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JOURNAL

『春風亭与いちの二ツ目日記』第七回「新年」

『春風亭与いちの二ツ目日記』第七回「新年」

新年明けましておめでとうございます。と言いたいところですが、年明け早々からおめでたくないニュースが続き心が痛みます。そんなことを少しでも忘れて、楽しんでもらおうと方々でお喋りさせていただいております。毎年、私の出囃子でも使わせていただいている、「八木山ベニーランド」という、地元・宮城にある世界有数のテーマパークで、新春落語会を開催しているのですが、今年も盛況で嬉しい限りでした。毎年、この会が仕事初めでは無いのですが、地元ということもあり、「今年もやるぞ」という気持ちにさせてくれます。"学生さん無料!"と謳っているのに、お子さんが1人も来ないことあったこの会ですが、今年はお子さん沢山。「落語聴いたことある?」「ない!」「笑点見たことある?」「ない!」「座布団1枚っていうやつ見たことない?」「知らない!」もはや清々しいです。元気はあるけど落語に興味はない。こういうお子さんの時ほど腕がなります。帰りに「面白かった」と言ってくれて良い1年のスタートを切れました。ありがとう、少年。今年は具体的な目標を3つ設定しました。1つ目、年間にネタ下ろしを20席すること。ネタ下ろしをしている独演会が年10回あるので、毎回2席ずつ下ろす計算です。ただ、これがかなり難しい。我々プロの落語家は勝手に覚えて口演することが許されておりません。どなたかに直接お稽古をつけていただき、1対1で自分が演って見せ、そこでオーケーが出て初めてお客さんの前で演ることが許されるのです。月に2席覚えることは努力次第でなんとかなりますが、そのお稽古をつけてくださる噺家とのスケジュールが合わなかったりすると、ネタ下ろしの会に間に合わない…なんてこともしばしば。昨年は月1席もやっとの状態だったので、とにかく覚えまくって自分の限界に挑戦します。お稽古が間に合わなければ、翌月3席下ろすつもりでやっていきます。果たして、その時お越しいただくお客さんにそれが良いのかどうか…。とにかくしゃかりきにやっていきます。2つ目、何かしら賞を取ること。私はこれまで賞レースというものから逃げてきました。「優劣より好き嫌いの問題だろ」とか、「賞取ったって売れない、売れてる人が取ってるだけ」などど、完全に卑屈になっていました(これは本当に良くない)。しかしそんなことより、賞を取ると私を応援してくださっている皆さんがきっと喜んでくれる。胸を張って「与いちを応援してます。」と言っていただけるように賞を取りたいと思うようになりました。いや、本当に。こんな拙い落語しかできない自分にお金を払って付き合ってくださる方々にお返しがしたいです。「じゃあ木戸銭返せ」とか言われても無視しますが。とにかくエントリーできる大会は全て参加します。そして、自分でエントリーできない、大会側が出場者を選んでいる賞レースの関係者様!私、春風亭与いちを是非!本気で賞取りに行きますので!3つ目、早起き。毎朝7:30には起きます。起きたいです。いやいや、あのぅ、これが1番難しいかもしれないのですよ。私にとっては。この目標を元日に立て、早2週間経ちますが、7:30に起きれたのは僅か1日。その1日も眠すぎて2時間昼寝してしまう始末。でも3つ全て達成できるよう2024年も頑張ります。本年もどうぞよろしくお願い致します。 略歴春風亭与いち1998年4月5日生まれ2017年3月、春風亭一之輔に入門。翌年1月21日より前座となる。前座名『与いち』。2021年3月1日より二ツ目昇進。        

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第二十回『銀座の仕立て屋落語会』わん丈クロークルーム開催のお知らせ

第二十回『銀座の仕立て屋落語会』わん丈クロークルーム開催のお知らせ

 新年一発目、1月の『銀座の仕立屋落語会』は真打昇進を間近に控えた「三遊亭わん丈」さんの登場です。二ツ目での登場は今回が最後。真打での登場は有るのか無いのかわかりませんがとにかく縁起がいいことこの上なし、今回は絶対に見逃せません。良い一年を迎えるためにも初笑いはわん丈さんにおまかせといきましょう。 前回ご好評いただいた秘密の大喜利も引き続き、最終回の今回は「お仕立て上がり」です、お楽しみに。 日時:1月14日、日曜日 12時45分開場 13時開演 終演15時ごろ 場所:ザ・クロークルーム 出演:三遊亭わん丈 開口一番 世話人:山本益博 会費:2,500円(税込)現金のみ 申し込み、お問い合わせは info@thecloakroom.jp まで (落語会の受付はメールのみ)

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『春風亭与いちの二ツ目日記』第六回「年末」

『春風亭与いちの二ツ目日記』第六回「年末」

どうも、メリークリスマスです。いつも毎月15日に更新をしておりましたが、年末の忙しさにかまけて遅くなってしまいました。街を歩いていると否が応でも飛び込んでくるイルミネーション、クリスマスソング、赤・白・緑。それらを感じる度に「ああ、早くクロークルームさんのコラムを書かなければ…」と思っていたのですが。。。気がつけばM-1が始まりました。あー、見たい。けどそんなことより書かなくては。令和ロマンさんが1番手とは思えない高得点。さや香さんが期待値上がり切った状態でも爆笑かっさらっている。面白すぎる。いかんいかん、一刻も早く書き上げなくては。これを書き上げてもまだやることは沢山ある。まずはお年玉を作らなくてはいけない。我々噺家は正月に前座さん・お囃子さんに「(あけまして)おめでとうございます」と言われたらお年玉をあげなくてはいけない。そんな素敵な風習がある。それに二ツ目に関しては、正月初席に出番が無いのにも関わらず、お年玉をあげるためだけに寄席に顔を出しに行く。大変素敵な風習だ。もちろん私も前座の頃たくさん頂戴いたしましたので大変有り難いことです。今年は新札の影響でなかなかピン札が手に入らないらしく、仲間たちがひーひー言っております。が、私には全く関係ありません。前座の頃いただいていたお年玉を全て、そのままの状態で保存してあるからです。三つ折りになったピン札のお年玉四年分。それらを自分のポチ袋に入れ直して渡している。大量の千円札がただ仲間内を回っているだけです。なにかと大変な年末ですが、先日ご褒美のようなお仕事をいただきまして。「子供たちに絵本の読み聞かせをしてください。」と。遂に来ました。今まで子供好きを言いまくってきた成果がやっと出ました。「あ、もちろん落語もやっていただけると…」普通は逆です。「落語メインで、絵本"も"…」なら分かりますが、絵本メイン。どちらも全力でやりました。絵本作家の「せなけいこ」さんとのコラボカフェ。そこに集まった親子連れ。1番小さい子で3歳。絵本は食い入るように楽しんでくれたのですが、さあ、問題は落語ですよ。まず"1人で登場人物を演じ分ける"というシステムを理解してもらえない。まずは小噺から入ろうと、「お母ちゃんパンツ破けた また(股)かい。」というのをやってみた。すると、その3歳の女の子が後ろを振り返って、「ママ呼んでるよー!」やはり難しい。続いて蕎麦をすする所作をしてみる。これは見た目で楽しんでもらえた。よしよし。じゃあ、「なんと、うどんをすする時は音が変わるんだよー。」と言うと、その子がいきなり挙手をして、「あたし、うどん食べたことあるー!」もう最高です。「うどん食べたことある人?」とは聞いていないのにですよ?その積極的な姿勢が嬉しくて、私は全力で褒めました。「食べたことあるんだ!すごいね〜!!」そしたら、自分も褒めてもらいたいと思った子供たちが続出して、「僕もー!」「あたしもー!」話が前に進まないのに、凄まじい盛り上がり。平和な学級崩壊のようでした。今年も色んなところでお喋りさせていただき、初めて年間高座数300を越えました。クリスマスの今日も噺をひとつ教わり。来年もがんがんやっていきます。当面の目標はこのコラムをちゃんと15日にアップすることです。来年もどうぞよろしくお願い致します。 略歴春風亭与いち1998年4月5日生まれ2017年3月、春風亭一之輔に入門。翌年1月21日より前座となる。前座名『与いち』。2021年3月1日より二ツ目昇進。

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『美食通信』第三十七回 「昼のご馳走『鰻』――サクッと食べる贅沢な時間――」

『美食通信』第三十七回 「昼のご馳走『鰻』――サクッと食べる贅沢な時間――」

 この『美食通信』も四年目に入りました。主宰のThe Cloakroomの島田さん、また読者の皆様には引き続きのご贔屓どうかよろしくお願いたします。  さて、昨年に続き十二月の初め、栃木県大田原市にお住まいの大学院時代の先輩、M女史に会いに出かけました。昨年は那須の「レストラン・クエリ」でランチしましたが、今年はMさんのリクエストで芦野町にある「丁子屋」で鰻を食することになりました。大田原からは車で一時間弱、現在は那須町に属するのですが、同じ那須町でも別荘地として有名な那須高原は新幹線を挟んで反対側で、同じ山の中なれどこちらは鄙びた感じの旧奥州街道沿いに「丁子屋」はありました。M女史は子供の頃、「丁子屋」の真向かいにあった公証役場でお父様が所長をされており、役場の裏の社宅に住んでいたそうです。現在は更地となって町営の無料駐車場に。そこに車を停めて、「丁子屋」へ。週末は予約が必要な名店とのこと。  品書きは鰻重と蒲焼、白焼のみと酒のつまみもほぼ皆無に近く、何と潔いことよ。筆者は銘柄不明の冷酒一合に蒲焼、冷奴というシンプルな選択。蒸しが弱めで身がしっかりとしており、食べ応えのある蒲焼でした。  それにしてもこんな山の中に鰻屋とは。元々は旅籠として江戸時代から三百年以上の歴史があるそうで、鰻は近くに奈良川があるからとのこと。そう言えば、高知の四万十川の鰻は有名です。関東も坂東太郎、利根川を始め、多くの河川があるので鰻はあちこちで名物に。埼玉では浦和、川越。千葉では成田や佐原などなど。成田は新勝寺の参道沿いに鰻屋がずらっと軒を並べ、「川豊」、「駿河屋」といった名店が。  佐原は利根川べりですので、伊能忠敬旧邸周辺の昔の街並みを散策した後は鰻を食するのが常道でしょう。筆者は日帰りの他にも旧家をリノベーションした「ニッポニア」に何回か宿泊したことがあり、ディナーは付属のレストランでフレンチですが、翌日の昼はやはり鰻を食べました。「山田」が有名なようですが、筆者のお薦めは街並みからは離れてしまうのですが、まさに利根川ベリにある「麻生屋本店」です。工場のようなビルで趣はありませんが、一階で座敷に上がって鰻をいただくことができます。観光地から離れているので比較的空いているのと、蒲焼、白焼の他に「塩焼」があり、これが絶品です。見た目は白焼に似ているのですが、こちらはそのまま塩焼にするというなかなか野趣味ある一品。蒸していないので鰻に油がのっていて、なかなか食べ応えがあります。  思えば、筆者が子供の頃、ご馳走と言えば「鰻」でした。半世紀以上前、幼稚園から小学校四年生まで筆者は長野県の上諏訪市に住んでいたのですが、当時、家族での外食といえば、父の勤めていた銀行のすぐ脇にあった「寿司金」か、湖畔の方にしばし歩いたところにある鰻の「おび川」でした。「寿司金」はカウンターで、子供が食べるのはせいぜい巻物や海老、穴子、玉子といったところで、筆者の好物はその原型を知らない「蝦蛄(しゃこ)」でした。海老のように火が通っていて、穴子のような甘いツメがかかっている。それに比べ、「おび川」は二階に上がった座敷で大人も子供も同じ「鰻重」をいただくので、子供ながらに「おび川」に連れて行ってもらう方がご馳走感があり、嬉しく思ったものでした。数年前、四十年ぶりくらいに諏訪を訪れる機会を得ました。中学生の頃、父と一度出かけて以来です。「寿司金」も「おび川」も健在でした。「おび川」は昔のままの佇まいで、旅の終わりに昼に鰻をいただいて帰りました。焼きがしっかりしていて、味も濃く、子供の頃食べていたのはこんな鰻だったのかと感慨深いものがありました。  諏訪から神戸に引っ越したのですが、神戸で鰻を食した記憶がありません。穴子や鱧の押し寿司はいただきましたが。父がお土産に何処かからいただいてきた鱧の押し寿司は絶品でした。神戸での外食はやはりステーキが多かったです。印象に残っているのは父が「加美乃素」の偉い方とご一緒し美味しかったといって、来客があった際連れて行ってくれた「いかりや」でした。ステーキソースではなく、一口にカットされた肉をぽん酢でいただいたのは初めてでその美味しさに子供ながらに驚いたのをよく覚えています。この店も健在のようでさすが老舗と感心しました。和食で外食に出かけたのは「うどんすき」くらいでした。ポートタワーにあった「美々卯」に連れて行ってもらい美味しかったのでリクエストしたのですが高価だったのか「美々卯」は時々で、名前を逸しましたが新神戸駅近くの別の店によく出かけたものでした。  やはり、鰻さらには寿司は関東風が良かったのでしょう。しかし、思えば、筆者の亡き両親は共に静岡市生まれだったのですが、静岡で鰻を食したことがありませんでした。まあ、鰻は浜松が有名で静岡と浜松では同じ静岡県でも歴史的には藩が異なり、文化圏も異なっているからでしょうか。やはり駿河湾は魚介が豊富で、子供の頃、母方の祖母は料理が上手で、家に出入りの行商のおばさんが毎日来て、祖母が見繕って料理してくれ、寿司も家で手作りでしたので鰻の出番がなかったのでしょう。夜が和食でしたので、子供の頃の母方の祖父とのランチはもっぱら「グリル中島屋」で洋食でした。  両親が亡くなり、静岡に住んだことのない筆者はある種の郷愁もあり、年に何回か実家に出かけることがあるのですが、筆者の場合夜はフレンチですので、昼に何を食そうかと考えた時、鰻はどうかと思い、探したところ素晴らしい料理屋を見つけました。  現在は静岡市に合併した清水にある、旧東海道沿い、やはり街道沿いの筆者の好物の「追分羊羹」本店からしばらく静岡方向に向かうとある老舗の割烹「芳川」です。清水の次郎長や西郷隆盛も訪れたという料理屋で鰻が自慢ですが、他の料理も色々とあります。何が素晴らしいかというと素敵な中庭を眺めながら個室の和室で食する鰻は上品で格調高い。それで価格は普通の鰻屋と変わらない。今や栃木でも佐原でも5000円弱というのが相場で、あの空間で同じくらいの価格なら正直安いくらいです。  本来、鰻は鰻重の場合、焼き上がるまでに時間はかかるものの料理が出てくれば、お重をかき込む感じになります。「丁子屋」でも同じ部屋の先に来られていたお客様たちもお重が出てくると三十分もかからず、皆いなくなっていきました。筆者は蒲焼を肴に日本酒をちびちびやっているのですが、お重を食される方たちが食べ終わるまで焼きの待ち時間を含め一時間ほどでしょうか。「竹葉亭」や「野田岩」で鰻のコースでも食するなら別ですが、ディナーで何時間も座を温める料理ではありません。ちょっとした旅行や週末の昼を贅沢に過ごしたい時、「鰻」は最適のご馳走ではないでしょうか。次にいつ何処で「鰻」を食することになるのか。筆者はいつも楽しみにしております。 今月のお薦めワイン 「新たな年を祝って――シャンパーニュで乾杯――」 「クロエ AC シャンパーニュ ドメーヌ・ヴァンサン・クーシュ」 12000円(税別)   『美食通信』も四年目に入りました。この三年間、「今月のお薦めワイン」のコーナーはフランスとイタリアのワインに関してそれぞれを比較、類推させ、システマティックに概観して参りました。両国の主要なワインに関してはおおよそ網羅できたと自負しております。  そこで今年は筆者の飲んでみたいワインをブルゴーニュ、ボルドー、イタリアと三つのグループに限ってローテーション的に紹介させていただこうと思います。  フランス料理に関しては大学に入ってすぐから愛好家となり、半世紀近くになりますが、ワインはそれに遅れて十年ほど、一九九〇年代半ばパリに海外研究に出かけることになった頃からボルドーワインに特化して傾倒して参りました。その成果は現在、Facebookにて「エチケットは語る」という形で紹介させていただいております。  また、ここ十年近くは筆者も年を取ったのと、元代々木町「シャントレル」の中田シェフとの出会いからブルゴーニュワインに関心が移っています。さらにこのコーナーに協力下さっているイタリアワイン専門のインポーター「アビコ」の阿掛社長とも懇意にさせていただいており、イタリアワインにも貴重な体験を多々重ねることが出来ました。  そこで今年は筆者の心の赴くまま、まさに「お薦め」ワインを紹介させていただければと思う次第です。  といいつつ、最初から例外で申し訳ありませんが初回はブルゴーニュではなく、代わりにシャンパーニュでございます。まあ、ご存知のようにブルゴーニュの北にあたるシャンパーニュ地方はブルゴーニュと栽培する葡萄が重なってしまい、このままではブルゴーニュに太刀打ちできないのでドン・ペリニヨン修道士がシャンパーニュを考案なさったということになっております。  筆者は発泡酒に関してはシャンパーニュに尽きると思っています。これに匹敵するのは葡萄品種が同じイタリアのフランチャコルタくらいか、と。あるいはクレマンでブルゴーニュかアルザスに逸品があれば何とかといった感じでしょうか。  新しい年の門出にはやはりシャンパーニュが似合います。今回選んでみたのはACシャンパーニュの最南端、ブルゴーニュに近いコート・デ・バール地域のビュクスイユにドメーヌを構える自然派シャンパーニュの代表的造り手として有名なヴァンサン・クーシュの「クロエ」です。  セパージュはピノ・ノワール66%、シャルドネ34%。地域的にはシャンパーニュ南部なのでピノ・ノワールが主です。ただし、クーシュはシャルドネに適した畑も所有しており、ブラン・ド・ブランも造っています。「クロエ」はそのモングーのシャルドネをバランス良くブレンドした亜硫酸無添加の自然派シャンパーニュの名手による自信作です。  では、今年も良い年でありますように。読者の皆様の健康とご活躍をお祈りして。乾杯! 略歴関 修(せき・おさむ) 一九六一年、東京生まれ。現在、明治大学他非常勤講師。専門は現代フランス思想、文化論。(一社)リーファーワイン協会理事。著書に『美男論序説』(夏目書房)、『隣の嵐くん』(サイゾー)など、翻訳にオクサラ『フーコーをどう読むか』(新泉社)、ピュドロフスキ『ピュドロさん、美食批評家はいったい何の役に立つんですか?』(新泉社)など多数。関修FACE BOOOK関修公式HP

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『美食通信』 第三十六回 「エクレア好き――シュークリームでもなく、モンブランでもなく――」

『美食通信』 第三十六回 「エクレア好き――シュークリームでもなく、モンブランでもなく――」

 先日、あるテレビ番組で、究極の二択として「シュークリームかモンブランか」というテーマで街行く一般市民にアンケートし、どちらが多数だったかを当てるという企画を放映していました。筆者はシュークリームだろうと予想しました。  最新のトレンドとして紹介されていたシュークリームはカスタードクリームの上にバタークリームの塊を乗せたもので、最近よく見かけるバターを挟んだどら焼きとかの高級ヴァージョンなのが分かりました。モンブランは相変わらず、和栗とか、出来たら何分以内に食さないといけないとか、一時期ブームだった延長路線だったように感じました。シュークリームは「クロシュー」といったクロワッサンに様々なクリームを詰めたものなどヴァリエーションに富んでいるのに対し、モンブランは高級化にしか未来はないように思われたからです。結果は予想通り、シュークリームの勝ちでした。  思えば、シュークリームもモンブランも比較的手ごろに楽しめる身近な馴染み深い洋菓子だからこそこの二択に選ばれたのでしょう。シュークリームは今でも中のクリームがカスタードか生クリームかが基本でコンビニでも必ず見かけます。一方、モンブランは筆者の子供の頃はカップ型のスポンジケーキの上の真ん中にシャンティクリームを搾り、その周りに栗なのか芋なのか怪しげなきんとんを糸状に絞り出し。半分に切った栗の甘露煮を乗っけたものが定番でした。色が黄色から濃厚な茶色に変わったのは、フランスで有名なアンジェリーナのモンブランが銀座プランタンで紹介されるようになってからでしょう。スポンジではなく、メレンゲの上にクリームがたっぷり。濃厚な栗のペーストがこれでもかとそれを覆いつくしたフランスの半分のサイズでも食するとなかなかヘビーなお菓子でした。本格的なフランス菓子はとにかく甘いと実感した次第。  ですので、筆者など街の洋菓子店の昔ながらの怪しげな手作りの似非モンブランの方が懐かしく食してみたいと思います。コンビニのスイーツも多彩で美味しいのですがやはり大量生産の味なのです。それはシュークリームにしても同じ。  しかし、筆者がその二択でひっかかったのは「シュークリームかモンブランか」ではなく、「シュークリームかエクレアか」ではないかと思ったからです。おそらくエクレアはシュークリームの一ヴァージョンに過ぎないとの認識なのでしょう。パリで人気のエクレア専門店「レクレール・ド・ジェニ」が高島屋に出店したのですがあっけなく十年もせず撤退してしまいました。  しかし、筆者はシュークリームとエクレアは全くの別物と考えます。同じシュー生地であるにもかかわらず、まず形状が異なる。これも重要かもしれません。シュークリームの場合、シューが半分に割られていたり、切れ目が入れられ、クリームが詰められている場合、蓋を外して、蓋にクリームを付けて食し、残りをナイフとフォークで食する。切れ目がない場合はナイフとフォークを使って、左側から少し切り取って食し、クリームだけを食しながら、なるべく形を崩さないように食するといったマナーがあります。  それに対して、エクレアは「レクレール・ド・ジェニ」の小ぶりのエクレアもそうでしたがフィンガーフードの趣があります。筆者の遠い記憶なのですが、上諏訪に住んでいた小学校低学年の時、父がお土産で買ってきてくれたエクレアがそうでした。シューにコーティングされていたのもチョコレートではなく、コーヒーかキャラメル味でカスタードクリームの味もそれに合わせたもので小学生にも小ぶりでパクッと食べれて、二つ、三つは食べれたものです。  さらに凝った作りのものは、神戸に引っ越して、小学校最後の二年を過ごした社宅が神戸市の東のはずれで数メートル先は芦屋市という立地。父が通勤で使っていた阪神芦屋駅の近く、警察署の隣に「アンリ・シャルパンティエ」があったのです。もう、半世紀前になりますか。今でこそ全国展開でパリにも研究所を持っているほどのブランドになっていますが、当時はまさに街の洋菓子屋さんとして日常使いするケーキ屋さんだったのです。もちろん、他の店に比べると値段は高めで、併設されていた喫茶コーナーで珈琲を註文するとクロワッサンが付いてきて、さすが神戸・芦屋だなあと子供ながらに驚いたものです。  おそらく難しいフランス語が付いていたのでしょう。母が「毛虫のケーキ」と呼んでいた筆者の好物のケーキがありました。記憶が正しければ、長方形のガナッシュ系のケーキの上に小さなエクレアが乗っていたように思うのです。当時のアンリ・シャルパンティエのケーキはすべてが小ぶりでそのくせ値段は高い。しかし、味は抜群で隣にもう一軒洋菓子屋があったのですがそこで買うことはありませんでした。  神戸時代、筆者の父が銀行員だったので、取引先に有名な菓子店が多くありました。お土産の定番だった「ヒロタのシュークリーム」、きんつばで有名な「本高砂屋」、チョコレート菓子の老舗「ゴンチャロフ」などなど。ゴンチャロフなどは父に連れられて工場見学させてもらいました。酒会社も多く、菊正宗にも連れて行ってもらったのです。盆暮れだけでなく、事ある毎に付け届けがあり、ワインも送られてくることが多々ありました。母方の祖父が静岡県の酒造組合に勤め、母の弟の叔父が合同酒精に勤めていましたのでこの頃からワインには興味があったのです。  さて、ヒロタの影響かは分かりませんが、筆者はシュークリームにはカスタードクリームが似合うように思うのですが、エクレアには何といってもシャンティクリームだと思うのです。シャンティクリームとは砂糖の入った生クリームのことです。それは他ならないシューにコーティングされたチョコレートとの相性がシャンティクリームの方が良いからです。チョコパイを思い出していただければ一目瞭然。あれはバター系のクリームですがホワイトクリームで卵黄系のクリームではありません。  ですので、コンビニなどで迷うことなくエクレアを買いたいところですが、どうも中身がカスタードクリームのものばかりで何となく躊躇してしまいます。思い起こせば、子供の頃、生クリームシューを売っている菓子店ではエクレアもシャンティクリームで、シンプルながらチョコと生クリームの絶妙なハーモニーに感動したものです。お値段も手ごろな方ですし。冒頭のモンブランではありませんが、洋菓子の高級化と複雑化は決して悪いことではないと思いますが、シンプルに美味しい手頃な手作りの洋菓子こそ、今必要とされているものではないでしょうか。 今月のお薦めワイン 「イタリア赤ワインの隠れた逸品――アマローネ――」 「アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ クラシッコ2017年 DOCG アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ モンテ・サントッチョ」 13020円(税別)  この連載も三クール目が終わろうとしています。この三年間、フランスワインとイタリアワインについてシステマティックに概観して参りました。今期のクールの最後は補完的にイタリア赤ワインの隠れた逸品について紹介させていただこうと思います。イタリアワインもフランスワイン同様、二大産地、ピエモンテ州とトスカーナ州を押さえておけばほとんど事足ります。  しかし、フランスワインにシラーを主として造られるローヌ地方の「コート・ロティ」という赤の逸品がありますように、イタリアワインにも他の州でイタリアワインを代表する銘酒が造られています。  それがヴェネト州のヴェローナ県のヴァルポリチェッラで造られている「アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ」です。ちなみに、県都ヴェローナはシェイクスピアの『ロミオとジュリエット』の舞台として有名です。  アマローネとは苦い(アマロ)に由来する苦みを意味する言葉で、イタリアワインの名称の基本、葡萄品種を表わすものとは異なる例外に当たります。ワインとしては主としてコルヴィーナ種を用いるヴァルポリチェッラの製法違いのワインとなります。  それが葡萄を収穫後平均三ヶ月ほど陰干し(アパッシメント)し、半分近くの水分を取り除き、糖度の上がった葡萄を発酵。最低二年以上の樽熟成と六ヶ月以上の瓶内熟成を経てリリースされるワインです。辛口で「力強い、ブルゴーニュワインのような魅力を引き出す」(アンダースン『イタリアワイン』)と言われています。  今回ご紹介する「モンテ・サントッチョ」の造り手、ニコラ・フェッラーリはアマローネを代表するカンティーナ「クインタレッリ」で働き、2006年、自身のワインを造るためこの「モンテ・サントッチョ」を創業。現在もクインタレッリのサポートを続けているヴァルポリチェッラへの強い探求心に溢れる醸造家です。  このクラシッコ2017年はトノーで三十ヶ月熟成。セパージュはコルヴィーナ40%、コルヴィノーネ30%、ロンディネラ25%、モリナーラ5%。濃いルビー色。干したプルーンやバルサミコの香り。後味にスパイスを感じる伝統的なアマローネの味わいを継承することに意を注いだ逸品です。  手間暇のかかる稀少性の高いワインですので少々値が張りますが、この機会に是非一度お試しいただければ幸いです。 ご紹介のワインについてのお問い合わせは株式会社AVICOまで 略歴関 修(せき・おさむ) 一九六一年、東京生まれ。現在、明治大学他非常勤講師。専門は現代フランス思想、文化論。(一社)リーファーワイン協会理事。著書に『美男論序説』(夏目書房)、『隣の嵐くん』(サイゾー)など、翻訳にオクサラ『フーコーをどう読むか』(新泉社)、ピュドロフスキ『ピュドロさん、美食批評家はいったい何の役に立つんですか?』(新泉社)など多数。関修FACE BOOOK関修公式HP

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『春風亭与いちの二ツ目日記』第五回「昇進」

『春風亭与いちの二ツ目日記』第五回「昇進」

11月の1日に弟弟子の春風亭いっ休が二ツ目に昇進しました。 やっとです。通常、入門から四年ほどで二ツ目になりますが、いっ休は約六年かかりました。古今亭志ん朝師匠ならとっくに真打ちです(それはそれで異常ですが)。実は二ツ目昇進に落語の技術云々は関係ありません。その時のタイミングのみで若干伸び縮みするもので、順番が来れば誰でもなれます。そして近年、あの忌まわしいコロナの影響でこのように伸びきってしまったのです。私はコロナ禍に入ってすぐ、入門から四年経たずに昇進となりました。なぜそんなに早まったのか、後から聞いたら、その昇進を決める落語協会の理事会(理事の師匠方による月に一回の会合)で、「上の前座さん達は働きがいいから早めの昇進でいいんじゃないか。」という話しが持ち上がったのだとか。これは謙遜でもなんでもなく、私はまるで働きの悪い前座でした。さほど必要じゃない時にずっといて、肝心な時にどっか行ってるような、耳かきの棒みたいな奴でした。ところが、同期が数年に一人出てくるような、いわゆる"スーパー前座"。楽屋での立ち居振る舞いから、鳴り物の技術、何をやらせても一級品。師匠方が思わず祝儀切ってしまいそうになるほどです。その出来具合があまりにも凄いので、なぜか「その同期の与いちもできる奴」扱いしてもらえました。よーく見るとそうでもないのに、ずば抜けたセンターがいることで全員可愛く見える大所帯アイドルグループのあれと同じです。そんなことでの昇進でしたから、すぐ下の後輩達から私は忌み嫌われました。そりゃそうです。入門時期がさほど変わらないそんな奴より、二年ほど長く前座をやることになったわけですから。私が後輩の立場だったら与いちのお茶にケシカス入れます。この間貰ったお茶に立っていたのは本当に茶柱だったのか心配になってきました。二ツ目の披露目は毎日緊張です。特に私は初めの十日間、すぐ後の出番が師匠一之輔だったので気が気じゃありませんでした。初日の高座に「粗忽の釘」という師匠から教わった噺を演り、入れ替わる時に「俺がこのままやり直してやりてぇよ」と言われました。自分でもかなり酷い高座だったのは忘れられません。次の十日間は、私の出番がなんと市馬師匠・正蔵師匠交互出演の後。後ですよ?普通は色物の方の後の出番で、その後に真打ちがお出になるんです。それどころか、我が落語協会の会長・副会長の後。幸せなパワハラです。初日は市馬師匠。降りて来られる時に師匠御自ら高座返し。拍手を煽りながら盛り上げてくださいました。後から聞いたら三十年ぶりの高座返しだったそう。そこから自分が何を喋ったのかは覚えていません。未だに夢に見ます。市馬師匠が降りて来られて、驚いて目が覚めます。ほぼ初恋と一緒です。そんな刺激的な毎日をいっ休も過ごしているはず。皆様も是非、昇進したてのキラキラした高座を観に駆けつけてください。ご祝儀もお忘れなく。※私は常時受け付けております。 略歴春風亭与いち1998年4月5日生まれ2017年3月、春風亭一之輔に入門。翌年1月21日より前座となる。前座名『与いち』。2021年3月1日より二ツ目昇進。     

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『美食通信』 第三十五回 「セカンドワイン考――トップブランドとは別物と心得るべし――」

『美食通信』 第三十五回 「セカンドワイン考――トップブランドとは別物と心得るべし――」

 先日久しぶりにレ・フォール・ド・ラトゥールを飲む機会を得ました。1996年と良いヴィンテージの古酒でした。レ・フォール・ド・ラトゥールはご存知のようにボルドーの五大シャトーの一つ、ポイヤックのシャトー・ラトゥールのセカンドワインです。  このセカンドワインという代物。ボルドーでは今や、さして有名でないシャトーさえ何処でも造っているという状況。それどころか、サードワイン以下も造る有名シャトーは数知れず。  筆者がボルドーワインに熱を上げていた一九九〇年代後半、確かにセカンドワインは多く造られていました。しかし、同じ五大シャトーのムートン=ロートシルトがセカンドワインを造り始めたのが1993年ですのでまだ猫も杓子もという訳ではありませんでした。  また、セカンドワインはどれもこれも十把ひとからげといった具合でどれもこれも1980円か2980円といった値段で売られていました。五大シャトーのオー=ブリオンのセカンド、バーン=オー=ブリオン(現在はル・クラランス・ド・オー=ブリオン)でさえ2980円で買えたのです。  その理由は簡単で、トップブランドのワインがさほど高価でなかったからです。当時、80年代のオフヴィンテージの84年、87年などは五大シャトーでも一万円以下でデパートのワイン売り場で購入可能でした。これもオフヴィンテージですが1992年のシャトー・ラトゥールを銀座三越のセールで5000円で買ったこともありました。  筆者がボルドーワインを追求しようと決めたのは、一九九四年にアークヒルズのサントリーホールの向かいにあった「ル・マエストロ・ポール・ボキューズ・トキオ」で飲んだムートン=ロートシルトの1984年に感銘してのことでした。上記のように1984年は残念なヴィンテージだったのですが、特にこの年はメルロが良くなかったようです。そこでムートンではこの年、カベルネ・ソーヴィニヨン100%で造ったと言われています。  ご存知のように、ボルドーは複数の葡萄をブレントするのが特徴で、ブルゴーニュがピノ・ノワール100%で造るのと対照を成しています。五大シャトーが格付けされたメドックではカベルネ・ソーヴィニヨンが主でメルロ、カベルネ・フランが続き、補助品種としてマルベック、プティ・ヴェルドが用いられています。また、シャトー・ペトリュスなどを産す右岸のリブールヌのワインはメルロが主で、カベルネ・フランが続き、既述の他の品種が補助品種となっています。  ムートンはポイヤック、いや広くメドックの中でもカベルネ・ソーヴィニヨンの比率が高く80%ほどと言われていますがそれでもカベルネ・フラン、メルロ、プティ・ヴェルドを用いています。  本当に1984年のムートンがカベルネ・ソーヴィニヨン100%だったかは分かりませんが、ちょうど十年経ったところで飲み頃だったせいもあり、さらにグランメゾンだけあってワインの状態が良かったのでしょう。なかなかの美味でした。しかも9000円だったのです。高級レストランでさえ、一万円以下で五大シャトーが飲めたのです。まあ、ル・マエストロはとりわけワインの価格が良心的だったのは事実ですが。  つまり、あえてセカンドワインを飲む必要性がなかったのです。ちょっと奮発すれば五大シャトーが買えたし、レストランでも飲めたのですから。大阪の某ホテルのメインダイニングでシャトー・マルゴーの良いヴィンテージの1978年を25000円で飲んだ記憶もあります。今やシャトー・マルゴーは最新ヴィンテージで十万円ですから桁違いです。  そんな中、唯一例外だったセカンドワインがレ・フォール・ド・ラトゥールでした。実際、グランメゾンのワインリストにも普通に掲載されていました。というのは、シャトー・ラトゥールがグレイトヴィンテージの場合、三十年は寝かさないとその本領を発揮しないと言われていたからです。  もちろん、三十年物のラトゥールをグランメゾンなら揃えていましたが大変高価なものになります。さらに中堅どころのレストランでは揃えるのも大変でしょうし、価格的にも不釣り合いになります。というか、三十年も待っていられないというのが本音で、それに対して、レ・フォール・ド・ラトゥールなら半分の十五年で飲み頃になるという訳です。  レ・フォール・ド・ラトゥールはこうした事情からか1966年から造られており、ラトゥールが造られる「ランクロ」と呼ばれる区画とは別の区画の葡萄が三分の二、ランクロの葡萄が三分の一用いられ、早くから飲めるように醸造されています。  つまり、レ・フォール・ド・ラトゥールは最初から別の目的で造られたラトゥールとは別のワインと考えるべきなのです。  しかし、多くの方がセカンドワインを飲んでトップブランドを垣間見られたつもりになってしまうように思われるのです。これは危険で、セカンドワインからトップブランドを予測するのは専門家でさえ至難の業と言えましょう。  サン=ジュリアンの第二級、シャトー・レオヴィル=ラス=カーズのセカンドワインだったクロ・デュ・マルキは別の畑で造られていますので、現在別ブランドして販売され、ラス=カーズの若葡萄で造られているル・プティ・リヨンをセカンドワインとしています。  トップブランドが桁違いの高価なワインになってしまった現在、セカンドワインなら何とかというケースもあるかと思います。その場合、やはり別物であるという認識を持って飲まれることをお勧めします。そして、出来る限り同じ価格で買える格下のシャトーやブルジョワ級のトップブランドを買われることをお勧めします。トップブランドにこそ、そのシャトーの真髄が、そのアペラシオンの特徴が最良の形で表現されているのですから。  レ・フォール・ド・ラトゥールの1996年はまだまだ寝かせることも出来そうな見事な出来でした。果実味が生かされ、その熟成感を楽しむタイプのワインです。ラトゥールはもっとタイトでタンニックなワインで古武士のような凛とした佇まいが素晴らしい。  レ・フォール・ド・ラトゥールほどその独自の存在感を有するセカンドワインは他にない。筆者はそう考えるのです。  今月のお薦めワイン 「トスカーナのボルドータイプのワイン――ボルゲリ――」 「フェルチアイノ ロッソ 2018年 DOC ボルゲリ ジョヴァンニ・キアッピーニ」 6900円(税別)   ボルドーにメドックとリブールヌの二つのタイプのワインがあるように、イタリアワインのボルドーに比較されるトスカーナ地方のワインもまた、二つのタイプに分けることが出来ます。それはキャンティを生み出すサンジョヴェーゼ種とその亜種(ブルネッロ種など)から成るワイン群とまさにボルドースタイルのワインを造るべく、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロを導入したワイン群。  このボルドースタイルのワインのパイオニアとなったのがサッシアイアです。1944年、シャトー・ラフィット=ロートシルトのカベルネ・ソーヴィニヨンを植えたのが始まりのようです。当初は規格外でしたのでヴィーノ・ダ・タヴォーラ扱いでしたが高額でしたので「スーパータスカン」と呼ばれていました。他にもオルネライアなど有名なワインが後続し、1994年にはDOCボルゲリを名乗ることが出来るようになり、サッシアイアは単独でDOCボルゲリ・サッシアイアを獲得。トスカーナの新たなスタイルのワインとしてその一翼を担うようになっています。  今回ご紹介するのはジョアンニ・ピアッキーニが造るボルゲリ。1954年にマルケ州から移り住んだピアッキーニ家は1995年までは野菜とオリーブを作っていましたが、この年より葡萄を栽培。2000年よりワインを販売しています。畑はオルネライアの隣と良好な立地。 「フェルチアイノ」はカベルネ・ソーヴィニヨン50%、メルロ40%、サンジョヴェーゼ10%というセパージュ。ボルゲリのボルドースタイルワインには補助品種として、サンジョヴェーゼやシラーを用いるカンティーナが多いです。  ボルドーよりはやや赤みがかった濃いルビー色。香りはボルドーに比べるとスパイシーで果実の甘い香りが強い。複雑な味わいはボリューミーでボルドーよりは濃厚でアフターに甘やかさが残る感じ。熟成しても美味しいが早くからも飲めるタイプ。  この機会にボルドーのようでボルドーでないボルゲリ独特の美味しさを是非ご堪能下さい。 略歴関 修(せき・おさむ) 一九六一年、東京生まれ。現在、明治大学他非常勤講師。専門は現代フランス思想、文化論。(一社)リーファーワイン協会理事。著書に『美男論序説』(夏目書房)、『隣の嵐くん』(サイゾー)など、翻訳にオクサラ『フーコーをどう読むか』(新泉社)、ピュドロフスキ『ピュドロさん、美食批評家はいったい何の役に立つんですか?』(新泉社)など多数。関修FACE BOOOK関修公式HP

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第十九回『銀座の仕立屋落語会・たま平クロークルーム』開催のお知らせ

第十九回『銀座の仕立屋落語会・たま平クロークルーム』開催のお知らせ

11月19日の銀座の仕立て屋落語会は映画「ゆとりですがなにか インターナショナル」が話題の「林家たま平」さんの出演です。人気も実力もぐいぐいと鰻登りのたま平さんのお噺、お聞き逃しなく。 第十九回『銀座の仕立屋落語会・たま平クロークルーム』 日時:11月19日、日曜日 12時45分開場 13時開演 終演15時ごろ 場所:ザ・クロークルーム 出演:林家たま平 開口一番 世話人:山本益博 会費:2,500円(税込)現金のみ 申し込み、お問い合わせは info@thecloakroom.jp まで (落語会の受付はメールのみ)

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『春風亭与いちの二ツ目日記』第四回「神頼み」

『春風亭与いちの二ツ目日記』第四回「神頼み」

最近、何かと上手くいかない。一,二年に一度、こういう周期が来る。公衆トイレでトイレットペーパーが予備も含め全て無くなっていた事がここ一週間で二度あった。二回ともポケットティッシュ等持ち合わせていなかったので仕方なく、扉を少し開け、周りに人がいないことを確認しながら、隠密のように隣の個室に移動し事なきを得た。高座に上がり、まくらを振っている最中にお客さんに話しかけられたことは一週間で三度もあった。話しかけてもいい雰囲気を出してしまっている自分も悪いのだろうが、あれはとにかくやり辛い。「がんばれ!」言われなくても頑張る。お金もらってるし。「与いち!」知ってる。めくりにでっかく書いてある。「最高!」聞いてねえ!なによりだ!上手いこといなすことができれば良いのだが、そのまま話し続けようとしてくる輩に当たると、「誰か代わってくれ」という気持ちになる。そして誰も代わってくれないから泣きたくなる。これはいかんと思い、行ってきました。伊勢神宮。こういう時は神頼みしかありません。もちろん、外宮と内宮。両方参拝しました。外宮に着くと、なにやら仰々しい雰囲気。ベージュの警備服に菊の紋。それを着た男性がおよそ30人。「何かあるのか」とそのうちの一人に尋ねてみたら、秋篠宮さまが海外渡航をされるにあたってその為の参拝とのこと。なるほど。どこに行かれるのだろうとスマホで調べてみたら確かに出てきた。「秋篠宮さま、ベトナムに無事到着」ん、、、?"到着"?これから伊勢神宮にいらっしゃるのではないのか?と、尋ねてみたら、「実はこのようなことは良くありまして、今回も代理の方が参拝されます」とのこと。いや、もう面倒くさくなってないか?とは思っても言えず。せっかくなので、その代理の方々を拝見することに。参道の周りに護衛の方々が立ち、他の参拝客を一時的に止める。遂にその一団がいらっしゃった。一番立派な格好をされた、恐らく代理の方が先頭の一つ後ろ。ポジションで言うとトップ下。香川真司の位置。同じ黒スーツの方がその両脇と、後ろに二人。その周りをベージュの方々が囲むような形。フォーメーションで言うと、4-2-3-1のダブルボランチだ。これはサッカーでも守りの堅い位置取り。サッカーファンの私にはたまらない陣形だ。むしろ秋篠宮さまより珍しい光景を見ることができ、ご利益アップ。それから伊勢神宮に祀られている神様全てにお賽銭を5万円ずつ(嘘)入れてご挨拶させていただきました。いわゆる"パワースポット"と呼ばれる箇所も全てまわり、1500円の御札にも5万円払い「釣りは要らない」とお伝えしました(嘘)。そして早速ご利益がありました。このコラムをもう少しで書き終えられそうなのです。みなぎっているのが自分でも分かります。先程、手が濡れている状態でスマホのパスコードを一発で解除できました。間違いありません。東の落語家で今一番パワーを持っているのが私でしょう。あなたとどこかで会ったら、握手でも肩車でもなんでもして、パワーのお裾分けをして差し上げましょう。その時はどうぞお賽銭も忘れずに。 略歴春風亭与いち1998年4月5日生まれ2017年3月、春風亭一之輔に入門。翌年1月21日より前座となる。前座名『与いち』。2021年3月1日より二ツ目昇進。

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『美食通信』第三十四回 「ディジェスティフのすすめ――グラッパなどいかが――」

『美食通信』第三十四回 「ディジェスティフのすすめ――グラッパなどいかが――」

     フランス料理などワインを飲みながら食する料理において、アペリティフ即ち食前酒を嗜む習慣は日本でも定着してきたように思われます。しかも、昨今それらはシャンパーニュを理想とするスパークリングワインというのが定番です。筆者がフランス料理を始めた半世紀近く前はアペリティフと言えば、マティーニなどのショートカクテルの強いお酒、あるいはスペインの酒精強化ワインのシェリー、クレーム・ド・カシスを白ワインで割ったキールなどでした。シャンパーニュをグラスで供することは稀で、ドゥミなりボトルで頼むのがマナーでした。おそらく、グラスでのサーヴィスは炭酸が抜けてしまうのが嫌だったのでしょう。しかし、ペアリングのように皆が一時にブテイユを空けてくれるなら、シャンパーニュを供するのも悪くありません。また、シャンパーニュ愛好家が増えたこともあるかと思います。さらにソムリエは元来お酒のサーヴィスの一環でしたので、バーテンダーが取る資格という意味合いもあります。ソムリエという地位が一般に認知される過程で、バーテンダーの果たした役割は大きい。アペリティフにおけるカクテルからシャンパーニュへの移行はその歴史的過程を表わしているとも言えましょう。  しかし、フランス料理におけるお酒の飲み方にはさらにディジェスティフ即ち食後酒があります。食前酒があるのですから食後酒があって当たり前といえば当たり前。食中酒がワインということになります。しかし、どうもこちらの方はあまり嗜まれる方がいらっしゃらないのが現状です。まあ、日本人は西洋人に比べアルコールに弱い方が多いので、ワインまでで精一杯というのもあるかと思います。しかし最近、筆者はディジェスティフが普及しないのは飲む場所の問題ではないかと思うようになってきました。そう、食事が終わったテーブルで食後酒を飲むのはあまり好ましいことではないのではないか、と。シャンパーニュから始まり、ワインを飲みながら何皿もの料理を平らげ、デセールを食し、エスプレッソを飲んで一息ついている席でさらに何かお酒を飲みたくなるでしょうか。  実際、本当のグランメゾンにはまずウエイティングバーがあり、そこでアペリティフを飲んだ後、食事のテーブルへと移動します。さらに食事が済んだあと、さらに場所を変えてデセールやシガーのサーヴィスがあったのです。部屋が三つあった訳です。筆者がパリで訪れたグランメゾンでもそこまでやっていた店はありませんでした。むしろ、神戸にあった「アラン・シャペル」はまさに三か所移動したのを覚えています。顧客の末席に入れていただいていた「ル・マエストロ・ポール・ボキューズ・トキオ」は「バー・マエストロ」を併設し、バーとレストランを往復する形でした。  今やそのようなレストランは皆無に近いでしょうから、どうすれば良いのか。そう、日本人得意の「河岸を変える」、まさにレストランからバーへと移動すれば良いのではないでしょうか。そうすれば、色々なお酒を食後酒として楽しめる。というのも、筆者はディジェスティフにブランデー(コニャックとアルマニャック)やマールと言ったフランスの蒸留酒よりイタリアのグラッパが飲みたくなるからです。もちろん、フレンチの店でもグラッパを置いている所もありますが、やはりカテゴリーミステイクな感じです。バーに行けば、コニャックであれ、グラッパであれ、好きなものを堂々と頼んで楽しむことができます。  筆者にそれを気づかせてくれたのは、渋谷の東急文化村の「カフェ・ドゥマゴ」で日参するかのごとくディナーで持ち込みのワインを開けていた時のことでした。顧客は持ち込み料無料でしたので、筆者もその一人に認めていただき、人と会うのをドゥマゴにしていたのです。その頃、大変お世話になった渋谷の画廊のマダムがいらして、マダムとご一緒するときはまず、マダム行きつけの駅のすぐ近くのショットバーで待ち合わせをし、ドゥマゴで食事した後、再びそのバーに戻って、また一杯といったのが常でした。バーの店主はフレンチ出身でワインにも詳しく、筆者はそこでグラッパ・サッシカイアに出会いました。コニャックも何種類も置いていて、それらもいただいたのですが、サッシカイアのグラッパの方が気に入りました。グラッパはワインの搾りかすを発酵・蒸留したもので、「粕取りブランデー」と言われるものに当たります。フランスではマール、イタリアがグラッパです。サッシカイアはトスカーナ地方、ボルゲリ地区で造られるボルドースタイルの「スーパートスカン」と呼ばれるワインの元祖として高名な銘柄でそのワインの搾りかすから造られたグラッパなのです。  グラッパには樽をかけた茶色のものと無色透明なものがあります。マールも同様です。筆者はやはり樽がけしたものの方が好みです。しかも、マールよりグラッパの揮発性の高い香り高さ、ちょっと捻った感じの香りが好きです。味わいにもサッシカイアのグラッパなどには甘やかさがあり、マールにはそれがありません。まさに好みの問題かと思いますが、それを選べるのがバーの良いところです。  先日、久しぶりに渋谷に出かけ、ちょくちょく伺うビストロで食事しました。時間が早かったので、食後に駅前から文化村近くに移転した件のショットバーに出かけました。店主も健在でグラッパをいただきました。来年三十周年とのことです。筆者が最初マダムに連れられて伺ったのが一九九六年だったと思いますので開店二年目だったのか、と。文化村も再開発で休館。ドゥマゴも閉店してしまいました。時の流れを感じます。サッシカイアのグラッパも高価になってしまったので銘柄を変えたそうですが、やはり茶色の美味しいグラッパでした。  また、この原稿を書いている少し前、静岡でも「カワサキ」で食事した後、近くの「バー・コード」でグラッパをいただきました。こちらは元々梯子酒で、ルイ・ラトゥールのヴォーヌ=ロマネをボトルでお安く飲ませていただいたので、折角バーに来たこともあり、もう少しお金を使わせていただかないと申し訳ないと思い、グラッパをお願いしたら、二種類珍しいものを出して下さいました。ご一緒したNシェフはマールを頼まれましたが、やはりグラッパの方が自分は好みで、二種類のうち造り手が亡くなり今は造られていないというグラッパの方が俄然自分好みでした。したたか酔ってしまっていて、銘柄をメモするか写メを撮ってくるのを忘れてしまったのを後悔しています。  食事のあと、バーに河岸を変えて、好みのディジェスティフをいただく。これまた、贅沢なひと時ではありませんか。その際、グラッパを選択肢の一つに加えていただければ幸いです。 今月のお薦めワイン 「ボルドーの双璧・リブールヌのワイン―メルロが主役――」 「シャトー・フォンプレガード 2017年 AC サンテミリオン グランクリュクラッセ」 7200円(税別)  ブルゴーニュにニュイとボーヌがあるように、ボルドーにも代表的な二つのタイプのワインが存在します。それらはカベルネ・ソーヴィニヨンを主たる葡萄とするメドックやグラーヴのいわゆる「左岸」のワインとメルロを主とする「右岸」のリブールヌのワインです。 メドックは格付けされ、五大シャトーで有名です。他方、リブールヌはボルドーで最も高価なワインと目されるシャトー・ペトリュスがポムロールにあります。  リブールヌのワインで押さえておくべきアペラシオンはまず、サン=テミリオン。1955年に開始され、度々改定を行なっています。メドックの格付けが1855年のままであるのとは対照的。改定の度、論争を巻き起こし、2022年には初回以来ツートップだったシャトー・オーゾンヌとシャトー・シュヴァル=ブランが脱退し、代わりにシャトー・パヴィとシャトー・フィジャックがツートップになりました。ちなみに、ACサン=テミリオンを名乗れるワインはサン=テミリオン市の他に古層(ジュラード)と呼ばれる八つの村が含まれます。  続いて、ペトリュスを産むポムロール。こちらは意識的に格付けを行なわないようにしています。ペトリュスを最上にラ・コンセイヤント、レヴァンジル、ラフルール、トロタノワ、ヴュー=シャトー・セルタンを含む十ほどのシャトーがトップ・シャトーと言われています。  両アペラシオンには共に衛星地区(サテライト)と呼ばれるそれに準じるワインを生み出すアペラシオンがあります。サン=テミリオンにはサン=ジョルジュ、モンターニュ、リュサック、ピュイスガンの四つの衛星地区があり、ポムロールにはラランド=ド=ポムロールがあります。  あと、フロンサックとカノン=フロンサック。一時期、ペトリュスを所有するJ.P.ムエックス社が多くのシャトーを所有し、その可能性に挑戦していました。  上記三大地区のワインを探されると良いでしょう。また、近年注目されているのはサン=テミリオンに接するカスティヨンです。ワイン高騰の折、手頃な価格で上質のワインが楽しめるアペラシオンです。  今回はサン=テミリオンのグランクリュクラッセに格付けされているシャトー・フォンプレガードを紹介させていただきます。プルミエBのラ・ガフリエールの西隣りと恵まれた立地。2004年以来アメリカの実業家夫妻が所有し、2017年はメルロ95%、カベルネ・フラン5%とメルロの醍醐味を楽しめるワインです。2013年にはエコセールの認証を受けています。また、ミシェル・ロランがコンサルタントと今風のサン=テミリオンをこの機会に是非お試しあれ。 ご紹介のワインについてのお問い合わせは株式会社AVICOまで 略歴関 修(せき・おさむ) 一九六一年、東京生まれ。現在、明治大学他非常勤講師。専門は現代フランス思想、文化論。(一社)リーファーワイン協会理事。著書に『美男論序説』(夏目書房)、『隣の嵐くん』(サイゾー)など、翻訳にオクサラ『フーコーをどう読むか』(新泉社)、ピュドロフスキ『ピュドロさん、美食批評家はいったい何の役に立つんですか?』(新泉社)など多数。関修FACE BOOOK関修公式HP

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ショールカラーでラグランショルダーのベルテッドコート

ショールカラーでラグランショルダーのベルテッドコート

 ストリートファッションやブランドのロゴを前面に打ち出したいわゆる派手目なトレンドも落ち着いてきたようです。その揺り戻しでシンプルで上質なものやシルエットや生地のドレープで魅せる品の良いファッションがじわじわと広がっているのだとか。 私たちのようなオーダーのお店だと「元からそういうもんでしょ」と思わないでも無いですが嬉しい流れです。  今シーズンは久しぶりに新しいデザインのコートを作りました。ショールカラーでラグランショルダー、ベルテッドのロングコート。ゆったりとしたシルエットで贅沢に生地を使って綺麗なドレープが出るように心がけました。たっぷりとしたガウンのような雰囲気でかる〜く着れます。チェスターコート系だとかっちりしすぎるかな、というときに柔らかい雰囲気だけどしっかり品があるので重宝すると思います。  タイドアップしたスーツに着るというよりはニットの上に羽織ったり、ノータイのジャケットスタイルに合わせて着るのがいいですね。生地はいわゆる厚地のコート生地よりはフランネルやカバートクロスなどの軽めの素材の方が綺麗なドレープが出るので相性が良さそうです。正にシンプルで上質、素材の良さやドレープで勝負する今お勧めしたいコートになりました。是非一度お試しください。

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第十八回『銀座の仕立て屋落語会』わん丈クロークルーム開催のお知らせ

第十八回『銀座の仕立て屋落語会』わん丈クロークルーム開催のお知らせ

10月の『銀座の仕立屋落語会』は飛ぶ鳥を落とす勢いが全く収まらない「三遊亭わん丈」さんの登場です。わん丈さんにこの落語会に出演いただけるのも残すところあと2回。この貴重な機会を是非お見逃しの無いようにお願いいたします。 前回ご好評いただいた秘密の大喜利も第二回、今回は「仮縫い」です、お楽しみに。 日時:10月15日、日曜日 12時45分開場 13時開演 終演15時ごろ 場所:ザ・クロークルーム 出演:三遊亭わん丈 開口一番 世話人:山本益博 会費:2,500円(税込)現金のみ 申し込み、お問い合わせは info@thecloakroom.jp まで (落語会の受付はメールのみ)

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