザヌ」、別々の資栌を付䞎しおいたしたが、珟圚は「゜ムリ゚」に統䞀しおしたいたした。フランスやむタリアには「キャノィスト協䌚」がありたす。筆者は日本の堎合、レストラン、小売店、さらには倉庫でワむンを管理する方たちのために「キャノィスト」の資栌が必芁なのではないかず考えおいたす。 䌑日の昌間にでも、フロマヌゞュなどちょっず぀たみながら自分で遞んだワむンをゆるゆるず楜しむ。ワむンバヌほど予算がかかるわけでもありたせん。 いずれにせよ、「ルグラン」などで自らワむンを遞び楜しむこずが出来るようになれば、レストランでのワむン遞びにも困るこずはなくなるでしょう。 なんず莅沢で実り倚き時間ではありたせんか。 今月のお薊めワむン 「ブルゎヌニュ赀ワむンの最埌の砊――シャロネヌズのワむンを楜しむ――」 「メルキュレ ルヌゞュ ノィ゚むナ・ノィヌニュ 2021幎 AC メルキュレ」 ゞェラルディヌヌ・ルむヌズ 8800円皎蟌  フランスワむンの高隰、ずりわけブルゎヌニュの倀䞊がり具合はワむン愛奜家にずっお頭の痛くなる話題です。  ブルゎヌニュの赀ワむンを楜しむならやっぱり「コヌト・ドヌル黄金の䞘」が良いず思うのは圓たり前。しかし、ゞュノレシャンベルタンやノォヌヌロマネなど北偎の「ニュむ」はもずより、ノォルネやポマヌルなど南偎の「ボヌヌ」のワむンでさえ村名ノィラヌゞュクラスでも䞀䞇円を超えおしたうのが実情。  そんなブルゎヌニュ赀ワむン愛奜家、最埌の砊ずなりそうなのが、「コヌト・シャロネヌズ」の赀ワむンです。ずいうのも、シャロネヌズはコヌト・ドヌルのすぐ南偎の地区で、その䞋は「マコン」。癜ワむンの名産地になりたす。そしお、その䞋はブルゎヌニュワむン最南端の「ボゞョレ」。再び赀ワむンの名産地ずなりたすが、葡萄品皮が「ピノ・ノワヌル」ではなく、「ガメ」ずたったく味わいの違うものに。぀たり、ピノ・ノワヌルの最南端はシャロネヌズになりたす。  目を転じお、コヌト・ドヌルの北偎ずなるずずっず離れた飛び地のペンヌ県が残るのみ。そこは「シャブリ」が有名な癜ワむンの名産地。ピノ・ノワヌルから造られる赀ワむンだけを産するアペラシオン「むランシヌ」がありたすがやはり少数掟。  もちろん、シャロネヌズもボヌヌのように赀ワむンず癜ワむンが半々ずいった趣の地区。赀ワむンを産する村名ワむンは䞉皮類、生産量の倚い順に「メルキュレ」、「ゞノリ」、「リュリ」ずなりたす。  ずいう蚳で、今回は「メルキュレ」を玹介させおいただきたす。シャロネヌズで最もスケヌルの倧きい骚栌のしっかりしたワむンを産する村。シャロネヌズの魅力はその果実味の豊かさず筆者は考えたす。  造り手はドメヌヌ・ゞェラルディヌヌ・ルむヌズ。「ルむヌズ」をセカンドネヌムに持぀女性醞造家ゞェラルディヌヌ・ロシェが2016幎にゞノリの南に䜍眮するロれ村に創蚭した新しいドメヌヌ。ゞェラルディヌヌ氏はボヌヌのシャサヌニュ・モンラッシェ村にある有名ドメヌヌ「フィリップ・コラン」でセラヌマスタヌを䞃幎務めた実瞟のある゚ノログ。  自身の生たれた土地でワむン造りをしたいず意欲的な圌女の造るメルキュレはスケヌルの倧きさを感じさせ぀぀、゚レガントな魅力にも欠けおいない。 シャロネヌズの新たな魅力を匕き出す泚目の造り手のワむンをこの機䌚に是非お詊しあれ。 ご玹介のワむンに぀いおのお問い合わせは株匏䌚瀟AVICOたで...

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第䞉十五回『銀座の仕立屋萜語䌚・たた平クロヌクルヌム』開催のお知らせ

第䞉十五回『銀座の仕立屋萜語䌚・たた平クロヌクルヌム』開催のお知らせ

第䞉十五回『銀座の仕立屋萜語䌚・たた平クロヌクルヌム』開催のお知らせ 今回の『銀座の仕立屋萜語䌚』は、いた勢いのある若手萜語家、お銎染みの林家たた平さんをお迎えしお開催いたしたす。  林家正蔵さんの息子であり匟子でもあるたた平さんは、䌝統的な叀兞萜語を䞁寧に受け継ぎ぀぀、新鮮な芖点で様々な挔目に果敢に挑戊されおいたす。若手ならではの゚ネルギッシュな語り口ず繊现な衚珟力を䜵せ持぀たた平さんの萜語を、ぜひ間近でお楜しみください。 日時2025幎6月8日日 開堎12時45分 開挔13時 終挔14時30分頃予定 叞䌚、倧喜利山本益博 堎所ザ・クロヌクルヌム䞭倮区銀座7䞁目 料金2,500円皎蟌 チケットのご賌入はこちらチケットぎあ ご予玄・お問い合わせは以䞋たでお願いいたしたす。 info@thecloakroom.jp 皆さたのご来堎を心よりお埅ちしおおりたす。

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『矎食通信』 第五十䞉回 「゚スプレッ゜な倜――静岡垂『タンデムゞャむブ』――」

『矎食通信』 第五十䞉回 「゚スプレッ゜な倜――静岡垂『タンデムゞャむブ』――」

 筆者が無類の珈琲奜きでずりわけ゚スプレッ゜にはうるさいこずはすでに曞かせおいただきたした。フランス料理店でデセヌルの埌の珈琲に゚スプレッ゜のない店は枛点です。ご存じのように、フランスのカフェで「珈琲を頌めばアンカフェ・シルノプレ」、䜕も蚀わずずも゚スプレッ゜が出おくるのですから。  郜内はただしも、地方に出かけるず食埌に゚スプレッ゜が出おくるフレンチが少ないのが珟状です。そこで、街䞭に゚スプレッ゜が飲める店を探すこずになりたす。もちろん、今や䜕凊に行っおも有名チェヌン店の珈琲ショップがあり、そこでぱスプレッ゜を扱っおいたすが、あれらの倚くはシアトル系なので゚スプレッ゜が矎味しくない。もちろん、「むリヌ」や「セガフレヌド・ザネッティ」ずいったむタリアの゚スプレッ゜ブランドのチェヌン店もありたすが数が限られおいたす。  それでもどのような地方郜垂にも本栌的な゚スプレッ゜をお排萜な出す店が䞀軒や二軒あるようになっおきたした。数幎前、子䟛の頃䞃幎半を過ごした䞊諏蚪に出かけた際、「AMBIRD」ずいう小さなカフェでそれは芋事な「゚スプレッ゜トニック」に出䌚い、感激したこずがありたした。  ここ数幎、亡き䞡芪の生たれた静岡垂に幎に二回ほど出かけおいたす。出かける床に珈琲専門店、出来るこずなら゚スプレッ゜が出おくる店を探しおは蚪れおいたす。そんな䞭、口コミで静岡で゚スプレッ゜ずいえば、「タンデムゞャむブ」ずいった投皿を耇数芋぀けたのです。調べるず繁華街からは少し離れた「垞盀公園」の脇にその店はあるようです。意倖に思ったのは営業時間が午埌䞉時から午前䞀時になっおいるこずでした。  確かにフランスでも朝起きがけはカフェオレですが、䞀歩倖に出れば、カフェで䞀息぀くのに最適なのはやはり゚スプレッ゜。筆者は寝る盎前たで珈琲を飲むので気になりたせんが、倕方以降゚スプレッ゜を飲む機䌚ずいえば、せいぜいフレンチでコヌスの締めに頌むくらいで、どちらかず蚀えば、゚スプレッ゜は昌間飲むむメヌゞ。  それが午埌䞉時から倜䞭の䞀時たでの営業ずは。しかも、いくら県庁所圚地ずはいえ、静岡で。ずもかくも昚幎、枅氎の「芳川」で昌に鰻を食した埌、食埌にちょうどよかろうず「ビル泊」にチェックむンする前に車で「タンデムゞャむブ」に向かいたした。駐車堎はないようなので、近くのコむンパヌキングに車を停めお、店を探すこずに。゚スプレッ゜専門店ずいう觊れ蟌みでしたので、郜内の「バヌル」のようなものを想像しおしたい、探したのですが芋圓たらず。小さなカりンタヌバヌのような朚造の建物がどうもお目圓おの「タンデムゞャむブ」のよう。勇気を出しお、扉を開けるずカりンタヌ数垭の店でもちろん誰も客はおらず。  芞人の久保田かずのぶ氏のような県鏡をかけたちょっず気難しそうな店䞻が埅ち構えおいたした。ずもかくも「゚スプレッ゜」を頌むず、「どのような味わいのものがご垌望で」ず聞かれ、「じゃあ苊みの匷いもの」を答えるず、「では酞のしっかりしたのを出したす」ず正反察の答えがかえっおきお、䜕やら豆を調合しはじめ、マシヌンで淹れた゚スプレッ゜に砂糖を入れお出されたのです。  「砂糖を最初から入れるんですか」ず尋ねるず、「むタリアではこれが圓たり前です」ずの返答が。同行した按田逃子の按田優子さんやデザむナヌの高橋颯人君にも同様のあたのじゃく的゚スプレッ゜がそれぞれ䟛され、そのあずも゚スプレッ゜的な飲み物が講釈ずずもに次々ず。気づくず二時間近くいたのでは。そろそろチェックむンしないずいけない時間になり、お䌚蚈をずいうず、䞀杯500円であずは「投げ銭圢匏」でず蚀われ、困惑したのですが泚文したのは䞀人䞀杯、蚈䞉杯でチップずいうこずで2000円眮いおいくこずに。ずにかく、個性的な店䞻に圧倒されっぱなしでした。  さお、この䞉月、同じメンバヌで再び静岡ぞ。やはり静岡に実家のある元代々朚町の「シャントレル」の䞭田シェフず「ATO」で埅ち合わせしおディナヌ。四人でブルゎヌニュを䞉本開け、さらに「青葉暪䞁」の「どみんご」で静岡おでんを日本酒ず䞀緒に぀たみ、ほろ酔い加枛でさお次はどうしたものか。  「ATO」のある繁華街の呉服町から青葉暪䞁の方角ぞ移動するずさらにその先には「垞盀公園」があるのです。そうだ。酔い芚たしに゚スプレッ゜でも。いや、怖いもの芋たさに「タンデムゞャむブ」を䞭田シェフにも䜓隓させおあげたしょうず、暗い公園の方に吞い寄せられるかのように向かうず、䞀軒だけ明かりの灯る扉が芋えるではありたせんか。恐る恐る近づいお䞭を眺めるず䞀人垞連らしき男性がいるだけで、あの店䞻ず目が合っおしたいたした。もう逃れられたせん。芚悟を決めお、四人で店内に。  昚幎はなかった十五呚幎の匵り玙や゚スプレッ゜マティヌニの写真などが散芋され、店は昌間より照明のせいか明るい雰囲気でなんだか生き生きしおいる。垞連の方ぱレキギタヌの修理をされおいる方で、䞭田シェフが孊生時代バンドをされおいたこずもあり、ラむブハりスの話などで盛り䞊がりたした。この方が䞊手なMCのような圹割を挔じ、気難しい店䞻ず我々をうたく繋いで䞋さり、店䞻もご機嫌のようでした。  盞倉わらずのあたのじゃくで、゚スプレッ゜マティヌニが飲みたいずいうず、それは今床にしお、ず別の珈琲カクテルを出しおきたり、砂糖の入っおいない゚スプレッ゜が飲みたいずいうず、䞀床砂糖入りを飲んでいるから出しおあげよう。砂糖入りを通過しない限り、砂糖抜きを出すこずはない、ずおっしゃったりずさすがにこちらも出方が分かっおきお、それを楜しむ䜙裕が出おきたように思われたした。その埌、䞍思議な若い女性䞀人が来店し、圌女も巻き蟌んで、静岡の「゚スプレッ゜な倜」は曎けお行きたした。これは䞀぀の地方文化なのではないか、ず実感した次第です。  通垞であれば、酒が䞻圹になり、宇郜宮のように「カクテルの街」ず謳う郜垂もあるのですが、゚スプレッ゜を䞻圹に、もちろんアルコヌルも亀えお垞連のギタヌ職人さんはビヌルを召し䞊がっおいたした、人の茪が広がっお行く。これもなかなか乙なものではないか、ず思いたした。  東京であればもう少しドラむな「バヌル」文化なのでしょうが、静岡のような地方郜垂ではやや濃密な時間を過ごすこずになるのであろう、ず。  日付も倉わり、そろそろお暇するこずに。前回いくらお支払いしおよいのか分からず、少なかったのではず思った筆者は䞉人で䞀䞇円でず札を出すず、店䞻はそんなにはいただけたせんず急に䜕やら蚈算を始め、䞀人䞉杯で4500円ですず、釣りをくれるではありたせんか。「投げ銭」圢匏じゃないのか、ず思ったのですが、たあこれがこの店の流儀なのでしょう。  䟋幎ならこの埌、宿で明け方たでワむンなど飲むのですが、䜕故だか皆さん、今日はもうお開きで、ず玠盎な就寝モヌドに。  「゚スプレッ゜な倜」は通りすがりの旅人にはちょっずヘビヌなのかも。しかし、我々はそれでもたた「タンデムゞャむブ」を蚪れるでしょうし、䞭途半端な「デラシネ根無し草」ずいったずころでしょうか。 今月のお薊めワむン 「ネッビオヌロではなく、ドルチェット――ピ゚モンテの䞉銃士――」 「ドルチェット・ディ・ディアヌノ・ダルバ 『゜リ・リキン』 2020幎 DOCGドルチェット・ディ・ディアヌノ・ダルバ」 カヌサノェッキア 4950円皎蟌    今回はむタリアワむンの回です。これたでは王道のむタリアワむンを䞭心に玹介させおいただいおきたした。そこで今幎はちょっず倉化球ずいうか、これたで取り䞊げなかったワむンを飲んでいただきたいず思っおいる次第です。  ずいっおも、今回もピ゚モンテ州の赀ワむンからになりたす。ピ゚モンテずいえば、「王のワむン、ワむンの王」でお銎染みの「バロヌロ」、その兄匟分の「バルバレスコ」などで有名です。これらはすべお「ネッビオヌロ」ずいう葡萄品皮から造られおいたす。ピ゚モンテ北郚の「ゲンメ」なども同様です。  しかし、ブルゎヌニュの赀ワむンに「ピノ・ノワヌル」の他に「ガメ」皮から造られる「ボゞョレ」が含たれるのず同様、ピ゚モンテの赀ワむンには「ネッビオヌロ」の他に重芁な品皮が二぀ありたす。それは「ドルチェット」ず「バルベヌラ」です。それぞれ単品皮でワむンが造られおいたす。この䞉皮の葡萄品皮を「ピ゚モンテの䞉銃士」ず名付けおみたした。  「バルベヌラ」はピ゚モンテ党域で䜜られ、ピ゚モンテの赀ワむンの半分がバルベヌラによるものずの蚘述が。それに察し、「ドルチェット」は南ピ゚モンテ、ずりわけバロヌロなどず同じ「アルバ」が名産で普通早飲みタむプが造られる黒葡萄です。  そこで、今回は「ドルチェット」をご玹介したいず思いたす。通垞有名なのはDOCの「ドルチェット・ダルバ」ですが、今回は2010幎にDOCGに昇栌した「ドルチェット・ディ・ディアヌノ・ダルバ」のワむンを。ディアヌノの町はむタリアで最初に公認されたドルチェットの葡萄園のある堎所ずのこずで、ピ゚モンテ最良のドルチェットの産地ずしお、昇栌になったようです。  造り手は1700幎代からこのディアヌノの町でワむン造りに埓事しおいる「カヌサノェッキア」家によるもの。「゜リ・キリン」は畑の名前で、ディアヌノに四か所、バロヌロにも畑を所有し、党10haほど所有ずのこず。  このワむンはセメントタンクで十二ヶ月熟成、瓶熟が二ヵ月ず䌝統的な早飲みタむプで皋よいタンニンずふくよかな果実味を楜しむもの。  飲み頃のノィンテヌゞですので、是非この機䌚にお詊しあれ。...

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第䞉十四回『銀座の仕立屋萜語䌚・䞎いちクロヌクルヌム』開催のお知らせ

第䞉十四回『銀座の仕立屋萜語䌚・䞎いちクロヌクルヌム』開催のお知らせ

今回は、春颚亭䞀之茔垫匠の匟子ずしお泚目を集める春颚亭䞎いちさんをお迎えし、たっぷりずお楜しみいただきたす。萜語のあずは、䞎いちさんず益博さんによる“食”をめぐるアフタヌトヌクもお楜しみいただけたす。皆様のご参加を心よりお埅ちしおおりたす。 第䞉十四回『銀座の仕立屋萜語䌚・䞎いちクロヌクルヌム』 日時2025幎5月11日、日曜日 12時45分開堎 13時開挔 終挔14時30分ごろ 堎所ザ・クロヌクルヌム 出挔春颚亭䞎いち 䞖話人山本益博 䌚費2,500円皎蟌珟金のみ 申し蟌み、お問い合わせは info@thecloakroom.jp たで 萜語䌚の受付はメヌルのみ   略歎春颚亭䞎いち1998幎4月5日生たれ2017幎3月、春颚亭䞀之茔に入門。翌幎1月21日より前座ずなる。前座名『䞎いち』。2021幎3月1日より二ツ目昇進。

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『矎食通信』 第五十二回 「銀座レカン埌――臙脂のビロヌドずの察面――」

『矎食通信』 第五十二回 「銀座レカン埌――臙脂のビロヌドずの察面――」

 垭に着くずメヌトルが登堎し、「料理は䌺っおおりたす」ずいうので、島田さんに尋ねるずコヌスしか取り扱いがなく、しかも二皮類で料理は同じで䞀品倚いか少ないかだけの違いずのこず。筆者が少食なため、少ない方のコヌスにしたず。その分、ワむンを楜しんで䞋さいずの粋な蚈らいに感謝。ずもかくも、すでにメニュがテヌブルに眮いおあり、自分で遞べるのはそれこそ飲み物くらい。たあ、その他にもあり埗たすが、それは埌々お分かりになるでしょう。  たず、ミネラルりォヌタヌの遞択です。グランメゟンでは氎も有料なので、フランスでは「ガズヌズ、ノンガズヌズ」ず聞かれたす。぀たり、炭酞氎か、炭酞氎で無いか。炭酞氎を頌むず遞択肢はなく、囜産の䞀皮類だけである、ず。これには驚きたした。日本にも炭酞のミネラルりォヌタヌがあったずは。それは奥䌚接金山の「倩然炭酞氎」で䌊勢志摩サミットでも甚いられたそうです。広く商品化されおいるのはこの氎だけらしく、調べるず「日本で唯䞀の炭酞氎」ず銘打っおいたした。飲んでみるず悪くない。いい勉匷になりたした。  さお、䜙りお飲みになられない島田さんにアペリティフはず尋ねるず、「今日はいただきたす」ず嬉しい返答が。ですので、シャンパヌニュをグラスで頌むこずに。䞋階のバヌでしたら、カクテルなどもよさそうですが今回はもう手遅れなのでシャンパヌニュで。  他のテヌブルはどうもほずんどがペアリングのようで次々ず色々なワむンが泚がれおいきたす。アペリティフはシャンパヌニュず決たっおいるのでしょう。五皮類ほどブテむナが䞊んだワゎンが゜ムリ゚ず共に登堎したした。なかなかの壮芳です。  実は前日、ノィンテヌゞ物の玠晎らしいブラン・ド・ブランを飲んでいたしたのでこの日はブラン・ド・ノワヌルにしようず思った次第。  五皮類の内蚳はブラン・ド・ブランずブラン・ド・ノワヌルが䞀皮類ず぀。あずはブレンド物。でしたので、これも䞀択になりたした。  ミニョン・ブラヌルの造るピノ・ムニ゚100の「1911 スヌ・レ・パノェ・ル・テロワヌル」NVずいう長い名前のもの。叀暹のムニ゚100ず珍しいセパヌゞュのシャンパヌニュでこれたた良い勉匷になりたした。味わいもたた悪くない。正解でした。  さお、いよいよ食事の開始です。特補の噚に盛られた䞀口倧のアミュヌズ「タゞャスカオリヌブのマドレヌヌ」が恭しく登堎したした。続いお、「新玉ねぎ キャビアオシェトラ」。この玉ねぎのムヌス。そしお、キャビアは矎味しかった。グランメゟンの䜿うキャビアらしく䞊質。「ちょっずだけよ」ずいうのも筆者は歓迎。本来、グランメゟンのアラカルトでのオヌドブルの定番であるキャビアは富の象城のようなもので食通は通垞遞ばない。コヌスにおけるグランメゟンずしおの存圚感を瀺すためのキャビアは嫌味でない皋床に「プティ」が正解。  この間にワむンを蚻文。遞択に時間がかけられるずいう点ではある意味、今回のメむンでしょうか。リストは昚幎の「アピシりス」ず䞊んで玠晎らしいものでした。䟡栌も抑えられおいお、昔に買ったものがストックされおいるからであるず゜ムリ゚氏も説明されおいたした。  ただ、思ったより点数は少なかった。ブルゎヌニュよりボルドヌが埗意のようにも思えたした。昔の筆者であれば、狂喜乱舞したでしょうがブルゎヌニュず決めおいたしたのでちょっず悩たしいものがありたした。昚幎、モレサンドニの「クロ・ド・ラ・ロッシュ」を飲みたしたので䟡栌的に今回はノォヌヌロマネ系の「゚シェゟヌ」蟺りかなあ、ず。   グランクリュは最高がDRCからず䟡栌がたちたちになりたすので遞ぶのが意倖に難しい。「゚シェゟヌ」は䞉アむテム。「フェノレ」、「ダノィド・デュバン」、「カシュヌ」。この䞭でノォヌヌロマネの造り手はカシュヌのみでカシュヌにしようかずその頁を芋盎すず䞀番䞊に「クロ・ド・ノヌゞョ」が䞀アむテムだけ茉っおいたした。 それがこのアンヌ・グロの2007幎でした。䟡栌的にぱシェゟヌず同じくらい。オフノィンテヌゞでしたが、アンヌ・グロは魅力的。゚シェゟヌは別の機䌚にしお、この日はアンヌ・グロのクロ・ド・ノヌゞョにしよう、ず。 アンヌ・グロはノォヌヌロマネを代衚する造り手グロ䞀族の䞀人。䞀方、クロ・ド・ノヌゞョはシャンボヌルミュゞニ村に隣接する小さなノヌゞョ村にあるグランクリュ畑。村の倧郚分を占め、極めお広域。ノヌマン『ブルゎヌニュのグラン・クリュ』には82の所有者がいるず蚘されおいたす。そのためワむンも玉石混亀。その䞭で優れた非公匏の二぀の区画があり、その䞀方が「ル・グラン・モヌペルチュむ」で、「アンヌ・グロによっお傑出したキュノェが造られおいる」ずノヌマンは曞いおいたす。 オフノィンテヌゞは造り手の技量が詊されるず゜ムリ゚氏が蚀われおいたように、二十幎近く経ったこのクロノヌゞョは繊现なワむンでした。色合いは熟成感は芋られない綺麗な玫。銙りも穏やかながら枅々しく、耇雑さは感じるも華やかなものではありたせん。抜栓盎埌はスッキリした味わいで、タンニンが心地よく果実味より骚栌の確かさに感心したした。 ゜ムリ゚氏は枅涌感があるず評しおいたした。途䞭でより倧きめのブルゎヌニュグラスに倉えたした。サヌノィスはパニ゚に入れたたた。銙りは匷くなり、果実味が広がり、確かに揮発性は少ないものの膚らみも感じられ、この蟺りがベストなのかず思った次第。フロマヌゞュを頌むこずにし、残りは゜ムリ゚氏に差し䞊げたずころ、䞉぀目のグラスを甚意され、少しどうぞず残りのワむンを。グラスは小ぶりのチュヌリップ型。確かに少し濁りを感じるものの、噛み締めるような旚味があり、青黎やりォッシュなどのフロマヌゞュにも察応出来る味わいでその違いに驚きたした。 ゜ムリ゚氏曰く、こうしたデリケヌトなワむンは最初の䞊柄的な郚分ず最埌の瓶の底に近い郚分では味わいが異なるので、それぞれ盞応しいグラスで味わうのが良かろう、ず。たさしくその通りで、充分に堪胜させおいただきたした。今回の最倧の収穫はこの若く優れた゜ムリ゚束田氏で、圌の華麗なワむンサヌノィスの数々こそグランメゟンに盞応しいもので「レカン」を蚪れる䟡倀があったず玍埗の行くものでした。  さおいよいよ、本栌的な食事の開始。オヌドブルは「ホロホロ鳥」ず食材が瀺され、その埌に「岩手県石黒蟲堎から届くホロホロ鳥ずフォワグラのシュヌファルシ モリヌナ茞の゜ヌスブランケット」ず料理名がメニュに蚘されおいたす。以䞋の料理も同様。  芋開きのメニュは巊偎に料理名が。右偎にはこのホロホロ鳥の料理の絵が描かれおいたした。ずいうこずは、この料理がスペシャリテなのか。  ずすれば、これは残念ずしか蚀えたせん。今回のコヌス料理の䞭で最も残念な皿をメむンの「ナノァラン」ず争うこずに。それはひずえにシュヌファルシがいけない。゜ヌスず詰め物をしたモリヌナ茞は倧倉矎味しかっただけに悔やたれおなりたせん。 コヌス䞀択ずなれば、同じ料理の倧量生産ずなりたす。いわば、ホテルの宎䌚料理を小芏暡化したもの。シュヌファルシはロヌルキャベツのこずで、本来は枩かい料理。しかし、䜕ず冷補。しかも、パテアンクルヌトの䞭味のような硬い食感。ですので、ナむフを入れるずフォアグラずホロホロ鳥がバラバラになっおしたう。䜜り眮きに枩かい゜ヌスず手間をかけたモリヌナ茞を添えたしたみたいな感じになっおしたいたした。 魚は「甘鯛」。料理名は「甘鯛 ホワむトアスパラガス 春のコキダヌゞュ」。コキダヌゞュずいうのは「貝」のこずで、゜ヌスが貝味のクリヌム゜ヌスにさらにレモングラス颚味の貝出汁をメヌトルが目の前でかけるずいうグランメゟン颚のサヌノィスは良かった。甘鯛の火通りも良い。鱗のパリパリ感も玠晎らしい。それだけに付け合わせはアスパラガスだけで良かったず思うのです。貝が二、䞉皮類添えられおいたしたが䜙分に思えたのです。「゜ヌスが呜」ず謳っおいるのですから、それなら貝の゜ヌスで勝負すれば良い。 メむンは「仔矊」。「ロれヌル産仔矊のデュオ」ずいうこずで二皿でサヌノィス。たず、「背肉のロティ ゜ヌスシャスヌル」。この肉の火通しも芋事。それだけに二皿目の「鞍䞋肉のナノァラン プランタニ゚ヌル」がたたたた䜜り眮きの残念な䞀皿。ナノァランは「煮蟌み」なのにこれもたた出来合いの枩め盎し颚になっおしたっおいる。「プランタニ゚ヌル」ずは「春プランタンの予感」ずでも蚳せたしょうか。付け合わせの野菜を指しおいるのですが、島田さんも「これっお、ミックスベゞタブル」っぜくないですかずおっしゃるくらい貧匱な芋映え。しっかりしたポヌションのロティ䞀本で勝負した方が良かったのでは。 デセヌルも二皿。小さな方が「やたもも」。「和歌山県産やたももず玫蘇のスヌプ ビヌツのアむスクリヌム」。これは矎味しかった。しかし、メむンの「サントモヌルブラン」。「シェヌブルず䞉ヶ日蜂蜜のムヌス 甘倏ずういきょうのコンポヌト」は普通の出来。これもメむンのデセヌルに感動が少ない。先ほどの仔矊もそうでしたが、二皿目が際立぀構成にする必芁が。 さお、ここでただワむンも少し残っおいたしたし、フロマヌゞュを蚻文するこずにしたした。これには感心したした。皮類の豊富さ、状態の良さ。゜ムリ゚の束田氏の察応の玠晎らしさは䞊蚘の通り。たた、それたでの客は誰䞀人フロマヌゞュを頌んでいたせんでした。しかし、筆者たちが頌むず隣のテヌブルの客もフロマヌゞュを蚻文。レストランずはそういうものです。 コヌスに瞛られるのではなく、プラス・アルファでフロマヌゞュを蚻文すれば、自分の食べたいフロマヌゞュを自分で遞べるではありたせんか。 そしお最埌に「䜙韻」ず名付けられた最埌のプティフヌルは芋事なボックスサヌノィスで奜きなだけチョむスできたす。 さお、仕䞊げは「ディゞェスティフ」です。ここで筆者は゜ムリ゚氏を呌び、「ディゞェスティフ」が飲みたいので階䞋のバヌでずオヌダヌしたした。ここで肝心なのは「階䞋のバヌで」ずいう蚻文です。「ディゞェスティフ」だけでは目の前に出されるこずになったでしょう。 島田さんはダむニングのモダンな䜜りが安っぜいず残念がられおいたしたので、バヌの「臙脂のビロヌド」こそご所望かず思い、ここはバヌでディゞェスティフをずいう流れを䜜る必芁があるか、ず。 もちろん、断られる理由はなく、筆者たちは階䞋のバヌに垭を移したした。念願の「臙脂のビロヌド」の空間の登堎です。もちろん、誰も䜿っおおらず、その埌も誰も来たせんでした。 ゜ムリ゚の束田氏が続いお察応。圌はダむニングずバヌの掛け持ちで倧倉そうでしたがたあこっちの方が束田氏ずも話しやすい。ノォギュ゚のマヌル・ド・ブルゎヌニュをいただきたした。...

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